生涯学習音楽指導員 北海道札幌市 米澤倫子さん、愛媛県松山市 横田友子さん
■ 活動タイトル:リズムを通して人間の可能性を最大限に引き出そう
~私たちのライフワーク ドラムサークル~
■日時:2002年~現在に至る
■場所:愛媛、名古屋を中心に全国各地で展開
■対象:一般、音楽関係者、学校教育関係者、医療福祉関係者など
■活動内容
ドラミングを通して行われる2泊3日の合宿型研修では、時間の経過とともに自分が解放されていき、言葉もない中でなぜか心が震え・高まり、全国から集まった受講者とのつながりも深く感じられるという、今まで体験したことのない素敵な時間でした。
最終日には初日より元気にチャージされて、充実した気持ちに足取りも軽く帰宅したことを覚えています。
DCに魅かれて活動を初めた私たちですが、当時DCは活動している人も少なく、悩みなどを相談する場もありませんでした。そこで音声・ビデオ通話を利用しての情報交換を始め、DC現場を撮影したビデオをみてフィードバックをしながら、それぞれの地域でのDC普及を続けました。また、地域での活動をお互いにサポートするために日本の空を往来するようになっていました。
*ドラムサークル(DC)とは
参加者が輪になりドラムやパーカッションを使って、即興的にアンサンブルを作っていくコミュニケーション・リズムイベントです。そこには年齢、音楽の経験、性別等は関係はありません。参加者全員で一体感を感じながら楽しい時間を共有していきます。
現代DCの基礎を築いたアーサー・ハルは、40年以上前、DCが一体感による楽しい時間の共有に止まらず、協調性の醸成、エンパワーメント、療法的アプローチによる健康増進、ストレス発散など、学校教育現場や医療福祉現場など、さまざまな対象者に合わせたDCを展開するためのDCファシリテーターというガイド役を考えだしました。それにより、ファシリテーターが存在するDCでは、誰もが安心安全にリズムを通して楽しむことができるようになりました。
詳しくはこちら
https://www.vmcglobaljp.com/drumcircle
その後、「オレンジブンブン」は地域を超え定期的に情報交換を続け、クリスティーンの師である現代ドラムサークルの基礎を築いた「アーサー・ハル」の研修を何度も受講し、その理念に共感し、DCが私たちのライフワークとなったのです。
また、アーサー・ハルは、自らが生み出したVMCティーチング理論を次世代につなぐため、2017年世界11か国から16人をトレーナーと認定し、現在では、アメリカなどのトレーナーも加わり16か国計32人のトレーナーが、VMCグローバルチームとして共に活動しています。
私が、日本代表トレーナーとして認定された責任は想像以上に重く、個人の立場で活動することよりも、社会的信頼の下で日本でもVMCティーチング理論を次世代へ継承するとの使命を果たすためには、法人格を持った団体として活動することが必須と考えるにいたりました。
一般社団法人とは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」を根拠に設立される非営利法人のことであり、この法人化により、研修で使用する教材や運営のノウハウ、ホームページ、アーカイブなども、法人に帰属することにより次世代に続く共有財産となりうるものと考えました。
そこで、私が日本人認定トレーナーになった2017年、VMCの創設者でもあるアーサー・ハル、アーサー・ハルの右腕でありVMCグローバルチームのジム・ボノウ、キャメロン・タメル3者の賛同を得、横田友子と共に4人が理事、米澤倫子が監事となり、「一般社団法人VMCグローバルジャパン・ドラムサークルファシリテーター研修所」を立ち上げました。
法人の設立場所としては、開催場所が一都市集中型ではなく、研修生が日本全国から集まることから、理事横田友子の居住地である愛媛県としました。設立にあたり、登記の方法、税務処理、またウェブサイト開設は、それぞれ司法書士、税理士、ITデザイナーなど専門家に相談の上、諸手続等に遺漏のないよう確認の上行うこととしました。
●一般社団法人VMCグローバルジャパン・ドラムサークルファシリテーター研修所
https://www.vmcglobaljp.com
創設以来、会員の特典として、海外のDCファシリテーターを講師に招き、通訳を介した無料で受講できるWEBクラスを開催し、その数は2021年4月時点で33クラスに及びました。
昨年からは、一般の方を対象に気軽に自宅で学習できるように、一般向けオンライン講座も始めました。
そして、3期目のメインイベントとして、7月週末2日間12人の海外&日本人講師によるオンラインでのドラムサークル三昧「オンライン万歳!!」の開催を予定しています。実際の活動レポートはVMCのホームページをご覧ください。
