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【事例紹介】レッスンハウスピッコロ音楽祭 ~お筝を多くの人に知ってほしい、聴いてほしい~

全国生涯学習音楽指導員協議会 大阪支部代表 橋本八千代さん

■ 活動テーマ:レッスンハウスピッコロ音楽祭 2020
■ 日時:令和2年(2020年)11月23日(月)祝日11時より
■ 場所:レッスンハウスピッコロ 吹田市文化会館 メイシアター中ホール
■ 対象:幼時~80代


■活動内容

【1.私と箏との出会い】

幼少時から歌うことが好きで、小学校、中学校の文化祭等では先生から「一人で歌って!」とお願いされる事が多く、何のちゅうちょなく楽しく歌っていました。ピアノも少し習っておりましたが、成人前に体を壊し歌はやめなければならない時期がありました。音楽好きな私にとってはしばらく暗い日々(年)が続いていました。

その頃、習っていた茶道の先生の家の床の間に立てかけてあった「筝」を意識するようになり、それが最初の出会いでした。
初めて箏に触れ、優しい音色と雅な音色に魅かれてしまいました。
決して大きな音ではないのに、しっかり自分を主張している「音」が私を誘ってくれました。ちょうど体調が戻っていて何かやりたい気持ちになっており、先生の強い勧めもあって始めることとなりました。

【2.具体的な活動内容】

  1. 邦楽の会
  2. 音楽教室で教えながら、「生涯学習音楽指導員」の資格を取得し、また「地域音楽コーディネーター」の講座を受けたことで、外に向かっての演奏の場や体験講座などが増えて行きました。

    邦楽の音楽指導員仲間で「邦楽の会」を立ち上げてから13年ぐらいになるかと思います。大阪市平野区の地元の音楽指導員のもと、他10人の邦楽指導員も参加しました。

    文科省や「ゆめ基金」の助成金を活用して夏休みや冬休みの期間、地域の子供たちを対象として「筝無料体験10回コース」の活動を始めました。小学3年生以上25名の定員の募集をかけるとオーバーする時もありました。

  3. 「平野ことJr.」
  4. 体験だけで終わるのがもったいないということで、「平野ことJr.」を立ち上げて月2回のお稽古を続けています。体験に来た子供たちが高校生や大学生になってもきてくれています。子供たちの音感、リズム感等の吸収の速さに私達も勉強させてもらっていることも多いです。

    小学校・中学校にて体験授業も行い、演奏を聴いてもらったり、筝の爪を付けて音を出す等の体験をさせました。子どもたちがにこっと笑顔を向けてくれて、幸せな思い出の一つになっています。

    福祉施設である老人ホームへも訪問し、聴いてもらったこともありました。子どもたちとは全く違った動きや表情に最初はとまどいました。しかし懐かしい音楽を演奏した時、口元が動いたり頬が緩んできたのを見て、「楽しんでもらっている」と分かると、また機会があればと来ようと思いました。

    また、伊勢神宮の20年に1回の「式年遷宮」「宇治橋架け替え」の行事に、奉納演奏の機会を与えていただきました。気持ち新たにとても身の引き締まるひと時でした。

  5. 音楽教室レッスンハウスピッコロの立上げと活動
  6. 「レッスンハウスピッコロ」は1984年に、大阪の北摂に位置し、万博公園のある、人口38万人の吹田市の地元オーナーによって開設されました。

    オーナーは地域の人とコミュニケーションをとるために音楽を身近に親しめる場を作ろうと、自分の持ち物(旧家)である空室を提供し、 楽器メーカーとは提携せず独自の経営スタイルで運営したいという思いを持っていました。

    友人には楽器を演奏している人たちが多かったこと等が重なり、オーナーの趣旨に共感した人達と一緒に立ち上げました。そこに音楽大好き人間の私も参加させていただきました。邦楽(筝・三絃)の講師として入りましたが、受付事務、イベント企画等、店の企画にもかかわってきました。

    習い始めたばかりの人や、長年習っていても「大勢の人の前ではちょっと」と足踏みしている人もいます。そんな人のためにはサロンコンサートとして小さな場所で発表する機会も作っています。

<2020年音楽祭>

教室オープンの翌年10月に第1回の音楽祭を開催してから2020年で36回目を迎えました。私は最初から参加しています。

今回は新型コロナ感染予防のため、万全の態勢で臨みました。楽屋が密にならないよう、出演者は客席下手から舞台に上がり、終われば舞台上手から降りる方法をとりました。出演者58名を5チーム(A~E)に分けて、1チーム終る毎に出演者とお客様を入れ替えて10分間ドアを開放し、それの繰り返しをする。お客様も家族2名までとして、いつもはアンサンブルも楽しみの一つですが今年は一人舞台のみにしました。記念写真は一人ずつとりました。

5歳から68歳の男女の方々が大きな舞台に立ち、一年に一回の練習の成果を発表する機会に、全力を注ぐひとときが持てました。楽器はピアノ・バイオリン・フルート・サックス・マリンバ・声楽・筝・三絃で、それぞれ専門の先生がサポートに入ります

私の生徒の中から中学1年生の女の子が『さくら』『荒城の月』を筝でのびのびと弾いてくれました。もう一人、大人の女性は、筝は教授免許を2年前に取得し、三絃に挑戦中で、『春興』を演奏し、私は二人の伴奏に入りました。コロナ禍で今回の音楽祭を開催するにあたり、とても心配しましたが無事に終わることができ安堵しています

その他にも、講師演奏会、子供のためのリズム遊び体験等々開催してきました。音楽祭も年によっては出演者が多く二日間にわたって開いたこともあります。現在5歳くらいから80歳の男性や女性が、来てくれています。長く続けて来てくれている人には15年・20年以上になる人もいます。私自身体の続く限り来てくれる人たちを応援したい気持ちでいっぱいです。

【3.今後の抱負】

日本の伝統楽器である「筝」を「多くの人に知ってほしい、聴いてほしい」と楽器に向かいながら、また「雅な気持ちになれますよ、優しい気持ちになれますよ」などと心の中で叫んでいます。

ときどきテレビで放映される「古典芸能筝曲」を見て、着物を着て、正座して、さらに楽器は高価そうで大変ですね? と言われることがあります。古典だけではないことを理解してもらうにはまだまだ遠い道のりです。

小さな子どもたちには童謡からアニメソング等、大人の人たちには流行りのポピュラーなど取り入れて楽しんでもらうことから始めています。13弦しかない楽器でどのようにして音を作っていくのかが理解できて、メロディーが奏でられた時、楽しさは一層増します。

まず今来てくれている生徒を大事に育てていきたいことと、チャンスがある限り演奏や体験講座を多く持つことで一人でも多くの人に和楽器「筝」を知っていただく努力をしていきたいと思っています。

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