地域音楽コーディネーター ゆかり演奏者会 企画責任者 声楽家 俳優 埼玉県 柳原ゆうさん

- ■活動テーマ:
- 地元にいる素晴らしい演奏家たちの音楽を聴いてほしい!
- ■目次:
- ■活動開始時期:
- 2015年~現在
- ■場所:
- 埼玉県川越市、入間市他首都圏のホール、レストラン、教会、幼稚園
- ■対象:
- 一般
- ■活動内容
1.きっかけ
演奏活動を通じて、全国各地から上京してきたすばらしい演奏家と知り合うことができました。ある日、埼玉のとある会場で共演した歌手の素晴らしい声に感動し、いろいろと話をして行く中でお互い近くに住んでいることを知りました。「こんなにすばらしい声の歌手がこんなところにいるなんて!」という衝撃から、市民に地元にすばらしい歌手がいることを知ってほしい。また、演奏家たちもなかなか舞台に立つきっかけと機会がないという声を聞き、その演奏の場を作りたい!と2015年、演奏団体「ゆかり演奏者会」を立ち上げました。
2.具体的な内容
(1)ゆかり演奏者会とは
【主旨】
地元ゆかり、演奏者どうしの縁(ゆかり)を大切にした地域密着型演奏団体。
【主な活動】
クラシックを中心にミュージカル、ミニオペラ、コンサートの他、音楽を題材にした講座やイベントの企画、出演。
【メンバー】
・代表:柳原幸子企画責任者:柳原ゆう
・演奏者4名
(2)活動
A.ミニオペラ
2015年の夏、入間市(埼玉県の南西部)を中心に地域の演奏家とともに、気軽にクラシックを楽しむファミリーコンサートを企画・実施しました。クラシックファン以外の一般の方には残念ながら、あまりオペラは知られていません。そこで興味を持っていただくように、前半は童話を題材とした下記のオペラを選びました。曲は長いので広く知られているストーリー部分を抜粋し、30分程度のミニオペラに編曲しました。
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・ヘンゼルとグレーテル(グリム童話)
エンゲルベルト・フンパーディンクが作曲。 -
・人魚姫(H.C.アンデルセン作)
A.ドヴォルザークが「ルサルカ」(水の精霊)という曲名で作曲 -
・シンデレラ(シャルル・ペロー作)
G.ロッシーニが「チャネレントラ」(イタリア語でシンデレラ)という曲名で作曲
後半は季節(夏)の唱歌などのメドレー、ジブリメドレーのほか、有名なオペラアリアなどを組み込みました。お客様は乳幼児から80代まで幅広い世代にご参加いただき、夏メドレーで歌った「我は海の子」などは、子どもたちも一緒になって歌ってくれました。アンケートではミニオペラが大変好評で、その後、お客様のつながりから東松山市(埼玉県の西部)の幼稚園、東秩父の公民館でも上演いたしました。

B.ファミリーコンサート
知り合いの演奏家から、小さな子どもを育てながらの演奏活動は難しいという切実な声を聞きました。また子育て中の保護者の方々は、子どもと一緒にコンサートへ行きたいと希望されている方も少なくないのでは?という二点の理由からこのコンサートを企画しました。
初めての試みだったので規模は最小限、50名定員の小ホールで実施したところ、チラシや広報を見て会場へ足を運んでいただいたお客様から「子ども同伴で良いクラシックコンサートは都内などの遠方でしかなかったので本当に楽しかった」といった嬉しいお声をいただきました。また、「入間市ゆかりの演奏家によるコンサート」として、市内で指導などをしている奏者を中心に構成したところ、入間ケーブルテレビから取材依頼も頂きました。

C.ランチタイムコンサート
子ども連れでも楽しめるコンサートを企画する際、開演時間はランチ後の13時半や14時に開演とすることが多いです。食事後も一緒に音楽を楽しんでいただこう!という目的で、ピアノが置いてあるレストランにてコンサートを実施しました。
対象はお子様連れでも楽しめるように、年齢制限をせずに受付いたしました。オペラアリアの他、サウンドオブミュージックメドレー、NHKみんなの歌で歌われていた池田綾子さんの「数え歌」などを演奏しました。「数え歌」では歌詞に出てくる国の国旗をイラストにし、紙芝居のように披露しながら歌いました。
▼[Lyrics] 数え歌 || Kazoe Uta – Ikeda Ayako「池田 綾子」

D.講座「声のふしぎ体験!」他
コロナ禍では飛沫対策として、授業で歌うことや合唱が中止され、音楽を通じてのコミュニケーションを取ることが非常に難しい日々が続きました。少しずつ日常を取り戻すことができるようになった2023年、夏休み中の小学生を対象に歌うことの楽しさや、ハーモニー作りの魅力を感じてもらいたいと思い、埼玉県文化推進事業として地域の演奏家を中心に企画いたしました。



90分の講座の中で、発声前の自分の声を確認したのち、声楽家の講師より発声方法をレクチャー。前後の自分の声に変化はあるか?を勉強していきます。後半はみんなでベートーベン交響曲第9番「合唱付」の中の有名な「喜びの歌」を歌い、メロディに慣れてきたらハーモニーをつけ、2班に分かれて「ハモリ合戦」をしました。最後に講師3人対子どもたち90名で、大ハモリ対決!とし、プロの声に負けずに歌えるかな?と、みんなで大合唱をしました。

2023年は午前90分の講座で、50人を目標と思っていたところ、約90名のお申し込みを頂きました。2024年は午前・午後、各120分の2回に分けたところ、どちらも40名ずつ合計80名のお申し込みを頂きました。
3.成果と課題
(1)成果
声のふしぎ体験では、埼玉県文化振興課の助成金を受けることができ、会場や講師依頼が容易になりました。また、チラシを見ていただいた川越市の小学校PTAより、小学校の周年イベントへの参加依頼を頂きました。少しずつ地域との連携ができています。
(2)課題
演奏家の増員と活動範囲の拡充です。現在まだまだ個人の活動の延長…というくらいの小規模なイベントしか企画ができていないので、各方面より協賛を得、様々なサポートを頂きながら活動範囲を広げていきたいと思っています。
4.抱負
一般市民がコンサートホールへ出向き、生演奏を聴くというハードルを下げ行います。ちょっとお買い物ついでに寄ってみるくらいの気持ちで会場に足を運んでいただく環境づくりを目指します。そのためには、我々演奏家が聴衆に興味を持ってもらえる企画と「気軽に来られる」価格を設定する必要があります。今後、継続していくためには、国・地方自治体・民間からの賛助・助成・補助金などを受けられるような体制づくりと、様々な広報活動を進めて行きたいと思っています。
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