全国生涯学習音楽指導員協議会 大阪支部会員 増田靖子さん
■活動テーマ:ベルによる音楽地域活動
音楽の楽しさを発信!地域の方々と「ふれあいコンサート」♪
■日時: 2003年~現在
■場所:大阪府茨木市
小学校:茨木市立水尾小学校、郡山小学校、玉櫛小学校
ぱれっとひろば大池(つどいの広場)
水尾コミュニティセンター、
介護老人保健施設たんぽぽ、
サービス付き高齢者向け住宅アスナル茨木、
葦原老人ディサービスセンター、
老人ホーム プレザンメゾン茨木、
■対象: 乳幼児~高齢者まで
■活動内容
ベルは一人で演奏する場合、音の数が制限されるので、(一つのベルは一音しか出せない)友人に声を掛け自宅で一緒に遊びとして音出ししたのが始まりです。
それぞれのベルの音が重なる事により美しい響きが生まれ、曲が仕上がる過程の楽しさに魅力を感じました。曲を演奏するにはその規模感によって、ある程度のベルの数と人数が必要となります。そこで音楽好きな友人を誘い2003年にミュージックベルのサークルを立ち上げました。
ミュージックベル(以降はベルと省略)は、高価なイングリッシュハンドベルに比べ、比較的手に入れやすく初心者でも扱いやすい楽器です。またグループで仲間と共に音楽を作り出す喜びと満足感、ハーモニーの響きの美しさを十分得られるという特徴を友人との演奏の中で感じました。
音楽以外の地域活動も行っていく中で、口コミで「ベルを演奏してみたい」「講座を開設して欲しい」という依頼が広がっていきました。幼児からシルバーまでの幅広い世代より支持していただき、現在にいたっています。
クラブ活動が始まる際には約20名の児童が対象ということもあり、学校側が協力してくださり(放課後こども教室からの支援も含めて)27音ベルを全部で3セット用意してくださいました。このベルは公民館でのベル講座にも使用できるようになっています。
他の会場での企画(つどいの広場、子ども会、老人クラブ)の場合は、個人持ちのベルを 2~3組持参して使っています。
児童の反応が非常に良く継続の要望があったので、2005年より4~6年生を対象とした年間10回程度のクラブ活動の項目の中に組み込まれることとなり実施、現在まで継続しています。
毎年2月には地域の文化展が開催され、クラブで希望者を募り学年ごとの演奏曲と校歌、全員(約20名)で1曲 計4曲を披露します。 家族、友達などの観客も多く地域との繋がり作りの一助となっています。
<使用楽曲>
緊張して舞台に立つことは子どもにとって大きな経験になっているようです。練習にあたっては学年の幅が広いため 高学年生が低学年生をサポートする体験も担っています。このことは異年齢とのコミュニケーションを育むための大切な要素と考えています。
2回の練習ですが、メンバーが違う時があるので校歌以外は2回分違う曲を用意します。2回とも参加できた子は8曲くらい演奏ができるので喜びます。きれいな音の重なり、流れに気づく子もいます。
※ 学校関係の事業は一人で20名の児童の指導が難しいので、ベルの仲間と共に3名で活動しています。
当日までの準備、進行役を中心に動き サポート役は児童の近くで楽譜の進んでいる所を見失ったり、音がわからない児童に対して素早くサポートできるよう役割を分担しています。
使用する楽曲は、参加人数に合わせて歌詞が付いている曲を中心にアレンジし楽譜を制作しています。楽譜には次のような工夫をしています。
3校の小学校での活動中、ときおり学校側より子どもたちの学校生活の変化をお聞きします。教室で授業に参加しにくい子が違う顔を見せたり、学校に通うのが難しい子がクラブの日には休まずに登校したり楽しみにしていたようです。どの子どもたちも積極的に取りくんでいるという姿を再認識し、指導者として嬉しく思います。
教員向けの体験及び指導法の講座も開催しています。先生方へはクラスづくりの一つの方法として展開できるよう校歌も含めて使用した楽譜を差し上げ、今後他の楽曲もご希望あればベル譜面作成のサポートすることをお約束しました。このことにより学校との連携が深まり、さらに地域でベルの愛好者が増えることを期待しております。
