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協議会 活動事例

【事例紹介】「聖火の旅」ミュージックリレー~秦野から東京五輪に向けて~

(2022年06月07日公開)

全国生涯学習音楽指導員協議会 神奈川支部 吉原揚子さん

■活動テーマ:「聖火の旅」ミュージックリレー~秦野から東京五輪に向けて~
手話ソング
手話ソング
■日時:2021年7月25日(日)13:00~
■場所:神奈川県秦野市本町公民館 多目的ホール
■対象:出演…地域の8音楽団体
観客・・・地域一般住民 定員60名

■活動内容:

1.活動を始めたきっかけ

秦野市は音楽が盛んな街で、さまざまな楽器のサークルが多くあります。各サークルが行う演奏会や公民館祭りなどのイベントで発表や聴く機会はありますが、それぞれのグループが一緒にひとつのテーマで行うことはあまりないと感じていました。

東京2020開催をきっかけに、生涯学習音楽指導員として地域のグループと一緒に何かできる事はないか? と漠然とアイデアを考えていました。2018年暮れ、他のイベント終了時に秦野市本町公民館館長とお話する機会を得、このアイデアを提案しました。この時が何となく思っていた小さな種に芽が出た瞬間だったと思います。

2.目的

(1)東京オリンピック・パラリンピック開催を祝い、地域において文化での祭典を支え繋ぐ催物を開催し、未来への希望を共有すること
(2)公民館に集う人々が、共にひとつのテーマに沿った演奏でコンサートを作り、一般の人たちと共に音楽を楽しむ場となること
(3)若い方々へ地域の音楽を繋いでいくこと

3.コンサート準備

2019年1月6日付で公民館に企画書を提出

  • 館長が企画を承認
  • 公民館から企画書を基に、活動している音楽団体に参加募集を実施
  • いくつかの団体から快い返事があり、公民館主催イベントとして動き出す
    〇企画名:演奏でつづる「聖火の旅」~公民館で集う仲間~
    〇内容: 1964年東京開催より2020年東京までの夏の大会開催国の音楽を各グループの演奏で繋いだ流れをつくる
    〇実施体制:参加団体より委員を登録し、実行委員会を立上げる

2019年4月17日 第1回実行委員会

出席者:吉原、参加団体より代表3団体の担当者、公民館館長・職員計6名
  • 企画内容説明、担当国相談・開催日決定(2020年3月14日)
  • 参加グループ、音楽以外の流れ(司会などを含め)広報方法など検討

2019年6月12日 第2回実行委員会

  • 実行委員長(吉原)、他委員の役割決定
  • 9団体が参加希望
  • 金メダリストの招聘予定→講演いただく(委員の知人)
  • 1964年東京オリンピックの映像入手予定
  • 持ち時間・進行方法(演出)・7月までに曲の選定・演奏時の配置
  • 司会は地域の高校生(生徒会)に依頼

2019年9月11日 第3回実行委員会

  • 1団体が不参加となり8団体に決定
  • 司会・進行を含め、内容詳細を詰める
  • タイトル決定
    「聖火の旅」ミュージックリレー~秦野から東京五輪に向けて」

2019年12月10日 第4回実行委員会

  • フィナーレで会場全員合唱と、参加団体の演奏参加のために使用する楽譜(東京五輪音頭)を配布
  • チラシ、プログラム、反省会などにつき、当日スケジュールなどを含み詳細確認他

