生涯学習音楽指導員

活動事例 生涯学習音楽指導員

【事例紹介】童謡を歌う会

(2021年11月26日公開)

生涯学習音楽指導員 仙台市 佐藤澄子さん

■活動タイトル:童謡を歌う会

■日時:2008年~現在に至る
(但し2020年4月~2021年 現在はコロナ禍のため活動休止)
■場所:名取市愛島公民館
https://www.city.natori.miyagi.jp/public/medeshima-kou/medeindex.htm
■対象:60歳代~80代 計13名

■活動内容

1.活動を始めたきっかけ

私は地域でピアノ指導をしております。ある日、保健センターより認知症予防教室の音楽担当講師依頼の問い合わせが有ったので引き受け、約10年間(月に1~2回)活動を続けてきました。

そのことが公民館へ伝わり、そこで開講している「童謡を歌う会」の講師として始めたのがきっかけです。その後、受講者が中心となって愛好会を立上げ現在に至ります。

2.目的

  1. 子どもの頃歌った童謡や文部省唱歌など、懐かしい歌を皆で一緒に歌う歌うことで、若かった頃の自分を振り返ったり、当時の出来事を思い出したりしながら、楽しいひと時を過ごしてもらう
  2. 歌うことにより活力が湧き、心身共に元気になってもらう
  3. 地域社会の一員としての仲間作り

3.具体的な内容

(1)練習と発表の場

通常は月に2回(第二&第四水曜日 10:00~12:00)会費は月1,000円で講師謝礼と楽譜代他が含まれます。

(2)目標

発表の場として、年1回程度名取市が主催する行事と地区の公民館祭、クリスマス会、神社のお祭りなどに参加します。

(3)内容

私ひとりで、歌の指導、ピアノ伴奏他を行います。1回の講座は下記の4つで構成されています。

A.挨拶(15分)

それぞれの近況報告やその時々のニュースの話題、思い出話などを皆で自由に話し合うことで、コミュニケーションの活性化を図ることができ、コミュニティに参画しているという自信が持てるようになります。この時間は歌を歌う前の一つの前奏といえるでしょう。

B.準備体操(10分程度)

歌を歌う前に、手指を動かしたり、足踏みをしたり、肩の上げ下ろしなどをしながら、体をほぐし血行を良くします。私が号令(1,2,3,4)を発しながら速度を早くしたり、遅くしたり変化を加えて行います。ラジオ体操をする時もあります。

C.発声練習(10分)

アイウエオの発音を使って声を出す練習をします。大声で「口」をよく動かし、顔の表情筋(特に口の周り)の筋肉を動かします。発声よりも発音がしっかりできる様にするのがポイントです。

その後ピアノの伴奏と一緒にレガートやスタッカートで半音ずつKEYを上げながら発声練習を行い、正しい音程が取れるようにします。

D.歌う(60分)

季節の歌、幼い頃に歌った懐かしい、簡単な手話など1回で8~10曲程度です。
<童謡、文部省唱歌、わらべ歌>
『春が来た』、『故郷』、『とんび』、『朧月夜』、『冬の夜』『牧場の朝』、『緑のそよ風』、『星の世界』など
<懐かしい昭和歌謡>
土地柄、さすがに東北出身の歌手の歌が好まれます。
『今きたよ』(NHKラジオ番組深夜便で良く流れていた岩手県出身の新沼謙司の持ち歌)
『高原列車は行く』(福島県出身の作曲家 古関裕而曲)
『青葉城恋歌』(仙台在住の歌手 佐藤宗幸曲)
『北国の春』&『星影のワルツ』(岩手県出身の歌手 千 昌夫の持ち歌)他
<その他>
『いのちの歌』(2008年NHK連続テレビ小説「だんだん」の劇中歌)
『手のひらを太陽に』―手話でもおこないます。

(4)指導にあたっての留意点

普段の練習は、誰でも歌えるような曲を選曲し、歌ってもらいます。皆それぞれプライドを持っているので、そこを考慮して必ずグループ一緒に歌ってもらうことを心掛けています。

扱う楽譜については、特に歌詞が読みにくいとの声を聞くので拡大コピーをして渡しています。

(5)合唱祭への参加

2017年に名取市市営誕生記念行事として初めて「名取合唱祭」が開催されることになりました。

この合唱祭は市内の地域で活動している合唱サークル、公民館で活動している合唱サークル、学校の合唱部(中学校、高専合唱愛好家、短大)と専門的な合唱団などさまざまな団体が参加します。

そこに会員皆の意志により参加しました。その動機は、自分の年齢に合った自分達らしい発表をしたいということと、若い世代の人達に後世へ受け継いでもらいたい良い歌を聴いてもらいたいという2点でした。

小中学校の音楽教材の内容、曲は日々変化をしており、また子ども達は日常生活の中でテレビ、ジブリ、ディズニーなどのアニメの曲やゲーム音楽を聴く機会がほとんどです。今の世代の若い母親たちも同様と感じます。

童謡や文部省唱歌を歌う際には舞台衣装にも工夫しました。ドレスなどの正装ではなく、自分たちの幼児期を思い出し、その頃着ていた格好「はんてん」「きもの」「もんぺ」「毛糸の帽子」、「手袋」などを着て歌いました。

聴衆からは懐かしい、かわいい、との歓声が聞こえ反応はとても良かったと思います。歌う側としては舞台の上で皆主役という気分になってもらうよう心がけています。

4.課題と今後の抱負

私自身、年齢を重ねると共に、体力が衰えているのを実感しています。しかし、今後もできるだけ長くこの童謡教室で、地域住民の方々へ音楽を通して楽しい時間を過ごしてもらう様に心身を鍛え、音楽の勉強を続けて行きます。

また多くの地域住民の方々に気軽に参加していただけるようにするためには、自治体と協力して進めて行くことが地域貢献の一つと考えています。

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