地域音楽コーディネーター ピアノ指導者 愛知県 伊藤由紀さん

- ■活動テーマ:
- 幅広い世代にクラシック音楽をより身近に
- ■目次:
- ■活動開始時期:
- 2021年~現在
- ■場所:
- 愛知県みよし市ふるさと会館庭園、豊田市能楽堂、岡崎市ギャラリー、安城市のお寺、ショールーム、カフェ、デイサービス他
- ■対象:
- 幼児から高齢者まで
- ■活動内容
1.きっかけ
子育てをしながら、ピアノ指導者として長年教室を運営してきましたが、自分の子供たちはピアノ以外に持ち運べる弦楽器や打楽器を習っていました。子供たちの成長とともに最初は教室の発表会という場面で気軽に親子アンサンブルを楽しみ、休暇時は国内外、旅行先にも楽器を持ち運んでは、家族で音楽を伴った交流をすることを喜びに感じてきました。そこから様々なご縁が広がり、これをきっかけに「また聴かせてほしい、今度はあそこで演奏してもらえたら」等演奏活動に対する多くのお言葉を頂くことができました。この様な体験から、通常クラシック音楽会が開催されるホール以外の会場(色々な地域の珍しい場所や普段あまりないシチュエーション)でのコンサートをしてみよう!また、普段会場に理由あって足を運べない方々のもとへ出向いて演奏会もできたら、と二つの目的をもって演奏会の企画、開催をはじめました。
2.具体的な内容
A.能楽堂 2025年3月豊田市にてヴァイオリンデュオとヴァイオリンソロ
能と狂言を上演する能舞台は、伝統的な作りで屋根が高く開放的なところが特色です。通常リサイタルホールで行う演奏会とは当然違った響きが予想されます。その点も含め会場側より舞台への出入りから、音響含め様々なこと等を事前にご教示賜ったおかげでスムーズに開催できました。能楽堂へは初めてお越しになるという方も多く、珍しい環境の中でコンサートを大変喜んでいただけました。このことは能楽堂にとっても効果があったと感じます。
演奏者は娘と高校の先輩であるベルギー在住のヴァイオリニストの方と2人で、スカラムーシュで有名なミヨー(フランスの作曲家)メヌエットで有名なボッケリーニ(イタリアの作曲家)とイザイ(ベルギーのヴァイオリニスト・作曲家・指揮者)のヴァイオリンデュオ作品に加えてヴァイオリンソロ曲数曲も2人それぞれが演奏いたしました。

B.お寺 2024年4月安城市にてヴァイオリンソロ
最近はお寺の境内で音楽会開催が多くなってきました。お寺イベント内でプロジェクトマッピングを境内に大きく映し出しながら、音楽と映像のコラボレーションのコンサートです。当初は全てデジタル音源をスピーカーから流してマッピング予定とのことでしたが、そのうち一部の時間はデジタル音源を使わず、ヴァイオリソロ生演奏で演奏させていただけることになりました。映像とともに荘厳(そうごん)で幻想的な風景をお楽しみいただくことができました。日本では「庭の千草(アイルランド民謡)」で広く知られているメロディーをエルンスト(チェコのヴァイオリニスト・作曲家)がテーマとして作曲した「夏の名残の薔薇による変奏曲」を演奏いたしました。

C.ギャラリー2023年10月ギャラリー岡崎市にて
ヴァイオリンリサイタルマリンバとピアノの賛助出演有りギャラリーで展覧会が行われる期間の初日、オープニングイベントの前に主催者ギャラリー運営の皆様方のご厚意でリサイタルの同日開催させていただくことができました。
広告宣伝はギャラリー作品展とは別にリサイタル独自のものを自主制作いたしました。プログラムはJ.Sバッハ作曲「無伴奏ソナタとパルティータ」よりパルティータはじめ、ヴィエニヤフスキ作曲「創作主題による変奏曲」良く知られているサラサーテ作曲「ツィゴイネルワイゼン」他を1時間ほど演奏いたしました。絵画をご覧にいらしたお客様で、席はご用意なくとも足をとめて聴き入ってくださる方もあり、演奏会のためにお越しいただいた方が終演後展示ブースをご覧になったりとコラボレーションならではの展覧会と演奏会のお客様が行き来するという効果がありました。

D.児童デイサービスで2025年2月ヴァイオリンとピアノ
なかなか演奏会に出かけられない小学生から18歳くらいまでの皆様にも聴いて喜んでいただけたらと施設の方とご相談の上、負担のかからない短めのアウトリーチ演奏機会を頂いて2021年から活動を続けさせていただき4年目入りました。年に2回くらい主にピアノの私と娘のヴァイオリン演奏で訪問させていただいており、時間は20分くらいとご希望があるので季節感のある曲や親しみやすい曲に加えてモーツァルトなどの馴染みがある曲も必ず一曲は入れさせていただいて演奏しております。

3.成果と課題
これまでの生活の中でいつかやってみようと思いつき企画したことが幸運にも、多くの皆様のお力添えを頂き、高評価を得て少しずつ現実化できています。しかしそのたびに課題も浮かびあがります。演奏会の規模によりますが、やはりより多くの方へ集客が一番の課題です。そのためにはメインターゲットを絞り、それに基づくプログラム作りと従来の広報活動をSNS等と組み合わせて行うことが重要と感じています。
4.抱負
日頃、特にクラシック主体のコンサートに出かけた先で思うことは、若い人がとても少ないと感じてしまうことです。この要因はⅰ.敷居が高いⅱ.難しそうⅲ.曲が長いⅳ.情報が少ない等があると思います。新しいファン層を増やし幅広い年齢層で身近に感じてもらえるためには、コンサートの内容と場所・時間を演奏者中心ではなく、対象の聴衆側にたって企画することがポイントです。今まで思っていた前記した点から「面白いかも!」「また聴きに行きたい!」へと変わり、楽しみにしていただけるような機会、催しを増やしていけたらと考えています。
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