生涯学習音楽指導員

活動事例
【事例紹介】訪問コンサート(老人保健施設)

生涯学習音楽指導員 京都府 尾松司織さん

■活動タイトル:訪問コンサート
ヴァイオリンと子ども達
ヴァイオリンと子ども達
■日時:2014年~2019年 年1回1時間
■場所:京都府福知山市老人保健施設
■対象:高齢者70代~計30名程度

■活動内容

1.活動を始めたきっかけ

以前、アルバイトをしていた老人保健施設には、ロビーにグランドピアノが置かれていました。

私自身にピアノの演奏の経験があることは施設職員の方々に周知されていましたので、そのひっそりと置かれたピアノをなんとか活用できないかと、声を掛けていただく機会がありました。

その様な状況の中、何か自分にできることはないかと考え、高齢者の方々と地域の子どもたちを結びつける機会を作りたいという想いや、ピアノ教室にできる社会貢献について考えたこともきっかけの一つとなりました。

2.具体的な活動

(1)目的

  1. 高齢者の方々に音楽による豊かな生活を過ごしていただくための一環として、地域の子どもたちの生演奏を聴いていただき、交流を持ってもらう。
  2. 子どもたちにとって普段の発表会やコンクールだけでなく、もう一つの大切な発表の場として位置づける。
  3. 施設職員の皆様、様々な施設利用者の方々、演奏する子どもたちとその保護者の方々、それぞれに音楽を通じたコミュニケーションの場を作る。

(2)目標

<子どもたちへ>

  1. 地域で様々な人々が暮らし、音楽が生活の中でどの様に活かされるのかを知る機会とする。
  2. 施設利用者の方々との交流を通して社会性を身につける。

<施設の利用者へ>

  1. 未就学児から大人まで幅広い年齢の参加者を教室内で募ることで、様々な世代の演奏をバラエティー豊かに楽しんでもらう。
  2. 開催時期に応じて、「オータムコンサート」「クリスマスコンサート」と表して季節感を感じてもらう。

(3)コンサート企画の留意点

<選曲と演奏形態>

クラシックからポピュラーまでできるだけ幅広い音楽ジャンルからの選曲を意識して、プログラムを作成しています。子どもたちは、発表会で弾いた曲やこれから舞台で弾く曲など、自分の持つレパートリーの中から演奏曲を決めます。 なじみのある童謡や唱歌、テレビ主題歌やポップスのほか、季節感を感じられる曲も積極的に演奏します。

演奏形態としてはピアノソロや連弾だけでなく、ヴァイオリンとのアンサンブルも取り入れ、音色の変化を楽しんでもらった事もあります。

<参加型>

歌詞カードをお配りして一緒に歌ったり、身体を動かす活動も含め、その時々に応じた内容を考えていきます。ポイントとしては、演奏と身体を使った体験活動をバランス良く組んで全体を通じて飽きずに楽しんでもらうことを意識しています。

全体のプログラムは事前に決めたものをまとめ、施設側にお渡します。 時には当日利用者の皆様から演奏中にリクエストをいただいたりしながら、その場の雰囲気で即興的に、また臨機応変にプログラムを変えていくことも大切だと感じています。

具体的な曲目は下記のプログラムを参照してください。

3.効果 

回数を重ねる毎に施設の担当者より「来年も楽しみです」という感想をいただく機会が増えました。子どもたち自身も演奏を聴いてもらうことを楽しみに、拍手をもらえる喜びを肌で感じているようです。 特に普段、発表会やコンクールをメインとしたステージ活動をしているため、こうした施設での演奏は聴き手との距離も近く、表情や温度を直接感じられる場として、自己表現の貴重な機会にもなっています。

なお、参加される高齢者の方々の子どもたちを見守る目線がとても温かく、成長を共に喜び、励ましてくださることで、保護者の皆様にも好評です。地域の音楽文化発展に貢献すると共に、高齢者の皆様と地元の子どもたちが音楽によって繋がれる時間を大変有意義に感じております。

4.課題

現在コンサートは、講師が司会進行をしていますが、子どもたちが会の進行をする、プログラム内容を考えるなど、より子どもたちを主体とした活動に切り替えていけたらと考えています。

会自体の印象については、施設利用者のその場の表情と雰囲気だけでしか把握することができないので、満足度を測ることが難しく、どうしても内容に変化を作りにくいことから、毎回同じ内容に偏りがちです。

そこを解決するためには施設の方々や参加者皆様の意見を含め、普段から施設内ではどのような音楽活動に取り組まれているかなど、よりていねいにヒアリングしていく必要があると思います。

5.今後の抱負

今後も子どもたちと一緒に地域で活動するプログラムを増やしていきたいと思っています。しかし、コロナウイルスの感染拡大以降の施設訪問は中止となり、現在は開催を見送っています。 そのため、この施設訪問コンサートだけでなく、多くのステージが中止となり、演奏の場がなくなっています。

子どもたち自身も今まで当たり前のように舞台に立つことができたのに、当たり前がそうでなくなったことで、音楽やピアノに対する熱意や意欲がじわりじわりと失われていきました。 演奏は、聴き手があってはじめて磨かれていくものです。

1日でも早く心から音楽を楽しみ、演奏が多くの人の心に届く日が来て欲しいと願っています。

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