生涯学習音楽指導員

活動事例
【事例紹介】Let’sアンサンブル集う喜び! ~介護予防に音楽を~

生涯学習音楽指導員、日本音楽療法学会認定音楽療法士 岐阜県加茂郡富加町 粥川由美さん

■ 活動テーマ:Let’sアンサンブル♪集う喜び~私の元気はみんなの元気! みんなの元気は私の元気!~
■ 日時:2008年~現在 月3~4回 90分間の活動
■ 場所:岐阜県加茂郡富加町高齢者活動センター
■ 対象:60代~70代 女性10名(2021年現在)

■活動内容

【1.活動の背景】

2008年、介護予防事業(行政からの委託)を行うNPO法人の理事長より『音楽を町内の皆さんの健康づくりに活用したい』との依頼を受けこの活動は始まりました。

開始当初は現在ほど「介護予防に音楽を~」という風潮もなく、ましてやこの小さな町においては「音楽で元気に」と言われてもピンと来る方も少ないのが現状でした。

「音楽=特別なこと・限られた人が行うこと」というイメージを持たれている高齢者の方が多かったように思います。しかし、NPO法人の理事長は、音楽療法を介護者研修で経験されたこともあり、音楽の力を信じ、継続での活動を依頼してくださいました。

2008年から11年間は介護予防拠点施設「どうだん」の喫茶室にて夜7時から9時まで行っていました。現在はメンバーの年齢を考慮し、夜の集まりを避け、午後1時半から会場も変更して行っています。まずは音楽が身近なものであること、そして楽しく心身を動かしてくれるものであることを体験してもらうことから始めました。

【2.夢(ドリーム)BA-BA-ZUの誕生】

各自が持参した楽器(タンバリン・鍵盤ハーモニカ・リコーダーなど)を使い、その場で即興的なアンサンブルを楽しみました。

家での練習を要しないアンサンブル方法は、この集う時間を徐々に楽しみな時間に変えていきました。そして、楽器経験の有無、読譜力を問われない方法が音楽をすることへの不安をも消し去りました。こうして誕生したのが、おばあちゃんアンサンブルグループ「夢(ドリーム)BA-BA-ZU」です。

【3.具体的な活動内容】

(1)指導に対する想いと目標

A. 想い

受動的な音楽経験が多かった方も、能動的に音楽経験をされてきた方も、工夫しだいで同じ音楽経験をすることができます。

その音楽経験は、年齢や個性の違いが活かされるものであり、パートを忘れたり、間違えたりしても、それは笑いの一つとなり「もういちど、もう一度~」と繰り返しチャレンジし、合奏の完成を目指すことになります。

音楽は、心身を健康に導いてくれる効果がありますが、特にアンサンブルは、人とのつながりを叶えてくれます。曲完成への行程は一体感を強くし、コンサート発表では達成感・満足感を得られることでしょう。

音楽にはその様な力のあることを伝え、皆さんが、よりよく生きるための力となってほしいと願っています。

B. 目標

アンサンブルの魅力に頷く・意欲の向上(新しい曲、新しい楽器への挑戦を通して)

(2)指導内容

A. 使用する楽器

曲によって使用楽器は異なり、全員が偏ることなく色々な楽器に挑戦します。

<鍵盤楽器>シングルキーボード、ショルダーキーボード、ピアニカ
<撥弦楽器>ギター、ウクレレ、クロマハープ
<和楽器>三味線、大正琴
<気鳴楽器>リコーダー、和音笛、クワイヤーホーン
<打楽器>アンクルン、カホン、フロアタム、トゥバーノ、ジャンベ、ボンゴ、コンガ、スネアドラム、スリットドラム、グロッケン、木琴、タンバリン、クラーベブロック、シンバル、ウインドチャイム他

B. 選曲と指導にあたっての留意点

選曲について
メンバー全員で話し合って決めています。*2008年~2020年の演奏曲目は下表参照

・メンバーの意向:
①全員が知っている曲であること
②演奏法が難しくないこと

・指導者の意向・留意点:
<2008年~2015年>
①メンバー全員が知っている曲であること
②フィルインが入りやすい曲であること
③コード進行・構成がシンプルであること

<2016年~現在>
①知らない曲への挑戦
②話題曲(現在(いま)を感じる曲)への挑戦

楽譜について
既成譜のみではなくわかりやすい伝え方を工夫する。
心的部分について
・年齢差もプラスにできる交流の時間となること。
・音楽を作り上げる仲間とのつながりの時間となること。

【4.受講によって得られた効果】

  • 自発性:積極的な姿がみられるようになった
  • 自信:賞賛を受けた喜びが自信につながった
  • 役割:自分のパートに責任を持てるようになった
  • 気持のコントロール:負担と感じていた発表が、目標という励みに変化した
  • 介護予防:脳トレとしての意味を、より一層感じるようになった
  • 【5.課題と今後の抱負】

    課題は、個性の尊重(性格や音楽感・テクニック的なことなど)と、曲の完成まで前向きな気持を持ち続けてもらう
    ことです。

    そのために、今後も現在のメンバー全員が元気で長く演奏活動を続けられるようにサポートし、アンサンブルを共に楽しんでいきたいです。

    活動年 曲目 ジャンル ※topic
    2008 『恋の季節』『真っ赤な太陽』『ラ・クンパルシータ&黒猫のタンゴ』 昭和歌謡、ラテン ※リズムをことばに置き換える
    2009 『恋のバカンス』『情熱の花』『九ちゃんメドレー』 昭和歌謡 ※ピアニカでのバッキング=呼吸・タンギング奏法に挑戦
    2010 『マイドリーム(オリジナル)(※)』『365歩のマーチ』『愛の奇跡』 オリジナル(メンバーによる作詞)、昭和歌謡 ※みんなで作詞
    2011 『いつでも夢を』『バナナボート(※)』『YMCA』 昭和歌謡 ※打楽器ソロの導入
    2012 『バナナボートⅡ』『テントウムシのサンバ』『八木節(※1)』『埴生の宿(※2)』 民謡 ※1 太鼓メイン
    ※2 初めての楽器に挑戦(アンクルン・スリットDr)
    2013 『京都の恋』『あまちゃんのテーマソング&雨のちハレルヤ(※)』 昭和歌謡、J-POP(連ドラ主題歌) ※アップテンポの曲に挑戦
    2014 『カルメン』『お嫁においで』『ぼく、とみぱん(詩・曲:粥川)(※)』 ラテン、昭和歌謡、オリジナル ※なじみのない曲への挑戦
    2015 『狙い撃ち』『日本の四季(メドレー)(※)』『ぼく、とみぱん』 昭和歌謡、童謡・唱歌・クラシック、オリジナル ※はじめてのジャンル
    2016 『時の流れに身をまかせ』『太陽に吠えろ』『エビカニクス(ダンス)』 昭和歌謡、J-POP(キッズ) ※ダンスに挑戦
    2017 『情熱大陸』『ブルーライトヨコハマ』『高原列車は行く(※)』 J-POP(TV)、昭和歌謡、愛唱歌 ※聴衆を意識して選曲
    2018 『学生時代(※)』『また逢う日まで』 昭和歌謡 ※メンバーの思い出の曲
    2019
    2020
    『東京五輪音頭2020(※)』『美しい十代』『風の通り道&さんぽ(となりのトトロより)』 Pop、昭和歌謡、アニメソング ※オリンピック開催を祝して選曲・大正琴によるメロディ演奏

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