活動事例

協議会 活動事例

【事例紹介】文化庁伝統文化親子教室事業

(2021年03月18日公開)

全国生涯学習音楽指導員協議会 
静岡東部会員 篠原千穂さん

■活動タイトル:文化庁伝統文化親子教室事業
富士・富士宮子ども音楽セミナー 
伝統文化 箏・三絃子ども教室
富士・富士宮子ども音楽セミナー 伝統文化 箏・三絃子ども教室
■日時:
講座7回 –
2020年10月~2021年1月 土曜日10:00~12:00
発表会 –
2021年1月30日 土曜日13:20〜16:00

■会場:
講 座 – 富士宮市民文化会館 練習室
発表会 – 富士宮市民文化会館 和室

■対象:小学1年生〜中学1年生 30名

■活動内容

【1.活動を始めたきっかけ】

2005年、全国生涯学習音楽指導員協議会静岡県東部発足から開講している「富士・富士宮子ども音楽セミナー」。和と洋を体験してもらいたいと、箏の講座を取り入れ、2015年より、文化庁伝統文化親子教室事業[*]として毎年継続しています。子ども達に伝統文化を身近に感じ、演奏を通して協調性を養い、課題曲修得による達成感を成長につなげてほしいと願っています。

*文化庁伝統文化親子事業とは

次代を担う子供たちに対して、地方公共団体や伝統文化、生活文化及び国民娯楽の指導者等が一体となって、地域ぐるみで民俗芸能、工芸技術、邦楽、日本舞踊、茶道、華道、食文化、囲碁、将棋などの伝統文化等を体験・習得できる機会を設けることにより、子供たちの体験機会を拡充し、併せて地域文化・地域人材の掘り起こすことを目的とします。(文化庁ウェブサイトより)

【2.内容】

昨年までは、箏・尺八子ども教室として開講していましたが、今年度はコロナのため、尺八を三絃に変更して10月から1月まで7回行いました。30人を3つのグループに分け、小学生は箏『かえるの合唱』『ちょうちょ』三絃『手ほどき』、中学1年生は箏『ウルマ』三絃『さくら』を修得しました。

今回、三絃は初めての試みで試行錯誤をして取り組みました。まず、使い回すことがないように、撥(ばち)を人数分そろえ、自分のものを毎回使うように、箏爪とセットで巾着袋に入れ、名前を付けました。子ども達も自分のものという喜びがやる気につながり、お道具をきちんとしまうことも学びました。また、自分で責任を持つことで、準備と片付けの時間短縮にもつながりました。

はじめに撥の持ち方、扱い方を学び、講座3回目から実際に三絃を取り入れました。一人で三絃が抱えられるように、持ち方に修得ながら、初歩に習う入門の練習曲のような『手ほどき』へと進みました。中学生は自分で音を作りながら『さくら』に挑戦しました。

箏は、今年度グループ分けをして、少人数での発表になるため、『かえるの合唱』『ちょうちょ』はAグループ旋律、Bグループ伴奏とし、発表の時に合奏になるようにしました。

中学生は、これまで多くの技法を学んできたので、それらを活かし、沖縄をイメージした『ウルマ』の中からリズミカルな第三楽章『クマノミの踊り』を課題曲としました。

【3.子どもの反応】

今年度は、公募はせずに、昨年度の参加者を中心にお知らせをし、これまで小学生までの募集でしたが、初めて中学生にも呼びかけをしました。開催できるのかどうか、開催していいのか、日々熟慮しておりましたが、多くの方が開催を待っていて下さり、定員の30人で始める事ができました。

少ない回数、短い時間の中で、真剣に取り組み、確実に身につけ成長していく姿は、学びの場を作り継続していくことの大切さを講師たちに教えてくれます。

中学生のレベルの高い演奏は、小学生たちの目標であり、お互いに次への意欲になっています。また地域のイベントに出演も多く、今年は2月23日(富士山の日)に配信される「富士宮市国際交流フェスティバル2021 on YouTube」への参加もあり、充実した講座となりました。ご家族、地域の方々へのお披露目が、活動の継続につながっています。

【4.課題と解決策】

グループでの講座のため、修得の速さに個人差があり、一人一人に満足感をもってもらえるよう、5年生以上の経験者にリーダーになって指導のお手伝いをしてもらったり、どのようなグループ分けにしたらよいか、学年や経験者のバランスを考えています。また、受付や運営を洋楽の生涯学習音楽指導員の先生方にお願いし、全体をまとめてもらっています。このことが、長い活動の継続につながっています。洋楽の先生方に事前に箏の研修会を開き、指導にも入ってもらい広く目が届くように心がけています。

【5.今後の抱負】

中学生の参加者も多くなりレベルも上がってきました。今後は合奏団のような幅広い演奏を目標に、各方面の伝統文化の講師を招いたり、洋楽の講座等の企画を考えています。また、このような新しい体験の場を作ることで、受講生のさらなる可能性を広げ、次世代へ日本の伝統楽器である箏、三弦等の魅力を感じてもらう様に、この活動を継続していきたいと思います。

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