生涯学習音楽指導員

活動事例 生涯学習音楽指導員

【事例紹介】障がい者施設へボランティア演奏

生涯学習音楽指導員 東京都町田市 片山ひろこさん

■活動タイトル:障がい者施設へボランティア演奏
■日時:2010年~現在(2020年以降コロナウィルスにより休止中)
■場所:社会福祉法人白峰福祉会 「町田かたつむりの家」「町田生活実習所」「サポートセンター町田とも」
■対象:20代~40代の障がい者 各施設とも計20名程度

■活動内容

1.活動を始めたきっかけ

私は日頃「自分が演奏家として活動をしたい」「エレクトーンと言う楽器を世の人々に知っていただきたい」と思っていました。ある日近所の施設で働いている職員より、「施設での誕生会で演奏をお願いしていた人が急病になったので代わりの演奏者を探している」との連絡があり、人助けのつもりで始めたのがきっかけです。

ボランティアですが、我が子がボーイスカウトで社会貢献をしていたので良い事と感じ続けています。現在、活動の場は3箇所に増えました。職員は初めてエレクトーンの楽器を見る方が多く演奏を聴いてもらうと、とても感動してくださり嬉しく思います。

2.活動にあたっての想い

始めた当初は入所者の方々が、どのような音楽を求めているのかが分かりませんでした。恥ずかしながら、単純に「子どもの童謡などが良いのかな?」と勝手に思っていました。職員担当スタッフとの選曲の打ち合わせで、流行りの曲から昭和の歌謡曲、ニューミュージック、アニメの曲、クラシック等すべて良いとの事で、普通のコンサートと同じように考える事ができました。

エレクトーンの特徴は、楽器本体に多数の音色とリズムが組み込まれており、それを音楽ジャンル、曲に合わせてプリセットされたレジストレーションメニューを自由に扱って演奏表現ができます。また一人で三段鍵盤(上鍵盤、下鍵盤、足鍵盤)を使ってオーケストラ、ビックバンドやポップスタイル等のサウンドを作り出せるので皆の要望にぴったりと合います。

コンサート時は入所者が自分の演奏に合わせて踊ったり、前に出てきてマイクを持って歌ったり、体中で音楽の楽しさを表現され、音楽の力は誰でも笑顔を与える事ができる素晴らしいものとだと実感しています。

3.具体的な内容

各施設年2回ほど伺っていますので、年延べ数としては5~6回訪問しています。

1回のステージは45~60分程度です。毎回、コンパクトで持ち運びができるエレクトーンステージアカジュアル(*1)を会場へ持参して色々なジャンルの音楽を演奏しています。あらかじめ入所者の方々よりリクエストもいただきます。
*1 https://www.yamaha.com/ja/news_release/2016/16101801/

〇演奏曲例
<アニメ>『ドラえもん』『踊るポンポコリン』『ルパン三世のテーマ』等
<流行りの曲>『恋』『世界に一つだけの花』『紅蓮華』『パプリカ』等
<歌謡曲>『津軽海峡冬景色』『ルビーの指輪』『渚のシンドバット』『瞳はダイアモンド』等
<ディズニー>『エレクトリカル・パレード』『アンダー・ザ・シー』『Let it go』等
<クラシック>『道化師のギャロップ』『カノン』『愛の夢』『四季より‟春“』等

4.演奏にあたっての留意点

  1. プログラム構成(音楽ジャンルや演奏曲の順番)をバランスよくすること
  2. 各演奏曲のテンポに変化を持たせること。(Slow,Midium,Fast)
  3. 音量は会場の広さと響きに合わせること
    エレクトーンの音量が大きくて、耳をふさいでいる方がいた時もあったので気を付けています。
  4. 施設の活動(運動会や夏祭りなど)で練習している、歌っている曲も演奏
    皆さんが共通して知っている曲なので、楽しそうです。

5.受講者や施設職員の反応

入所者、保護者や職員の方にはいつも喜んでいただいています。特にプログラムが良いと褒めていただき、達成感を感じます。又、ある保護者より「子どもは普通のコンサートへは行くことができないので、施設内での生演奏を楽しみにしています。障がいがある子ども達でも、健常者と同じように素晴らしい音楽に触れる機会がある事に感謝します」と言われた時は、演奏者として生演奏する事の大切さをあらためて感じました。

6.課題と抱負

今後継続して上での課題はエレクトーンを持っていかなくてはならない点です。分解できるとはいえ、やはり重いので大変です。ピアノは施設にあるのでそれを利用する事もできますが、入所者、職員の方は既にエレクトーンを気に入って下さっているので、更にその魅力を知ってもらいたいので、頑張りたいと思います。

ボランティアとしてスタートしたので、いまさら報酬をいただきたいとは言えないのですが、今後、他の会場で同じようなコンサートを依頼される時は、頂けるように交渉して行きたいと思っております。

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