2020年2月25日 コロナ感染症拡大により、市がさまざまなイベント中止を決定

  • この企画もチラシなど広報活動を行った後ではあるが、開催延期となる
    3/10より公共施設が休館に

2021年度になり、

  • 演奏者より開催の希望の声が強く有り、開催可能な日程を検討
  • 参加予定だった演奏団体に参加可能性の確認⇒全団体が可能と返事

2021年5月18日 公民館主導の形で打ち合わせ会実施

  • 開催日を7月25日開催で決定
  • 概要や当日のタイムスケジュールなど、前回のプランを基に確認
  • コロナ感染対策について定員数などを特に重点的に検討

4.コンサート

(1)内容

コロナ対策として、公民館より定員減・座席の間隔・検温・手指の消毒・マスク着用などにつき注意を払い実施しました。
司会:秦野曽屋高校生徒会
  1. 主催者挨拶:秦野市本町公民館館長
  2.  
  3. <演奏>
    1. KIDS Koto(邦楽:箏)/1964東京
    2. プチ・ミント・かしの樹三世代合唱団(歌)/1972ミュンヘン
    3. 秦野マンドリンクラブ(マンドリン)/1980モスクワ
    4. プレイバック‘70(バンド)/1984ロサンゼルス
    5. 秦野二胡合奏団(二胡)/2008北京
    6. 秦野曽屋高校吹奏楽部(吹奏楽)/2012ロンドン
    7. フォーライフ(マリンバ)/2016リオデジャネイロ
    8. ヴェンティチェッロ(テノール)/2020東京
    9. フィナーレ(手話:東京五輪音頭)吉原

  4. 閉会の挨拶:企画提案者 吉原揚子

メダリスト講演の代わりに、上智大学ソフィア会 師岡文男氏より1964年東京五輪の際の映像の提供があり、開始前、休憩などの時間にプロジェクターで見ていただきました。また市体育館にて展示していた当時のオリンピック資料や選手のユニフォームなどをこの会場へ移し、雰囲気を盛り上げる工夫をいたしました。

フィナーレの全体合唱「東京五輪音頭」はコロナ感染対策のため、以前に企画したものと違う形の手話で歌うことに変更しました。そのため私が事前に手話を良く知っている会員の仲間に手話の指導を受け、また代表で歌唱のテノールの方、伴奏のマンドリンクラブ指揮者と手話練習や実際に行う演奏時間などを詰め、当日マンドリンの伴奏で実施しました。

(2)聴衆と演奏者の反応

  • ・当初舞台を設置予定であったが感染対策のため、演奏者の間隔を広めに取り舞台設置なく観客と同位置の目線での演奏であったが、子どもから年配の方まで「楽しかった」と顔を上気させて話された
  • ・各グループそれぞれの演奏も素晴らしく演奏後、お互いの演奏について、また今後のコラボの希望についてなど話されていた
  • ・当日の舞台移動など、各団体のメンバーが積極的に役割を担当し、スムーズな流れであった
  • ・聴衆はさまざまな楽器の演奏が続く中、長時間ではあったが最後まで集中して聴いていた。休憩中には展示の品を見て以前の東京五輪を振り返って思い出話をされている様子も見られた
  • ・地元高校生徒会から司会に4名参加いただいたが、グループ入れ替わりの間にグループや各国のオリンピックの紹介などを話してもらい、まだ生まれていない時の話も一生懸命に伝えようとしている様子を聴衆が温かく好感の持てる様子で見ていた
  • ・エンディング全員合唱の手話では、ほとんどの方がしっかりと手を動かしていて全体がひとつにまとまった印象があり、思いもかけない効果があったと実感した

5.成果

当初実行委員体制で準備を重ねた際の流れについて、参加されたグループ代表から「とてもスムーズだった」「皆が建設的だった」など、温かい感想をいただきました。

このイベントは公民館主催の基、地域の各グループの活動発表の場として位置づけられていたため参加費は無料でした。費用面では会場設定やチラシ・プログラム作成などは公民館が行い、チラシ配布など動員に関しては演奏者が一緒に行いました。

6.今後の抱負

現在、コロナ禍にあってコンサートを実施しにくい状況にありますが、その中で各グループは、さまざまに工夫をこらして開催しています。このイベント実績を基に地域住民に新たに音楽を楽しんでいただける機会を増やす事を目標に、今回繋がったグループを含め、地域で活動している他のグループとも連携を持ち、演奏を共に楽しめるような活動ができればと考えています。

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