老人会、子ども会は演奏も含めた体験会の希望が多いので、チームとして演奏をしています。
公民館講座では自宅で親の介護中だけど気分転換にと必ず参加される方がおられます。
2011年にはヤマハ音楽支援制度・地域音楽活動支援の対象として認定いただき、トーンチャイムを購入することができました。ますます音楽の幅も広がりメンバーのやる気も上がりました。
大人になってからの学習、これこそまさに私自身の生涯学習の実践中です。
私が活動を始めた20年前と比べると 現代の子どもが、おかれている環境、生活や考え方は大きく変化しています。音楽面においても日々新しい音楽が生み出されています。特にインターネットやゲームを通して様々な音楽のシャワーを浴びていることも痛感します。
以前はスタジオジブリやディズニーの映画はみんなが知っているという認識でしたが、見たことがない子どももおり選曲には気を使います。しかし知らない曲でも良い曲はこの機会に知らせる事も大切だと思います。
音楽指導者として子どもたちが興味を持つ曲、演奏したい曲は何か、常日頃からアンテナを張りチェックしていくことも大切です。その上で日本人として後世まで歌い継がれていってほしい「童謡」「文部省唱歌」「わらべ歌」等、幅広い音楽をベルの演奏を通して多くの世代へ伝えていくのが使命と思います。
コロナの影響で2020年度は残念ながらクラブ活動など校外講師の活動はすべて中止となり、2021年度も2021年7月現在、休止中です。2020年度実施できたのは、公民館講座と子育てサロンの演奏会、体験会のみでした。心待ちにしてくれている子ども達がいます。
再開できることを私も切望しております。これからも一人一人の子どもが伸び伸びと自分の居場所を見つけながら、これからも参加してくれることを大きな目標として続けていきたいと思います。
■活動テーマ:ベルによる音楽地域活動
音楽の楽しさを発信!地域の方々と「ふれあいコンサート」♪
■日時: 2003年~現在
■場所:大阪府茨木市
小学校:茨木市立水尾小学校、郡山小学校、玉櫛小学校
ぱれっとひろば大池(つどいの広場)
水尾コミュニティセンター、
介護老人保健施設たんぽぽ、
サービス付き高齢者向け住宅アスナル茨木、
葦原老人ディサービスセンター、
老人ホーム プレザンメゾン茨木、
■対象: 乳幼児~高齢者まで
■活動内容
【1.活動を始めたきっかけとベルの魅力】
以前より心が落ち着くベルの音色が好きでCDなどで聴いておりました。ある日、ベルの講習会を受け、講師の資格を取得しました。その後、色々な曲を演奏してみたくなりゴールドのミュージックベルセット(下記の写真参照)を購入しました。ベルは一人で演奏する場合、音の数が制限されるので、(一つのベルは一音しか出せない)友人に声を掛け自宅で一緒に遊びとして音出ししたのが始まりです。
それぞれのベルの音が重なる事により美しい響きが生まれ、曲が仕上がる過程の楽しさに魅力を感じました。曲を演奏するにはその規模感によって、ある程度のベルの数と人数が必要となります。そこで音楽好きな友人を誘い2003年にミュージックベルのサークルを立ち上げました。
ミュージックベル(以降はベルと省略)は、高価なイングリッシュハンドベルに比べ、比較的手に入れやすく初心者でも扱いやすい楽器です。またグループで仲間と共に音楽を作り出す喜びと満足感、ハーモニーの響きの美しさを十分得られるという特徴を友人との演奏の中で感じました。
【2.目的】
音楽に触れる機会がない人にも、ベルを演奏することにより「音楽の楽しさを広めることが出来たらよいのではないか」という思いで、活動を始めました。活動の目的はベルを活用して地域の大人、子ども同士のコミュニティの活性化と仲間づくりです。音楽以外の地域活動も行っていく中で、口コミで「ベルを演奏してみたい」「講座を開設して欲しい」という依頼が広がっていきました。幼児からシルバーまでの幅広い世代より支持していただき、現在にいたっています。
【3.1年間の活動内容 (休止中の活動も含む)】
(1)小学校
