活動事例

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【事例紹介】『歌うこと』が生きがい!~生活に彩りを添える音楽を~

地域音楽コーディネータ― 島根県大田市 山崎瑛里さん

■活動テーマ
『歌うこと』が生きがい!~生活に彩りを添える音楽を~
地域コミュニティセンターにて活動場面
地域コミュニティセンターにて活動場面
■日時:2020年4月~現在
■場所:島根県大田市内のまちづくりセンター
■対象:高齢者

■活動内容

1.活動を始めたきっかけ

2013年に地域の方々から「合唱をやってみよう!」という声があがり「合唱講座」活動が始まりました。この「合唱講座」以前は「成人学級」と名付けられた地域コミュニティに在籍されている方々が月に数回コミュニティセンターに集い、体操教室を開いていたそうです。

その後、健康推進活動として『体操』から『合唱』へと視野を広げ来年で10年という節目を迎えます。私がこの活動に携わったのは開講当初より長く講師として務めておられた先生からお声がけいただき後任の講師として引き継いだのが始まりです。

2.具体的な活動

(1)受講者 

70歳~83歳までの女性17名で月2回、1回60分で開催しています。
初回から平均年齢の高さを全く感じさせないエネルギーを感じたことが印象的でした。受講者各々に「歌うことが楽しい」「みんなに会えることが嬉しい」「生きがい」という思いを持ちながら参加してくださっています。

(2)内容

この講座は「無理なく、楽しく」がモットーです。60分の中で ①ストレッチ ②簡単なリズムあそび(手遊びや頭脳ゲーム)③発声練習 ④歌唱の流れで行っています。

下記にそれぞれの概要をご説明いたします。

①ストレッチ(5分程度)

講座は朝10時に始まるので、まずは身体をゆっくりとほぐしていくために椅子に座った状態でストレッチを行います。リラックス効果が期待される水のせせらぎや小鳥のさえずりなどの自然音が使われたヒーリングミュージック(*)にあわせて首回り、肩、手足、腰回りを動かしていきます。高齢になると身体が動かしにくくなる場合もあるため無理なく動かせるような配慮も心がけています。

*ヒーリングミュージック:癒しの音楽という意味。音楽ではアイルランドの歌手・作曲家であるエンヤ、イギリスの歌手サラ・ブライトマン、日本のシンセサイザー奏者喜多朗(シルクロード)などの作品は有名。

②簡単なリズムあそび(5分程度)

例:三拍子の童謡『うみ』や『ふるさと』『みかんの花咲く丘』などの曲にあわせて(膝ポン・手拍子パン・手でグーの形)→(膝・手拍子・チョキ)→(膝・手拍子・パー)を繰り返す。

このように身体でリズムを感じながら、脳も活性化させる動きを取り入れています。他には、前の人が言った言葉から連想するものをリズムに合わせて答えていく「連想しりとり」でコミュニケーションも増え、場の雰囲気も盛り上がります。

⓷発声練習(5分程度)

音階にのせて「あ・い・う・え・お」や「ほ」の発音でスタッカート発声など歌唱に繋げる導入として発声をしていきます。

④歌唱(45分程度)

1回の講座で今までに扱ったことのある曲4曲、既知曲ではあるが初めて扱う曲4曲の約8曲程度の歌を歌っています。その季節にあった唱歌や童謡、また歌謡曲など馴染みのある歌を中心に選曲しています。
例: 〈春〉『うれしいひなまつり』『早春賦』『青い山脈』
〈夏〉『茶摘み』『われは海の子』『知床旅情』
〈秋〉『虫の声』『紅葉』『リンゴの唄』
〈冬〉『雪』『たきび』『津軽海峡冬景色』
また、これまでには連続テレビ小説の主題歌などJPOPの曲に挑戦したこともありました。ここでは曲想を味わいながら歌う他に、歌にあわせてリズム打ちをしたり歌詞の中に出てくる一文字を抜いて歌う「文字抜き歌あそび」をしたりと変化をつけながら歌っています。

(3)地域交流

春には「ひなまつり会」秋には「お月見会」と、季節にあわせて「成人学級」に在籍の方も参加され一緒に歌を歌い、またキャンドルを作ったりお茶会をしたりと皆さんとの交流会を行っています。この「成人学級」は長年に渡って活動を続けてきたことが称えられ2022年に市からの表彰も受けました。
また2021年には活動の成果を発表する場としてクリスマスコンサートも実施し、地域住民の方々にもお越しいただきました。

(4)指導にあたっての留意点

i.扱う曲について

折々の季節にあわせた唱歌や童謡、また歌謡曲などを提示する他、受講者から歌いたい希望の曲も取り入れています。また無理なく歌える音域を心がけています。高音が出にくい場合は原調から音を下げるなど移調し皆さんが楽しく気持ちよく歌えるように意識しています。

ⅱ.曲の興味付け

曲をいかに理解して歌うか、ということに重点をおいています。例えば、作詞者・作曲者の曲に対しての想いや曲が作られた時の時代背景、その時代に起こった出来事などをクイズ形式などにしてコミュニケーションを交えながら知っていくことで理解が深まります。この様に曲を知る事で表現力が一段と変ります。

ⅲ.歌唱について

またアーティキュレーションにも着目することで、より音楽的に曲のイメージを持つことができ受講者も歌うことの楽しさを実感します。特に心がけている事は、歌う時の姿勢や表情などをしっかり見て、身体の支えを意識することや表情筋を鍛えるなどのアプローチもします。

ⅳ.コミュニケーションの取り方について

年上の方とのコミュニケーションは常に敬意をもって接し、明るく、わかりやすく、ハキハキと話すように心がけています。

3.課題

現在コロナ禍の中、常にマスクの着用や人との間隔を空ける、換気をするなど心がけていますが飛沫が伴う歌唱時においてより良い環境作りが必要です。

またコンサートや外部活動が制限されているため、日々の講座の中で目標や目的が少ないということが課題です。楽しく歌う中で達成感を味わえる様に様々な工夫をしながら進めていきたいと考えています。

4.他の活動

七夕やクリスマスなど季節の行事にあわせて市内の幼稚園や老人ホーム・学童保育施設に出向いてミニコンサートも行っています。幼稚園の保育士が考えてくださった劇の登場人物としてご一緒し、劇中で演奏させていただく機会もありました。小さな子どもから高齢の方まで出向く先々の年代に喜んでいただけるようなプログラムを考えピアノ演奏や歌を届けています。


5.今後の抱負

コロナ禍により、歌を中心とした活動は制限されている状況ですが、これからも音楽を通して地域の方々との交流を大切にし、歌うことの楽しさを共に感じながらより良い活動をしていきたいです。

また幅広い世代の方に「音楽」をより身近に感じていただけるような企画を考え地域の活性化の一助となる様に貢献していく所存です。

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