活動事例

地域音楽 コーディネーター 活動事例

【事例紹介】「フルートアンサンブルの魅力を広げよう!」

(2023年11月15日公開)

地域音楽コーディネーター フルーティスト 東京都 藤川佳奈子さん

ステージに指揮者,メンバーが座って演奏
■活動テーマ:
「フルートアンサンブルの魅力を広げよう!」
■目次:
■活動開始時期:
2023年~現在
■場所:
東京都内、神奈川県を拠点
■対象:
子供から大人まで
■活動内容

1.きっかけ

私は大学卒業後、ヤマハミュージックレッスンのフルート科講師となりました。教室にはふだん、様々な場所で日常を送る大人の方たちが、フルートという共通の楽器を通して、音を奏でる喜び、息で表現をする楽しみ、思い通りになったり、ならなかったりする気持ちを共有する場として、日々のレッスンを楽しんでいます。

フルートにはピッコロ、コンサートフルート、アルトフルート、バスフルート、コントラバスフルートという多彩な同属楽器があります。この編成を「フルートオーケストラ」と言い、クラシックやポップスの作品を編曲したものや、フルートオーケストラのために作曲したものなど、様々な楽曲があります。フルートはメロディーを担当することが多いのですが、アルトフルートやバスフルート、コントラバスフルートは弦楽器ならヴィオラ、チェロ、コントラバスの音域を担当します。フルートオーケストラでは低音楽器の響きやハーモニーを楽しめることも魅力のひとつになっています。小編成のアンサンブルから、低音楽器を含む大編成のフルートオーケストラまで、様々な可能性のあるフルートアンサンブルの魅力をお伝えしたいという思いで、講師の有志を中心に「フルート・アンサンブル・KANAGAWA」というグループが結成されました。

2.具体的な内容

(1)コンサート企画

神奈川県を中心に活動しているメンバーですので、演奏会場や練習場所は神奈川県内にしています。今回は「フルート・アンサンブル・KANAGAWA」の第1回目の演奏会でしたが、実はこのグループには前身があり、そのときからのメンバーが役割分担をスムーズに指南してくださり、全員がいずれかの係を担当します。実行委員長、会計、チケット係、広報、会場係、楽器運搬等、今までの経験をもとに実務を改善し、本番まで構築を重ねていきます。

アンサンブルの練習はもちろんのこと、企画をメンバーで担うことも本番への思いにつながります。広報宣伝は現役生徒さんへの告知に始まり、メンバーが指導している各教室や日本フルート協会の会報誌等にチラシを掲載します。

フルートは音を出すまでが難しいと言われていますが、始めると長く続ける方が多くいます。事情があり教室をやめてしまった生徒さんもどこかでフルートを続けていることが多く、チラシを見てきてくださり、演奏会後にロビーで顔を見せてくれることがあります。そのときにはアルトやバスフルートを始めたと話してくれることもあり、フルートという楽器の奥深さを感じます。

(2)内容

クラシックやポップス、ジャズ等の作品を小編成アンサンブルやフルートオーケストラに編曲した楽曲と、オリジナルに作曲された楽曲があります。フルートの楽譜を専門に扱う楽器店には、毎月新譜が入ります。そのお店には壁一面にフルートアンサンブルの曲が置いてあります。その中の楽曲を次々と提案する指揮者の存在が、この団体を毎回新しいステージへ導いてくれています。

  • 「シバの女王の入城HWV67」G.F.ヘンデル
  • 「交響曲第6番へ長調「田園」Op.68より第1楽章」L.V.ベートーヴェン
  • 「故郷音楽巡りin神奈川」𡈽方逸郎
  • 「セントポール組曲Op.29No.2」G.ホルスト

(3)聴衆の反応

「フルートがこんなにたくさんの種類があるのは知らなかった。コントラバスフルートって大きいですね。」
「一つ一つの楽器の音を聞いてみたい。楽器紹介の時間をつくってほしい」
「故郷音楽巡りが良かった!メドレーにある横浜市歌が小学生の頃を思い出させてくれた」
「同じフルートでも演奏者の音や姿勢が様々で、演奏会に来てこその楽しみがあった」

3.課題

フルートは単旋律を吹く楽器としてのイメージが強く、音も高くて細く、クラシック音楽のイメージとしている方は多いかと思います。しかしコンサートフルートの低音や、アルトフルート、バスフルート、コントラバスフルートは、ベースやドラムパートの役割を十分に引き受け、元来のイメージを覆し、楽器の可能性を更に広げてくれる存在です。この多彩なフルートの同属楽器がもっと身近な存在になれば、興味を持って演奏会に足を運ぶ方、さらにはご自身で演奏する方も増えて、フルートアンサンブルの世界が広がっていくのではと思っています。

4.抱負

私は「フルートを日常の中で楽しめる存在にしたい」という思いを柱に、レッスンや演奏活動をしています。私自身、仲間や生徒さんとアンサンブルをした後の高揚感や、演奏会に行った後、自分が刷新したような感覚を受けることを生きる中での喜びとしています。それを気軽に体験できる場をつくりたいという思いがあります。それは年に数回、ではなく、日常の中で継続できる場としたい。その思いを少しずつ形にしながら、音楽活動をしていきたいと思っています。

(2023年11月15日公開)

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