活動事例

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【事例紹介】仲間と歌って元気に、そして笑顔になれるゴスペル

地域音楽コーディネーター ボーカリスト 神奈川県横浜市 三科かをりさん

■活動テーマ:「仲間と歌って元気に、そして笑顔になれるゴスペル」
~今自分のできる最大限を活かしてコンサートを作っていきたい~
三科かをり・KWRゴスペルクワイア
三科かをり・KWRゴスペルクワイア
■日時:2000年~現在
■場所:神奈川県内の教室、鎌倉芸術館、藤沢市民会館、江の島サムエルコッキング苑内
■対象:小学生~80代 計130名

■活動内容

1.ゴスペルとの出会い

大学卒業後商社に就職した時、雑誌でたまたま知ったゴスペル(*1)教室に「習い事」として通い始めたのが最初のきっかけです。私は子供の頃から歌が大好きで、元々黒人音楽や英語も好きだったこともあり、ゴスペル音楽に魅せられて行きました。ブルースを基調としたメロディ、躍動するリズムに乗せて自由にアドリブをしたり、気持ちのままにシャウトしたり、何度も繰り返してメッセージを伝えたりするゴスペルを聴いたり歌ったりするうちに自分の歌い方の幅も一気に広がっていきました。この音楽との出会いは私の人生を変えるまさに衝撃的なものでした。

*1)ゴスペル:19世紀、アフリカ系アメリカ人のキリスト教プロテスタント信仰者が教会で作り上げたアメリカ発祥の音楽ジャンル。「オー・ハッピー・デイ」や「ジョイフル・ジョイフル」は有名な曲のひとつ。

2.「KWR Gospel Choir」結成

現在、私はボーカリストとして自身のバンド「AmaKha」で活動したり、さまざまなミュージシャンと演奏をしている傍ら、地域の幅広い年代の方にゴスペルを指導しています。ゴスペルの特徴でもある「コール・アンド・レスポンス」と呼ばれる、ソリストが歌で呼びかけし、クワイア(合唱隊)が応えるというものがあります。アマチュアながらソリストとして抜擢されたことがきっかけで徐々に自信がついて行き、会社員からヤマハボーカル・ゴスペル講師に転職、そこから自分のクラスを持つようになりました。

1995年ごろから日本ではウービー・ゴールドバーク主演の「天使にラブソングを」という映画によってゴスペルブームが起こっていました。2000年に講師になった私は幸運にもゴスペルクラス教室を立ち上げ100名以上の生徒が集まり、この生徒を中心に「KWR Gospel Choir」という」グループを結成しました。KWR というのは私の名前Kaworiから子音のみを表記した略称でそのままグループ名となりました。Gospel Choirとは、ゴスペル聖歌隊、合唱隊の意味があります。

指導している会場は横浜、厚木、藤沢、平塚、小田原で計8クラスあります。生徒は小学生から学生、主婦、会社員、80代まで幅広く音楽の経験はさまざまです。現在は1クラス10-20名ほどで合計130名ほどですが、新型コロナ感染症が流行する前までは200名程が在籍しておりました。

通常レッスンは月2回で1回90分です。簡単なストレッチ、発声練習から始まります。1回のレッスンではレパートリー3曲程度を取り上げソプラノ・アルト・テナー・バスのパート音・英語発音指導をしています。1曲の完成には3,4ヶ月程度かけ、曲によってはダンスや振りもつけています。

●KWR Gospel Choir
https://www.kwruby.com/home/kwr-gospel-choir/

3.「KWR Gospel Choir」の活動

講師になった当初の私自身はプロのボーカリストとしてはまだあまり活動できていなかったこともありましたが、次第に様々な一流のミュージシャンとの出会いによって、ボーカリストとしての経験をさせていただく機会も増え、自身の活動の幅も広がっていくことで、「KWR Gospel Choir」との出演もオファーされる様になって行きました。

結成3年目に、私が受け持つクラス全員で歌う自主コンサートをやりたい!というメンバーの熱意に動かされ、2004年に手探りながら第一回目の自主コンサートを開催しました。その後は節目を含む2,3年に1度大規模な自主コンサートを7回実施、オリジナル曲と東日本大震災応援ソングである「花が咲く」をオリジナルアレンジした曲が入ったチャリティCD・DVDも制作しました。また湘南江ノ島では10年連続で毎年クリスマスに野外コンサートに出演、他にはヤマハゴスペルナイト、横浜ゴスペル祭への出演もしています。

バックの演奏や音響舞台は一流のプロの方にお願いし、ダンスや振り付けには外部から特別講師を招聘、ソリストも大方私が務め、企画構成から指揮(ディレクション)、ステージMCも私自身が行っています。「教室の発表会」という枠を超えて、ステージに立つ以上はしっかりと「魅せられるステージ」にするということが目標です。2020年に20周年を迎え、神奈川県民大ホールでの大規模なコンサートを予定していましたが、新型コロナ感染症の影響を受け延期となってしまいました。現在は次回開催に向けて準備中です。

4.コンサートへ向けて

(1)推進体制

自主コンサートに関しては、KWR実行委員会を設置します。各クラスから1名以上実行委員を輩出してもらい、この中より希望制で担当を立候補してもらい決めます。(実行委員長1名、副実行委員長2名と私)私は企画制作ディレクターとして内容面に関しては全面的に務めます。実行委員会では運営面に関してある程度の枠組み(コンサート時期、会場など)を決め実行委員には各クラスのメンバーへの伝達や協力をお願いしています。

