活動事例

地域音楽 コーディネーター 活動事例

【事例紹介】歌のチカラで、親も子も笑顔に

(2022年10月25日公開)

地域音楽コーディネーター ボーカリスト 「えりんこmusic school」主宰
大阪府 平田絵理さん

■活動テーマ:歌のチカラで、親も子も笑顔に
親子で楽しむファミリーライブ
親子で楽しむファミリーライブ
■活動開始年:2014年~現在
■場所:こども園、地域の貸スペース、障がい児施設他
■対象:乳幼児、子ども、保護者

■活動内容

Ⅰ.活動を始めたきっかけ

出産をきっかけに地域と関わることが多くなり、そこで私が地域の子どもたちと保護者の笑顔に繋げられる事はないかと考えるようになりました。 私は今まで「歌」に携わってきたので、その歌の魅力や、誰でも身体一つで気軽に参加できるという素晴らしさを最認識し、下記の思いを基に地域での活動を始める事になりました。
  1. 発散や癒しの時間を歌や音楽で作ってあげたい
  2. 人生を心豊かにする歌や音楽の素晴らしさを伝えていきたい
  3. 歌でこころがひとつになる瞬間を体験してほしい
今回は「親と子のおうた教室」「子どもに歌を」「障がい児教育」の3つの活動をご紹介いたします。

Ⅱ.具体的な活動

1.乳幼児と保護者へ 「親と子のおうた教室」

(1)活動を始めたきっかけ

長男を出産後に知り合ったママ友達の交流の場として始めました。目的は「ママが歌で発散、リラックスができて、かつ赤ちゃんも音楽に触れる」という事で、“親子で一緒に楽しめる”という視点を大切にしました。場所は駅近で利便性が良いママ友達の所有していた空きマンションのスペースで行いました。後に地域の近隣センターの貸しスペースに移りました。(駐車場が利用しやすくなりました)また、保育園の園庭開放でも活動しています。

(2)内容

月1回、40分程度で開催しています。講師は通常私1名で行うことが多いですが、歌詞や打楽器、教材を準備してくれるボランティアスタッフ1名と一緒に行うこともあります。伴奏については、身振りを示したりする時や、絵本やペープサート(*1)などの視覚的な教材を使用する際には無伴奏かカラオケを使用します。その他は講師がピアノで弾き歌いしながら、子どもと保護者が一緒に歌うスタイルが多いです。

*1 保育教材の一つで紙人形の事

扱う楽曲の一部を下記にあげます。

<手遊びうた>「グーチョキパーで何つくろう」「やさいのうた」
<季節のうた>「とんでったバナナ」「すいかの名産地」「うみ」*夏の時期
<こどものうた>「あしたははれる」「どんな色が好き」「もりのくまさん」
<ママのためのうた>「ゆりかごのうた」「you are my sunshine」
<英語のうた>「London Bridge」「BINGO」
<ふれあい遊びうた>「ぞうさんの帽子」「バスに乗って」
<.打楽器を使ううた> ハンドベルやマラカス使用「きらきらぼし」「おつかいありさん」
<.絵本ライブ>「はらぺこあおむし」「おおきなかぶ」
<パネルシアター>「すてきな帽子やさん」「ねこのお医者さん」
<講師による弾き歌いライブ>「にじ」「365日の紙飛行機」

(2)参加者の声

  • 「いつもおとなしい子どもが大きな声で歌ったので、とても嬉しかったです」
  • 「すてきな時間を過ごす事ができ、また歌っていいなと思いました」
  • 「私(保護者)が思い切り発散できてすっきりしました」
  • 「講師の1曲ライブに癒されました」
  • 「途中で、子どもが歌声のなかで気持ちよく寝てしまい助かりました」
  • 「ママ同士でハモれて気持ち良かったです」
  • 「絵本ライブにとても惹きつけられ子どもも集中していました」
  • 「家に帰ってから、お風呂の中で親子で大合唱しました!」

2.子どもに歌を「えりんこmusic school」
ホームページ→https://erinkoroom.com/musicschool/

(1)活動を始めたきっかけ

2021年よりご縁があって、ピアノ教室の生徒さんに歌のレッスンを始めたところ、子どもの吸収力と可能性に驚きワクワクしました。2022年5月より人の心を感動させる「うたうまキッズ」をたくさん増やしたいという思いから、キッズボーカル教室「えりんこmusic school」を主宰する運びとなりました。また歌を通じて小学校教育で重要とされている、思考力・判断力・表現力・コミュニケーション力も育成したいと考えています。