- クラブ活動授業の支援「ベルクラブ」
- 放課後子ども教室 居場所づくり支援「ベル演奏体験会」
- 休日の居場所づくり支援「ベル演奏体験会」
- 教師向け夏季研修として「ベル体験・指導法講習会」
(2)つどいの広場、子ども会、老人クラブ等
- 乳幼児とその保育者対象「クリスマス音楽会及びベル体験会」
- 地区文化展への小学校ベルクラブ「放課後教室参加者によるベル演奏披露」
- 地域子ども会のイベント支援「ベル講習会および参加者による演奏会」
- 公民館主催 地域住民への「ベル講座」
- 老人クラブ会員向け「音楽演奏会」「体験演奏会」
- 老人施設(ディサービスセンター、老人保健施設)での演奏やベル体験会
- 自主活動グループでの演奏活動
【4.楽器について】
ミュージックベルは下記の写真のようにさまざまな種類があります。どの小学校にも備品としてあるわけではありません。茨木市立水尾小学校(下記A.)においては、学校の授業で使用するための8音のカラーベル 3セット、20音のベル 1セットがありました。クラブ活動が始まる際には約20名の児童が対象ということもあり、学校側が協力してくださり(放課後こども教室からの支援も含めて)27音ベルを全部で3セット用意してくださいました。このベルは公民館でのベル講座にも使用できるようになっています。
他の会場での企画(つどいの広場、子ども会、老人クラブ)の場合は、個人持ちのベルを 2~3組持参して使っています。
【5.具体的な内容】
A.茨木市立水尾小学校
(1)クラブ活動
初めは「放課後子ども教室」からの依頼で開催しました。(この時点では入門的なトライアル)児童の反応が非常に良く継続の要望があったので、2005年より4~6年生を対象とした年間10回程度のクラブ活動の項目の中に組み込まれることとなり実施、現在まで継続しています。
毎年2月には地域の文化展が開催され、クラブで希望者を募り学年ごとの演奏曲と校歌、全員(約20名)で1曲 計4曲を披露します。 家族、友達などの観客も多く地域との繋がり作りの一助となっています。
<使用楽曲>
- 簡単に演奏できる既知曲 『かえるのうた』『きらきら星』『ジングルベル』等
- 歌詞のあるもの(特にクリスマスの曲など)
- 最近の曲で皆が知っている曲『ドラえもん』『踊るポンポコリン』『星に願いを』
ディズニー作品、宮崎アニメ作品等 - 音楽の教科書に掲載されている曲『アメージンググレース』『こどもの世界』『オーラリー』等
- 学校の校歌
特に校歌は学校側から大変好評です。そこには私たちの工夫があります。イベント依頼が決まった時点で校歌のピアノ伴奏譜を入手しておき、内緒で楽譜制作をします。当日参加の児童や教師、PTAスタッフの方などにサプライズで練習曲の一つとして用意します。いつも歌っている曲ですのですぐに仕上がり、また特別感を感じてくださりとても喜ばれます。
(2)放課後子ども教室 クリスマス前に冬のイベントとして開催
1~6年生まで希望者を集め1時間半✕2回完結で実施します。冬のイベントということもあり、ここではクリスマスの曲を2曲練習⇒成果発表としてクリスマス会の体育館壇上で大勢の前で披露します。緊張して舞台に立つことは子どもにとって大きな経験になっているようです。練習にあたっては学年の幅が広いため 高学年生が低学年生をサポートする体験も担っています。このことは異年齢とのコミュニケーションを育むための大切な要素と考えています。
B.茨木市立玉櫛小学校
この学校も水尾小学校と同じように「放課後子ども教室」のプログラムとして実施しました。イベントを開催するにあたり備品を調べたら全く使用していないエクセレントベルが見つかました。もう一組新しいベルも購入してくれることとなり、その後の活動においても繋がりました。クリスマス時期でしたのでクリスマスイベントとしてのベル体験要素が強い内容にしました。C.茨木市立郡山小学校