定期的に実行委員が集まって合同会議を行い、実行委員長から運営面についての流れなどを説明、当日に向けてそれぞれが準備します。内容面では、事前に合同リハーサルを2回行い強化練習のための合宿も行っています。クラスを超えたメンバー同士の交流の機会はとても貴重で合宿では皆楽しんで参加しています。普段の仕事や主婦業をしながら15曲ほど暗譜したり振りを覚えるのはアマチュアにとって大変な事なので1年前から曲も準備し、練習に取り組んでいます。

(2)広報宣伝

私のホームページに「KWR Gospel Choir」のページを作成し情報を載せています。SNSでは専用のページも作り、認知されるように広めています。チラシなどの紙媒体は出演者からの直接配布に加えて、市や県などの後援を利用し各種公民館にも置かせてもらっています。地域のコミュニティ新聞や無料雑誌などにも情報掲載を依頼、取材も受けています。

(3)当日の体制

  • 主催 KWR実行委員会
  • 後援 神奈川県、コンサート会場のある市など
  • 総合プロデューサー 三科かをり
  • 音楽ディレクター 箭島裕治氏(ベーシスト、アレンジャー)
  • バックバンド Guitar 山田豪氏
           Keyboard 奥山勝氏
           Piano 中島徹氏
           Bass 高橋ゲタ夫氏
           Drums 加納樹麻氏
           Percussions 宮本仁氏
    いずれもラテンやジャズなどのジャンルにおいて第一線で活躍しているプロミュージシャン。
  • 音響 湊雅行氏、岩下保広氏
  • 照明 コロリスタ山川賢司氏
  • 舞台監督 津嶋尚子氏、鈴木ばく氏


5.コンサートの軌跡

〇2001年 平塚市民センター大ホール「市民合唱祭」参加

KWR Gospel Choirとして初のイベント参加で反省点もたくさんありましたが、とても勉強になりました。


〇2004年 平塚公民館大ホール 「KWR Gospel Choir ゴスペルコンサート」

KWR Gospel Choirとしての初コンサート。この時はカラオケで行いました。


〇2010年 藤沢市民会館大ホール 「KWR Gospel Choir 10周年コンサート」

初めて生バンドを入れてのコンサート。この頃からマイクセッティングなどにもこだわり、現在の基盤ができてきました。


〇2015年 鎌倉芸術館大ホール 「KWR Gospel Choir 15周年コンサート」

東日本大震災応援ソング「花は咲く」KWR Original Arr. Ver.とオリジナルソング「いつも近くに」のコンサート録音をし、チャリティCD/DVDを制作しました。


〇2017年 藤沢市民会館大ホール 「KWR Gospel Choir 7thコンサート」

ヤマハゴスペルコースを創設されゴスペル界の重鎮淡野保昌先生をゲストにお迎えし、指揮をしていただき、また一緒に歌っていただきました。


〇2011年〜2019年 江ノ島湘南の宝石 クリスマスコンサート

今や関東3大イルミネーションに認定されるほど、大規模で美しいイルミネーションに囲まれ、クリスマスに生バンドを入れて野外コンサートを依頼されていました。


5.課題と抱負

(1)課題

<会場確保>

自主コンサートで一番苦労することは、公共ホールを土日丸一日確保することです。ほとんどの会場は抽選が必要ですから、運を天に任せる他ならず、ホール取りは毎回心配のタネになっています。(2020年の神奈川県民大ホールは20倍の抽選をメンバーが引き当てました!)

<内容面>

2004年からコンサートを始めて、回を重ねるごとにメンバーにも自覚が出てきています。しかしそれぞれにとってゴスペルクラスは「趣味の教室」であることも変わりなく、温度差があることも課題になっています。私自身も年齢や経験を重ねることによって、ある程度色々な環境の方がいることを考慮できるようになってきたかとは思いますが、コンサート前で熱が入るとつい口調が厳しくなってしまったりして・・反省の日々です。

(2)抱負

タイトルにもあるように、今自分にできる最大限を活かしてコンサートを作っていきたい、というのは、最初のコンサートを開催した時から今でもずっと変わっておらず、今後も自身の音楽経験やイベント経験などで培ったものを、毎回コンサートに活かし進化させていきたいと考えています。「やり切った!!」と思えるコンサートづくりを目指しています かなりの力を注ぐので大変なことも多いのですが、自分の頭の中で考えていたことが形になる瞬間は本当に毎回ワクワクさせられるので、私はコンサート作りが好きなんだろうなと気づいてきました。

アマチュアのクワイアなので、プロとは違いハードルが高いことも多く、そして無理をさせることもできませんが、熱意はとてもあるので、そこに私が常に応えられる器を持って、そしてそれを私も日々広げていくことが大事だと思っています。

アマチュアのステージで一番感動するところは、ステージ上の人たちが頑張ってここまできた姿が想像できて、キラキラと輝いているところです。彼らをどうやったら最大限輝かせることができるのか、そこは指導者の腕だと思いますが、私自身もそこを磨いていきたいですし、また、自分自身も指導者と演奏家を両立させ輝いていたいです。

今後は日本全国でワークショップを行いながらコンサートを実現する等の夢を描いています。また地元の地域自治体と連携できることがあるのでは? と思っていますが、手段、内容を含め思考錯誤しながら前進していきたいと思います。

(2022年8月31日公開)


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#歌、合唱

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