▼タイトル

全国生涯学習音楽指導員協議会の主な活動「FORUM in国際音楽の日」（＊1）の理念の基、今回大阪支部が主管となって開催いたしました。今年は折しも大阪夢洲にて大阪・関西万博「EXPO2025」が4月から10月までの184日間、開催され、万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を受け「いのち」と音楽との関りについて考えることが今回の趣旨です。

①音楽は、人々の心にどのように届き、日々の生活の中で人々の暮らしにどのような影響を与え、経済的にも持続可能な社会にどのように関わっているのか

②地域での文化活動を活発化させ、社会の課題解決に音楽がどのような役割を果たすのか

③社会は人々の集合体であり、集合意識がより良いまちづくり、文化向上へと進むと思われる

その単位である「ひと」の「いのち」をテーマに個人の人生と音楽についてご一緒に考えたいと思いました。様々な視点から「いのちと音楽」について考察する機会を提供し、お一人お一人の豊かな人生を願い、社会の文化芸術振興を目指して開催いたしました。

＊1）国際音楽の日：「FORUM in国際音楽の日」の「国際音楽の日」とは「世界のすべての人々が自分の敵や反対者をも助け合い、憎しみを兄弟の愛に変えるよう努める日にしよう。そして、あらゆる国や地域の人々が様々な音楽表現を通して、暮らしの中の音楽のすばらしさを認識する機会を与えられるようにしよう。」という理念のもと定められた日です。提唱者は故ヴァイオリニスト・指揮者のユーディ・メニューイン氏で、日本では10月1日を「国際音楽日」と定められています。

大阪支部ソプラノ：池田みゆき、筝：上野史子
トーンチャイム：北野充子・藤田郁子

＊生きていることの意味を音楽を通して伝え、音楽をすること自身が生きていることであるという文化芸術の基本的な考えを共有する。

参加者皆様へのお礼と全国各支部による「支部活動パネルde発表」について

2014年に大阪でフォーラムを開催して10年が過ぎ、今回は万博の年に皆様に大阪にご来場いただけたことに対する御礼とコロナ禍を経て対面での開催に拘り、この素晴らしいホールにおいて開催し、「自分と音楽」「社会と音楽」について考える機会を得たことに感謝を述べる。

作曲家・大阪音楽大学学長：森本友紀氏
ご自身の事例を通して音楽についての本質をご講演いただきました。それは病気療養中で入院していたときに下記のことを感じられたそうです。

1. 無音の中でも頭の中でも音を感じ、心の内側で生きる力を感じ、不安を取り除いて安定をくれる。仏教用語の「自然法爾」あるがままを受け入れる。
2. W.A.モーツアルトの名言「夢を見るから人生は輝く」　制約の中でもできることがある、できることに目を向ける。夢を心の中に抱き続ける。音楽通して、自分の夢を共有する。

加えて指揮者小澤征爾氏の「共生感と音楽」について、最後は社会的側面から人生の節目の音楽、人と人を結びつける根源的な音楽と音楽教育についてお話しいただき、私たち生涯音楽学習指導員の地域での活動の意義とその重要性を再認識しました。

医師、日本笑い学会副会長：昇幹夫氏
直接いのちに関わっている医師であり、アコーディオンを演奏して40年以上、また25年ほど「歌声喫茶」を実施している昇幹夫氏にアコーディオン伴奏に歌を交えながら、音楽の効用について様々な視点からのお話をしていただきました。

打楽器奏者・リズムインストラクター：山本晶子氏
リズムは協調性、集中力を育み主役にも脇役にもなる要素を持ち合わせ、また生まれているときからボディリズムもっていることを学びました。その後、生きていることの証として山本昌子氏の演奏と会場の参加者と一緒に様々な打楽器で音楽に合わせて楽しみました。

・木琴　ハチャトリアン曲バレエ組曲ガイーヌ「剣の舞」
・トライアングルと鈴の演奏とレクチャー

・ボディリズム　「365歩のマーチ」「銀河鉄道999」
・すず　Mrs.Green Apple曲「青と夏」　レオン・イエッセル曲「おもちゃの兵隊の行進曲」
・カスタネット　「おもちゃの兵隊の行進曲」
・紙コップのカップス　オッフェン・バック曲「天国と地獄」
・A4の紙を使って「天国と地獄」

アンケートでもとても好評なワークショップでした。

手話合唱「まあるいいのち」イルカ詞・曲
「まあるいいのち」は最後に明るく、いのちを大切にするというメッセージを共有し、その思いを音楽と言葉で共感し合うおうと選曲しました。どの命も大切で平等であるということを感じるかわいい優しい気持ちになる歌を会場が一体となって歌いました。

今回のテーマ「いのちと音楽」を基に講演やワークショップをしていただいた講師の方々と参加者全員へ心を込めてお礼を伝えられた。

常務理事・事務局長　揚石明男氏挨拶
実行委員会、参加者、その他すべての人への感謝を述べられた後、「国際音楽の日」についての説明がありました。また生涯学習音楽指導員と地域音楽コーディネーターが手をつなぎ、更に地域での活動の幅を広げていただきたいと締めくくられました。

会場には、支部活動パネルde発表コーナー
「いのち・音楽」についての思いをお書きください」と参加者の心の中を見える化する試みもありました。

フォーラム初日終了後、全国生涯学習音楽指導員協議会の総会を終え、懇親会はATC内のcafe&dinng goo-note（グーノート）にて開催されました。楽器店関係、生涯学習音楽指導員、地域音楽コーディネータ、講演者の方々が参加し、それぞれ交流を持ち情報交換の良い場となりました。

全支部に参加を呼びかけ、最終的に5支部によるコンサートを開催しました。

暑い中、大阪までたくさんの方々にご来場を賜り、本当に感謝しております。紙ベースで、またデーターでとアンケートにもご協力いただき、ありがとうございました。抜粋ではございますが、アンケート結果をお伝えさせていただきます。

・プログラム構成、演出、展示とどれも良く練られたすばらしい企画と感じた。
・音楽のすばらしに満ちあふれていた。
・参加型のフォーラムで身体をつたって音楽の楽しさを味わうことができた。
・”音薬”という言葉も心に残った。
・充実した内容と時間だった。
・ワークショップが楽しかった。
・支部で活動していく中でいろいろなヒントを頂いた。
・全てのプログラムが楽しくためになった。
・オープニング「いのちのうた」はとても心に響き涙が出た。
・どの先生の講演も良かった。
・開催時期、暑かった。
・万博で人が多く慣れない移動は大変であった。

「いのちと音楽」をテーマに個人の人生と音楽、日々の生活と音楽、様々な視点から「いのち」「音楽」について考察する機会を創ることができたと思っています。社会は人の集合体であり、個々の音楽への思いが、経済的にも持続可能な社会にどのように寄与するのか。地域での文化活動を活性化させることで、社会課題解決に音楽がどのような役割果たすのか。このフォーラムを通して、参加者の「いのちと音楽」「地域」「文化」への意識が高まったと思います。これを機会に参加者の皆様はじめ、全ての人にとって「音楽」への更なる理解が深まることを期待しています。生涯学習音楽指導員、地域音楽コーディネータの皆様の活動の幅が広がり更なるご活躍とご発展を願っています。