地域音楽コーディネーター ヴォーカリスト 音楽指導者 福岡県 中井富士洋さん
- ■活動テーマ:
- 「いつも音楽とともに!」〜歌えばそこに笑顔が見える〜
- ■目次:
- ■活動開始時期:
- 2015年~現在
- ■場所:
- 幼稚園、他
- ■対象:
- 幼稚園生2歳~6歳とご父兄、園の先生職員の方々(20代〜70代)
1.きっかけ
私は1990年よりボイストレーナーとしての活動を始め、1995年より福岡県内で20代から70代の方合わせて4グループのゴスペルを指導しています。
その生徒のお子さんが通園されている幼稚園では子どもたちのために月1回様々な生演奏のコンサートを開催しており、そこで私のゴスペルコーラスに依頼がありました。ゴスペルというと一般的には宗教音楽、大人の音楽と思われがちですが、幼児たちは意外にも喜んでくれて、それ以来10年間続けています。
2.具体的な内容
A.幼稚園
(1)目的
幼児たちに、皆で一緒に歌う喜び、音楽のすばらしさを伝えることが一番の目的です。ゴスペルは全身でリズム感を感じ、高揚感と元気を与え感じることができます。またコール&レスポンス(言葉の呼びかけに対して応答する方法)により、皆その生演奏に自然に笑顔になり身体も動き出せるよう考えました。
(2)内容
年数回、幼稚園へ訪問し広い部屋で150人の園児たちと先生方を前に1回30分~40分演奏しています。園児たちが飽きないようにお話も交えながら参加しやすい内容を作っています。曲目は1992年に公開された映画「天使にラブソングを」の挿入曲で有名になった「Hail Holy Queen」、「Oh Happy Day」等のゴスペルの曲他、ジブリ「君をのせて」や嵐「ふるさと」、坂本九「上を向いて歩こう」等をゴスペル調にアレンジして歌っています。園児たちは特に口ずさみやすい言葉や親しみやすい動きにはすぐに反応してノッてくるので、選曲の重要さを感じます。
(3)幼児に対する留意点
まずは、きちんとした挨拶と笑顔で明るい声、はっきりゆっくりと話すことを心がけています。曲目の説明より言葉の投げかけ、言葉のキャッチボールが大切です。幼児の一時一時の表情から心の変化を読み取ることも必要です。
幼稚園でのゴスペルは当初手探りでした。あるとき、園児たちの表情を見て話しかけてみました。「Happyって、どんな意味だかわかる?」と問いかけると「Happy Birthday!」と答えが返ってきました。「すごーい!じゃあ、Happy Birthdayで歌おうかな?」曲中で「10月で3歳になったお友達?」「はーい!」「4歳になったお友達?」「はーい!」等と子どもとの双方向のコミュニケーションを深める事によりステージが出来あがってきていると感じています。
B.その他大人のゴスペル
メンバーは学生、主婦、現役で仕事をされている方、退職された方等、様々な年代の方が参加されています。今まで市民会館等、いろいろなホールや地域の野外イベント会場に出演してきました。コロナ禍以降、年1回の発表会やお声がけいただいたイベントにも参加しています。
3.成果
こうして長年園児と接してみますと、園児との言葉や振り付けの壁はあまり感じません。当初、思っていたことが取り越し苦労に感じました。ゴスペル活動を30年間続けていると、メンバーの中には結婚して子どもが生まれ、親子で歌いに来られます。その子どもたちは後に合唱団や部活等で歌われ、またメンバーとして戻り、一緒に参加されていることに大変うれしく思っています。一人の生徒から親子でつながり、それが大勢の親子ともつながり大きな輪になって広がっています。子どもたちにとって、この幼稚園での体験が後々記憶に残っていただけるようになればという思いで取り組んでいます。
4.課題
幼児はその時々で反応が違うので、かなりのアドリブが要求されます。そのため進行・シナリオを詰め、臨機応変に対応するように努めています。また幼稚園でのコンサートは平日の午前中が多いので、メンバーのスケジュール調整に苦労しています。それにより演奏曲目、リハーサル場所が変わります。
5.抱負
子どもの感動は親の感動。音楽の感動をいろいろな場所で伝えていきたいと考えています。最初にテーマとしてあげた「いつも音楽とともに!」〜歌えばそこに笑顔が見える〜を基に今後もこの幼稚園での活動他、個人的な経験を活かしながら幅広い年齢層に対して音楽の感動や魅力を知ってもらい、また他の地域のプロ・アマの音楽団体と一緒に規模の大小に関わらずコラボレーションを行い、様々な形で柔軟に活動していきます。
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