土曜日の放課後支援(サタデートライアル)として年に1,2回ベルの指導をしています。この場合も校歌をサプライズとして用意します。校歌は子どもたちが口ずさみながら練習できるので完成度が高くなります。2回の練習ですが、メンバーが違う時があるので校歌以外は2回分違う曲を用意します。2回とも参加できた子は8曲くらい演奏ができるので喜びます。きれいな音の重なり、流れに気づく子もいます。
※ 学校関係の事業は一人で20名の児童の指導が難しいので、ベルの仲間と共に3名で活動しています。
当日までの準備、進行役を中心に動き サポート役は児童の近くで楽譜の進んでいる所を見失ったり、音がわからない児童に対して素早くサポートできるよう役割を分担しています。
- 簡単な曲にはベルを鳴らす音に自分で印をつける時間を取るように
- 高い演奏技術を要する曲は、全体を捉えやすいように歌詞と同時に事前に色分けして、音に印をつけたものを配布
【6.活動を通して】
ベルは仲間で音を重ねることで一つの曲ができ上がります。何度か同じ曲に挑戦していくうちにコツを覚え、空振りも笑いながらみんなで楽しめるようになります。3校の小学校での活動中、ときおり学校側より子どもたちの学校生活の変化をお聞きします。教室で授業に参加しにくい子が違う顔を見せたり、学校に通うのが難しい子がクラブの日には休まずに登校したり楽しみにしていたようです。どの子どもたちも積極的に取りくんでいるという姿を再認識し、指導者として嬉しく思います。
教員向けの体験及び指導法の講座も開催しています。先生方へはクラスづくりの一つの方法として展開できるよう校歌も含めて使用した楽譜を差し上げ、今後他の楽曲もご希望あればベル譜面作成のサポートすることをお約束しました。このことにより学校との連携が深まり、さらに地域でベルの愛好者が増えることを期待しております。
【7.その他の活動】
つどいの広場、一部の老人介護施設へはスケジュールの関係で一人で実施します。その時にはデスクタイプのベルと軽量のキーボードを利用しています。毎年の活動が多いので、記録を残しておき重ならないように選曲をしています。老人会、子ども会は演奏も含めた体験会の希望が多いので、チームとして演奏をしています。
公民館講座では自宅で親の介護中だけど気分転換にと必ず参加される方がおられます。
【8.今後の展望】
活動の原点となった現在11名のベルチームですが、18年間ほぼメンバーが変わらず継続しており月に1、2回練習しています。 楽しい仲間と練習しているうちに一つの曲を一緒に作り出す楽しさや面白さは、楽譜や指導法を工夫することで初心者でも十分満足感を得られます。2011年にはヤマハ音楽支援制度・地域音楽活動支援の対象として認定いただき、トーンチャイムを購入することができました。ますます音楽の幅も広がりメンバーのやる気も上がりました。
大人になってからの学習、これこそまさに私自身の生涯学習の実践中です。
私が活動を始めた20年前と比べると 現代の子どもが、おかれている環境、生活や考え方は大きく変化しています。音楽面においても日々新しい音楽が生み出されています。特にインターネットやゲームを通して様々な音楽のシャワーを浴びていることも痛感します。
以前はスタジオジブリやディズニーの映画はみんなが知っているという認識でしたが、見たことがない子どももおり選曲には気を使います。しかし知らない曲でも良い曲はこの機会に知らせる事も大切だと思います。
音楽指導者として子どもたちが興味を持つ曲、演奏したい曲は何か、常日頃からアンテナを張りチェックしていくことも大切です。その上で日本人として後世まで歌い継がれていってほしい「童謡」「文部省唱歌」「わらべ歌」等、幅広い音楽をベルの演奏を通して多くの世代へ伝えていくのが使命と思います。
コロナの影響で2020年度は残念ながらクラブ活動など校外講師の活動はすべて中止となり、2021年度も2021年7月現在、休止中です。2020年度実施できたのは、公民館講座と子育てサロンの演奏会、体験会のみでした。心待ちにしてくれている子ども達がいます。
再開できることを私も切望しております。これからも一人一人の子どもが伸び伸びと自分の居場所を見つけながら、これからも参加してくれることを大きな目標として続けていきたいと思います。