生涯学習音楽指導員

活動事例
【事例紹介】地域に広げたい生涯音楽学習「6CHOME BAND」

生涯学習音楽指導員 愛知県豊田市 
丹羽みどりさん

■活動テーマ:地域に広げたい生涯音楽学習「6CHOME BAND」
~地域に根付いた活動を通して、聴く人も共に音楽を楽しもう♪~
ピアノ、アルトサックス&ギターで演奏中

■場所:トヨタ記念病院、ネッツトヨタ中部プラザ豊田
■日時:2019年2月~隔月で月に1回開催
■対象:中高年

■活動内容

【1.6CHOME BAND誕生秘話】

(1)ある日の出来事

2018年12月、孫の幼稚園のお迎えの際S氏の家の前を通っていた時、時々物置のシャッターの中から楽器の音が聴こえてきます。私は、「ああ、きっと物置の中に防音室を作って何の楽器を練習しているのかな?」「一人で狭い防音室の中でやっていて、思い切り音も出せなさそう」「発表の場もあれば、もっと楽しめるのに?」「一緒に演奏できるといいな?」等と思い巡らせていました。

ある日偶然、S氏がその物置のドアからケースに入った楽器を持って出てこられたので、思い切って声をかけ、以下のような会話となったのがきっかけです。その時のシーンを少しご紹介します。

「何の楽器をやっているんですか?」
S氏
「アルトサックスですよ、定年退職してから、何か趣味をと思い、やっぱり音楽がいいな~ってことで習い始めたんですよ」
「もしよかったら、私がピアノ伴奏をしますから、一緒に演奏しませんか?病院や車のディーラーでコンサートもやっていますので、一緒に演奏しましょう!」
S氏
「いいですね~、ぜひお願いします!」

(2)バンド結成

そこで私は、これを機会に自治区(地域)でメンバー募集をする事にしました。まずバンド名を「6CHOME BAND」(私の居住地が豊田市○○6丁目なので)と命名し2019年1月に結成、自治区のイベント等で演奏する事を目指しスタートとなりました。

6CHOME BAND募集チラシ

【2.活動開始にあたって】

初めてS氏との練習時にメンバー募集案を提案、賛同していただきチラシを作成しました。自治区の回覧板に入れてもらい、直ぐに問い合わせがありました。教員を退職後、高齢者施設などで、若いころからやっていたギターで、弾き語りをしてボランティア演奏をしているK氏でした。早速3人で集まり毎月3~4回、自宅のピアノレッスン室での練習が始まり、2月から演奏活動を開始することになったのです。今回、この記事を書くにあたり、S氏、K氏にインタビューしましたので、その生の声をご紹介します。

<S氏―アルトサックス>

「当時還暦を迎え、体力的にきつくなったフルマラソンを卒業し、サックスを趣味にしようと、個人レッスンに通っていました。丹羽先生から『一緒に演奏しませんか?』と声を掛けて貰った時は、皆で一緒に演奏できたら楽しいだろうなとは思いましたが、まだまだ腕が伴わないため、かなり躊躇いもありました。しばらく思い悩んでいたら、ある日ピアノ伴奏つきのサックスの楽譜&CDを丹羽先生が持って来て、『この中から好きな曲を練習してみたら?』と言われ、この一押しで6CHOME BANDに参加しました。今となっては、趣味の領域が広がり、人との輪も広がり感謝しています」

<K氏―ギター>

「チラシを拝見して、『バンドとしての音楽活動が楽しめそう』と思い、一緒に演奏したいという気持ちに心が動かされました。始めてみたら、仲間と共に演奏する楽しさと喜びがありました」

【3.コンセプト】

30~40年前に新興住宅地として開発されたこの地区では、当時20~30代の世代が一気に入居しましたが、最近では2世帯住宅も増え高齢化が進みました。現在のこの地域の状況を鑑み、下記の3つを活動のコンセプトとしました。
  1. 音楽を通じて地域の連帯感を育て、災害時等には近隣同士が気軽に声を掛けたり助け合ったりする事ができる。
  2. 年齢を重ねても音楽で生活に潤いと生きがいを持てるようにする。
  3. 演奏者へ発表の場を設定する事により、練習のモチベーションが上がり、演奏上達に繋がる。又、聴衆者に聴いてもらったという達成感と満足感を持たせる。

【4.具体的な活動内容】

編成はピアノ、アルトサックス、ギターでスタートしています。

(1)演奏の選曲にあたって

  1. トヨタ記念病院では、入院患者の方々のためのボランティアコンサートとして開催。季節にちなんだ童謡・唱歌や歌謡曲、多くの方が知っていそうな曲等。又スローテンポで落ち着いた癒し系の曲を中心に演奏。
    *2019年10月プログラム
    https://www2.sinfonia.or.jp/~klavier/piano/hf-con/2019-10.html
  2. ネッツトヨタ中部プラザ豊田及び、自治区の行事でのミニコンサートでは、不特定多数の方々が対象で年齢層も幅広いため、その時の流行りの曲や、季節の曲、ジャズアレンジのもの、歌謡曲なども考慮してプログラミング。
    *2019年11月自治区行事の際のプログラム
    https://www2.sinfonia.or.jp/~klavier/6cb/program/2019-11-17.html
    *2020年7月プログラム
    https://www2.sinfonia.or.jp/~klavier/piano/red-piano-concert/2020-07.html

コンサート時、女の子が『パプリカ』を踊っている

(2)広報活動

下記の4つの方法で広報活動をしています。
  1. ウェブサイト開設、作成。コンサート開催告知やプログラム、演奏中の写真や動画を掲載。
    6CHOME BANDウェブサイト https://www2.sinfonia.or.jp/~klavier/6cb/index.html
  2. SNS(インターネットページ)で情報を発信。https://www.facebook.com/6CHOME.BAND/
  3. ブログで情報を発信。https://ameblo.jp/klavier4444/
  4. 自治区の回覧板にメンバー募集チラシを挟み込む。

【5.課題と今後の抱負】

2020年はコロナ禍でしたので2019年のように通常の演奏活動ができず練習も停滞しています。その中で、ギターのK氏が多忙により脱退されてしまいました。コロナ禍が収束しない限り、集まっての練習や、コンサート開催も、ままならない状況にあります。コロナが落ち着いたら、また自治区で広報活動を再開しメンバーを増やしたいと思います。

中高年の男性の方は意外と内気なので、中々メンバーを募るには一工夫必要ですが、私たちの演奏を見聴きする事により、「定年退職したら一緒にやりたい」という気持ちは生まれるかもしれません。今後は5人以上メンバーを集め、豊田市「わくわく事業」に申請し、生涯学習音楽指導員として、「音楽」によって、人々の心に潤いを与え、生きる力を育てたいという事、良きアマチュアの音楽家を増やしたいという想いも合わせて、地域のために活動していく所存です。

〇「5人以上」というのには理由があります。豊田市には上記に書きました「わくわく事業」という新しい発想の地域活動支援制度があります。地域資源(人、歴史、文化など)を活用し、地域課題の解決や地域の活性化に取り組む団体を支援する事を目的としています。

●豊田市ウェブサイト
https://www.city.toyota.aichi.jp/shisei/jichiku/1036902/wakuwakujigyo/index.html

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