元々、任意団体「オレンジブンブン」から始まった私たちの活動は、受講生としてVMCに関わったものでした。そこで、私たちは非営利団体である一般社団法人を主体として立ち上げることで、会員登録料や受講料をなるべく安価に抑えることを心掛けてきました。
そのため、法人立ち上げ時の初期費用などの回収は5~6年の期間を設定していましたが、実際の実地研修が1年以上開催できない現状の上、生活に直結しない音楽を主とする団体には、対象となる助成金や補助金制度も限られており、不本意ながら事業運営的にはとても厳しい状況であると言わざるを得ません。
しかし、コロナ禍においての光明としては、オンラインが急速に普及したことで、当法人のオンライン研修の試みが結実しつつあるという点が挙げられます。
(2)世界を繋ぐオンライン研修
VMCは世界22か国にトレーナーが存在し、アメリカやイギリスなどDC先進国をはじめ、インド、オーストラリアなど優秀な講師陣は30人以上に及びます。さらに、90人を超えるプロフェッショナルDCファシリテーターがVMCグローバルファミリーとしてワールドワイドに繋がっています。
■ 活動タイトル:リズムを通して人間の可能性を最大限に引き出そう
~私たちのライフワーク ドラムサークル~
■日時:2002年~現在に至る
■場所:愛媛、名古屋を中心に全国各地で展開
■対象:一般、音楽関係者、学校教育関係者、医療福祉関係者など
■活動内容
【1.出会いから法人を立ち上げるまでの経緯】(記:米澤)
(1)2002年秋「ヘルスリズム」研修受講
札幌と松山という全く違う地域に住んでいる私たちが出会ったのは、静岡県つま恋で行われたヤマハの健康増進プログラム「ヘルスリズムス」の研修でした。ドラミングを通して行われる2泊3日の合宿型研修では、時間の経過とともに自分が解放されていき、言葉もない中でなぜか心が震え・高まり、全国から集まった受講者とのつながりも深く感じられるという、今まで体験したことのない素敵な時間でした。
最終日には初日より元気にチャージされて、充実した気持ちに足取りも軽く帰宅したことを覚えています。
(2)ライフワークとして活動開始
そしてこの研修の講師であったアメリカの音楽療法士「クリスティーン・スティ―ブンス」との出会いが、三原典子(当時仙台)横田友子(松山)米澤倫子(札幌)のドラムサークル(以下DCと略す)をライフワークとする始まりだったのです。ヘルスリズム研修後、意気投合した私たちはそれぞれの地元で活動しながらDCを知ることになりました。DCに魅かれて活動を初めた私たちですが、当時DCは活動している人も少なく、悩みなどを相談する場もありませんでした。そこで音声・ビデオ通話を利用しての情報交換を始め、DC現場を撮影したビデオをみてフィードバックをしながら、それぞれの地域でのDC普及を続けました。また、地域での活動をお互いにサポートするために日本の空を往来するようになっていました。
*ドラムサークル(DC)とは
参加者が輪になりドラムやパーカッションを使って、即興的にアンサンブルを作っていくコミュニケーション・リズムイベントです。そこには年齢、音楽の経験、性別等は関係はありません。参加者全員で一体感を感じながら楽しい時間を共有していきます。
現代DCの基礎を築いたアーサー・ハルは、40年以上前、DCが一体感による楽しい時間の共有に止まらず、協調性の醸成、エンパワーメント、療法的アプローチによる健康増進、ストレス発散など、学校教育現場や医療福祉現場など、さまざまな対象者に合わせたDCを展開するためのDCファシリテーターというガイド役を考えだしました。それにより、ファシリテーターが存在するDCでは、誰もが安心安全にリズムを通して楽しむことができるようになりました。
詳しくはこちら
https://www.vmcglobaljp.com/drumcircle
(3)2005年 アメリカ訪問と任意団体「オレンジブンブン」立上げ
活動をしながら3年経過した2005年。DC先進国アメリカの現場体験や、今までの悩みを相談するためにクリスティーンのいるアメリカに3人で訪問し、自分たちの進みたい道が同じであることをあらためて認め合い、ドラムサークルの普及を目指す任意団体「オレンジブンブン」を立ち上げました。その後、「オレンジブンブン」は地域を超え定期的に情報交換を続け、クリスティーンの師である現代ドラムサークルの基礎を築いた「アーサー・ハル」の研修を何度も受講し、その理念に共感し、DCが私たちのライフワークとなったのです。
【2.一般社団法人設立にあたって】(記:横田)
(1)2012年DCファシリテーター養成講座主催