(2)「えりんこmusic school」の理念

  1. 一つひとつの「できた!」を積み重ね、楽しみながら音感が育つ
  2. どう表現するのか、自分でも考えて選ぶ力が育つ
  3. 歌のことばを大切に伝える心が育つ

(3)指導内容

月3回 個人レッスン(1回30分)/グループレッスン(1回50分)
  1. 身体を使って楽しく発声練習
  2. しりとりなど楽しみながらリズム練習
  3. 子どもが歌いたい曲を使って歌唱指導
アーティキュレーション、滑舌、レッテル分け、ブレス、誰に伝えるか、歌詞の意味などの観点からアプローチ。

例:ディズニー作品やJPOP:中島みゆき「糸」、YOASOBI「夜に駆ける」、菅田将暉「虹」、MISIA「アイノカタチ」など

(4)子どもの反応と変化

  • 「上手く歌えて気持ち良かった」
  • 「レパートリーが増えて自身がついてきた」
  • 「楽しいから頑張ってみたい」
  • 「お母さんに伝わるように歌う」
  • 「まわりからも歌を褒められて嬉しい」
  • 「参観で蚊のなくような声だった娘が舞台で堂々と歌って感動した」

3.障がい児教育 「音楽特化型の児童発達支援、放課後デイサービス」

(1)活動を始めたきっかけ

私自身の長男(特別支援学校在籍)が重度知的障害自閉症でもあり、その育児と音楽の経験を活かせる活動をしようと思い、2020年4月より障害児に関わる音楽療育の活動を始めました。

(2)内容

発達障害児の子どもに対して、「児童指導員」兼「音楽指導スタッフ」という立場で週1回30分程度のグループセッション活動をしています。内容は歌やダンス、ミュージックベルが中心です。音楽を通して子どもの発達を促し、困りごとを解消していくという視点に沿って活動しています。子どもそれぞれに「個別支援計画」がありますので、その内容を念頭にいれながら、それぞれの子どもが自信を持って自立して参加できることを目指しています。現場には音楽療法士もいるので、療育的なセッション内容について勉強させてもらっています。

(3)受講者の反応

  • 「特定の場所で話すことができない女児が、ダンスや歌を思い切り楽しむようになり、多く発言する事ができる様に変化しました。また、勉強も頑張るようになるプラス効果も見られました」
  • 「活動の邪魔をすることが多い男児が、先生役やお手伝い役をさせることでリーダー役として歌ったり難しいことをお友達に教えてあげたりすることが増えました」
  • 「いつも歩き回って孤立しがちな女児が、歌の活動では一緒に大きな声で楽しむようになりました」

Ⅲ.課題と抱負

(1)課題

1.乳幼児と保護者へ 「親と子のおうた教室」

伴奏や教材準備を手伝ってくれる補助スタッフを確保することで、よりよいものを提供することが大切と考えています。 また常連の参加者が就園したときに、対象年齢となる参加者を新規募集しなければなりません。募集活動の時間の捻出や、募集方法、媒体について検討が必要です。

2.子どもに歌を 「えりんこmusic school」

継続的にSNSを使った広告宣伝をするための時間の捻出や、SNS活用のスキル面が課題です。機材や設備面を充実させていくことや、ニーズがある時間帯や場所を拡大していくことで生徒さんの満足度をあげていくことを考えています。

3.障がい児教育 「音楽特化型の児童発達支援、放課後デイサービス」

各利用児の個別支援計画を把握し、療育的視点も含めてアプローチできるように、発達支援の知識やスキルの習得が必要です。事業所のスタッフと連携をとりながら活動することが大切です。

(2)抱負

協力者を得て、活動頻度や範囲を広げていくことが目標です。また障害の有無に関係なく音楽交流するイベントや、親子参加型のイベントの実施などにより、歌のチカラで笑顔と感動溢れる地域・人を目指します! 大人も子どもも、いつでも歌が側にあることで、心が豊かでありますように。

●平田絵理 ホームページ「えりんこroom」
https://erinkoroom.com/

(2022年10月25日公開)

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