全国生涯学習音楽指導員協議会神奈川支部会員 声楽家 県立高等学校音楽科非常勤講師 平塚音楽家協会会員 神奈川県平塚市 大屋啓子さん

- ■活動テーマ:
- ワークショップおもしろ音楽講座
- ■目次:
- ■活動開始時期:
- 2025年1月26日(日)2月2日(日)2月9日(日)2月16日(日)13時半~15時半
- ■場所:
- 平塚市まちづくり財団2F会議室平塚市勤労会館3F大会議室
- ■主催:
- 公益財団法人平塚市まちづくり財団
- ■対象:
- 小学1年生以上から大人まで
- ■活動内容
1.きっかけと「おもしろ音楽講座」の誕生
平塚市は「湘南平塚第九のつどい」として、12月に市民合唱団が神奈川フィルハーモニー管弦楽団とベートーヴェン交響曲第九番「合唱付き」Op.125の演奏会を開催しています。(2023年12月10日第30回実施)その合唱団に子どもも参加させたいという思いのもと、橋渡しになることを目的とした「おもしろ第九講座」が2010年頃に開設されました。私がこの講座を担当したのは、地域の子どもの合唱団を指導していることと、高校の音楽の教師をしている関係で講師の依頼がありました。
コロナ禍当初、「おもしろ第九講座」は感染防止のため、歌唱はしないという設定で「おもしろ音楽講座」というタイトルに変更し始まりました。その後、講座でクラスターが発生した影響で中止となり3年間休止していましたが、2023年度から再開し、内容は第九への導入ではなく歌唱、楽器演奏、音楽表現など幅広い音楽を楽しむことを目的とした講座に一新しました。
2.内容
今まで夏休みの子ども向けに開催され、子ども8割、付添いの大人や高齢者が参加されました。実施回数は10回から始まりましたが、日程の調整や場所の確保が困難になり昨年は6回、今年は4回となりました。内容は小中高校の音楽の教科書をもとに季節感、文化、歴史、地理,郷土芸能等、広い視野の中より組み立て、また生の音を聴いて自分で音を作りだし全身で表現し、楽しんでいただけるプログラムに作り上げました。今年1月末より2月にかけて4回シリーズで行った様子をご紹介します。いずれも13時半~15時半の2時間です。

【1回目】1月26日(日)
講師:大屋啓子(声楽家)能條貴大(ピアニスト)
<楽典>
・音名(ハニホヘトイロハ)と階名(ドレミファソラシド)
・打楽器・木管楽器・金管楽器について
<歌唱>
・発声惑星より「木星・ジュピター」(G.ホルスト曲)「雪の降る街を」(中田喜直曲)「早春賦」(中田章)
<楽器>
・こきりこ竹(*1)の奏法
*1)こきりこ竹:富山県の民謡「こきりこ節」に使われる竹でできた民族楽器
・ミュージックベル・トーンチャイム サウンド・オブ・ミュージックより「ドレミの歌」(リチャード・ロジャース曲)
【2回目】2月2日(日)
講師:高江洲愛(ハーピスト)能條貴大(ピアニスト)大屋啓子(声楽家)
<楽典>
・和音(コードネームC・F・G・Am・Em)
<ハープの楽器説明、歌と一緒に演奏>
・「引き潮」(ハーピストであったR・マックスウェル曲)
・くるみ割り人形より「花のワルツ」(P.チャイコフスキー曲)
・オペラの説明 ジャンニ・スキッキより「お父様にお願い」(G.プッチーニ曲)
・「COSMOS」(ミマス曲)
・「ありがとうの花」(坂田おさむ曲)

【3回目】2月9日(日)
講師:岡本美佳(NHKテレビ体操指導者)能條貴大(NHKテレビ体操ピアノ)大屋啓子(声楽家)音楽と身体表現、歌唱表現
<楽典>
拍子・弦楽器について
<歌唱>
・文部科学省唱歌「夕焼小焼」「七つの子」
・「こきりこ」(富山県民謡)
・ありがとうの花(坂田おさむ曲)
<楽器>
・ミュージックベルミュージカル「オペラ座の怪人」(A・ロイド・ウエーバー曲)
・トーンチャイムピアノソナタNo.8Op.13悲愴より「第2楽章」(Lv.ベートーヴェン曲)
<音楽と身体表現>
①ピアノ演奏(身近なポピュラー音楽演奏)と身体表現
②歌を歌いながらの身体表現
・ありがとうの花(坂田おさむ曲)
・メリー・ポピンズより スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス(ロバート・シャーマン曲)
③NHKラジオ体操第一


【4回目】2月16日(日)
講師:齋藤善彦(ホルン奏者)、能條貴大(ピアノ)大屋啓子(声楽家)歌唱・楽器・音楽知識
<楽典>
調と和音終止(Ⅰ➡Ⅳ➡Ⅴ➡Ⅰ)
<歌唱>
・文部科学省唱歌「夕焼小焼け」「海」「うれしいひな祭り」「こいのぼり」
・天空の城ラピュタの主題歌「君をのせて」(久石譲曲)
<楽器>
トーンチャイム、ミュージックベルで前回の復習
・ピアノソナタNo.8Op.13悲愴より「第2楽章」(Lv.ベートーヴェン曲)
・ミュージカル「オペラ座の怪人」(A・ロイド・ウエーバー曲)
<音楽知識クイズ>
10問(6問はピアノ演奏を聴いて答える)
拍子、長調、短調、音名、知識等8割正解➡合格
<ホルン演奏&説明>
ホルン2重奏
・音の出る仕組みを透明のホース・じょうご・マウスピースを用いて説明
・演奏曲目 ドラゴンクエストより「序曲」(すぎやまこういち曲)ベートーヴェン交響曲第9番「合唱付き」Op.125より「第4楽章のテーマ=歓喜の歌」

3.成果と課題
4回の講座内容は毎回特徴をもって構成し、広く浅く楽しく音楽活動ができるよう工夫しました。ふだん目の前で見る機会がないハープやホルンの生の音を聴くことにより心の中に染み込み、更に音楽のすばらしさを感じてもらえたと思います。またNHKテレビ体操のピアノ演奏で活躍されている講師が、身体表現の動きにあった演奏で臨機応変に対応してくれたため、子どもから高齢者まで受講者全員が楽しく参加してくれました。
この講座は平塚市まちづくり財団の都合で時期・場所が設定されるため、最初、会場はピアノのない財団2階会議室で4回シリーズの依頼が来ました。そこで財団の方へ音楽講座を実施するにはピアノが必要なことを伝え、2回目~4回目は勤労会館を設定していただくことができました。しかしこの勤労会館を含み平塚市の青少年会館・中央公民館は建物の耐震面や老朽化により来年閉館されます。このような状況の中、講座や音楽活動をする市民の施設がなくなってきているので、今後どのように行政に働きかけて活動場所を確保するかが課題です。
4.抱負
地域の音楽家仲間と協力して更に新しい講座のメニューを企画・運営・実施していきます。平塚市民がこの講座を通して楽しく音楽を聴き演奏することにより豊かな感性が育まれ、日常生活を明るく楽しく過ごせることを望みます。
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