「オレンジブンブン」は、2012年初めてのDCファシリテーター養成研修をアーサー・ハル招聘のもと主催し、その後も本研修を2015年まで毎年継続開催してきました。この研修は、「プレイショップ」(楽しく演奏する研修)と呼ばれ、総受講生は、2016年時点で25か国1万人を超えています。また、アーサー・ハルは、自らが生み出したVMCティーチング理論を次世代につなぐため、2017年世界11か国から16人をトレーナーと認定し、現在では、アメリカなどのトレーナーも加わり16か国計32人のトレーナーが、VMCグローバルチームとして共に活動しています。
私が、日本代表トレーナーとして認定された責任は想像以上に重く、個人の立場で活動することよりも、社会的信頼の下で日本でもVMCティーチング理論を次世代へ継承するとの使命を果たすためには、法人格を持った団体として活動することが必須と考えるにいたりました。
(2)2017年「一般社団法人VMCグローバルジャパン・ドラムサークルファシリテーター研修所」設立
私たちはこの研修を利益追求型の組織主導としてではなく、あくまでも今まで培ってきた日本での研修の場を継承する団体が主催するものとして確立するため、一般社団法人としての活動を目指すことを決断しました。一般社団法人とは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」を根拠に設立される非営利法人のことであり、この法人化により、研修で使用する教材や運営のノウハウ、ホームページ、アーカイブなども、法人に帰属することにより次世代に続く共有財産となりうるものと考えました。
そこで、私が日本人認定トレーナーになった2017年、VMCの創設者でもあるアーサー・ハル、アーサー・ハルの右腕でありVMCグローバルチームのジム・ボノウ、キャメロン・タメル3者の賛同を得、横田友子と共に4人が理事、米澤倫子が監事となり、「一般社団法人VMCグローバルジャパン・ドラムサークルファシリテーター研修所」を立ち上げました。
法人の設立場所としては、開催場所が一都市集中型ではなく、研修生が日本全国から集まることから、理事横田友子の居住地である愛媛県としました。設立にあたり、登記の方法、税務処理、またウェブサイト開設は、それぞれ司法書士、税理士、ITデザイナーなど専門家に相談の上、諸手続等に遺漏のないよう確認の上行うこととしました。
●一般社団法人VMCグローバルジャパン・ドラムサークルファシリテーター研修所
https://www.vmcglobaljp.com
【3.VMCの理念】(記:横田)
- 人間の可能性を最大限に引き出す(Facilitating Human Potential)です。
年齢・性別・職業・健康状態など、ともすれば一般社会において人と人との間の壁ともなり得る条件をすべて取り払い、どのような状況においても互いに認め合い、コミュニケーションを大切にする心を育てたいと考えています。 - 世界共通のことばである「リズム」を通じて各個人がその垣根を越え、互いにつながり支え合い、ネットワークのような小さな社会(コミュニティ)をかたちづくることの大切さを学ぶ“体験型学習の場”です。
【4.事業内容】(記:米澤)
主な事業の柱は、下記の3つです。- 日本人講師によるベーシック研修
- 海外講師による研修及びイベント
- オンライン講座
創設以来、会員の特典として、海外のDCファシリテーターを講師に招き、通訳を介した無料で受講できるWEBクラスを開催し、その数は2021年4月時点で33クラスに及びました。
昨年からは、一般の方を対象に気軽に自宅で学習できるように、一般向けオンライン講座も始めました。
そして、3期目のメインイベントとして、7月週末2日間12人の海外&日本人講師によるオンラインでのドラムサークル三昧「オンライン万歳!!」の開催を予定しています。実際の活動レポートはVMCのホームページをご覧ください。
【5.課題と対策】(記:横田)
(1)コロナ対策
2021年4月現在、新型コロナ感染症の蔓延により世界中が未曾有の危機下にあり、感染予防対策、生活の基盤となる経済活動が優先され、音楽など芸術文化に関するイベントや研修は、”不要不急“のものとして開催できない状況となっています。元々、任意団体「オレンジブンブン」から始まった私たちの活動は、受講生としてVMCに関わったものでした。そこで、私たちは非営利団体である一般社団法人を主体として立ち上げることで、会員登録料や受講料をなるべく安価に抑えることを心掛けてきました。
そのため、法人立ち上げ時の初期費用などの回収は5~6年の期間を設定していましたが、実際の実地研修が1年以上開催できない現状の上、生活に直結しない音楽を主とする団体には、対象となる助成金や補助金制度も限られており、不本意ながら事業運営的にはとても厳しい状況であると言わざるを得ません。
しかし、コロナ禍においての光明としては、オンラインが急速に普及したことで、当法人のオンライン研修の試みが結実しつつあるという点が挙げられます。