活動事例

地域音楽 コーディネーター 活動事例

【事例紹介】教育の形、個の生き方と音で感じるLive感

(2022年11月20日公開)

地域音楽コーディネーター
福島県いわき市 鈴木真由美さん

■活動テーマ:教育の形、個の生き方と音で感じるLive感
■イベントタイトル:これからの新しい教育の形 清水十輝(TOKI)トークライブ
これからの新しい教育の形
これからの新しい教育の形
■活動時期:2022年 7月24日(土)11:00~13:30
■場所:福島県いわき市 ごはん・カフェきゅういち
■対象:10代~60代 計23名

■活動内容

1.開催の背景

ここ数年、小中学校支援に関わる仕事をしております。その中でクラスに1~2人は学校に来ない、来れない?子がいることに気づき、私自身も、我が子の登校について悩んでいました。

今は全日制以外にもさまざまなスタイルの学校があるようなのですが、日本の親または私自身に「学校に行ってくれれば安心」「行くもの」という概念がどこかにあり、なぜか行きたがらない子供とのせめぎあいや葛藤がとても苦しいものでした。そこに、ここ7年ほど音楽ライブやイベントを一緒に開催していたシンガーソングライター十輝(TOKI)さん(*1)から「『これからの新しい教育の形』トークライブで東北を周る予定なんだけれど、いわきでもどうかな?」との連絡がありました。

彼と話をしているうち、自分と同じように我が子の登校について悩んでいる親御さんや、いろいろな学び方があることを知らないお子さんたちに、「日本の一般的」ではない教育環境で育ち、結婚して楽しみながら子育てをする彼の話を聞いてほしい。そして、彼の奏でる音楽に癒されたり、コンピューターからでなく、直に聴く音から元気を貰ってほしいと思い、開催に至りました。

*1)シンガーソングライター十輝(TOKI)さん:アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれ、学校に通わない家庭教育「ホームスクーリング」で学び育つ。10代前半からギターを始め、19歳の時自身のオリジナルCDを持ち、売上を糧に歌いながら日本縦断ヒッチハイクの旅、その後アメリカ横断ヒッチハイクの旅を慣行。現在シンガーソングライターとして活躍し、広島「FMはつかいち」にて自身の番組を放送中。シェアハウスや古民家プロデュースもしながら「合同会社おかげさま」を設立し、自分のお子さんも入れた自然こども園をスタートさせ、多彩な活動を行っている28歳男性アーティスト。

2.目的

世界は広くて、さまざまな国や習慣、考え方があります。日本人はつい日本の固定概念の中で考えてしまいがちで、ガチガチに身動きが取れなくなってしまうことがあったりします。新型コロナの影響で、気軽に生の音楽を聴けない状況の中、遠く離れたところからリモートでコンサートを観る事ができ、また多人数とリモート合奏をされる方もいます。この様な方法が行われるようになったことは、コロナの素敵な置き土産かもしれません。

しかし、どうしても自分が感じたい、お客様に感じて欲しいのは、目の前で奏でられる音楽や歌からの振動、その人の想いや気配、パワー、熱気。

そこには言葉で上手く表せない演奏者とのやり取り、楽しさ、癒しや元気の素があると思えてやまないのです。

トーク中は「うん、うん」とうなずきながら普通に聞いていらしたお客様が、直後始まった『BIRTH』という歌に涙を浮かべていらっしゃいました。

歌詞や声やメロディに聴く人のそれぞれの思いが重なって、その場で伝わる何かがある、そう確信し、トークだけでなくライブと合わせて開催しました。

3.具体的な内容

(1)内容

海辺の販売店で窓を開け、テラス席を使いながら最大限に換気をし、心地よい海風の中、前半は「これからの新しい教育の形」トークタイムです。

今までの日本の「一般的」な教育の形は「学校に通学して先生に教えてもらう」スタイルが主ですが、小学校1年生~高校の年齢まで学校に通わない家庭教育「ホームスクーリング」(*2)で育ち、高など学校卒業認定を取得した十輝さんの学び方のいろいろな実体験の話、ヒッチハイクで出会ったたくさんの人の話を交えて「学校以外の教育の形」もあること、それと同時に「学校に通って学ぶことを『選べる』豊かさもある」ことのお話。一般的な教育の形に囚われずに人生の豊かさを生きてみよう、と次の一歩へ踏み出す力が湧いてくるような、新しい教育の形についてのトーク。

*2)ホームスクーリング:学校に通わず、または時々学校に通いながら家庭で学習する教育のスタイル。アメリカでは日本より盛んに行われている。選択する理由は各家庭によってさまざまだが、不登校や個人の尊重、健康上の問題で在宅学習をするお子さん、また学習以外の才能を伸ばしたいという理由で選択する人も少なくない。

トーク後ランチタイム→ランチしながらの感想共有タイム
→歌、アコースティックギター+カホン生ライブです。
チラシには開催の思いそのままを書かせていただき、不登校に悩む親御さんや、今は悩んではいない(方向性を決めた)けれど彼の話を聞いてみたいと思う学生さん、彼の経歴から興味を持ってくださった方、純粋に生ライブと海辺のランチを楽しみに来てくださった方が集まってくださり、満席となりました。
子供の誕生を歌った『BIRTH』さすが英語がかっこいい『SUMMER』、「空気読めって空気が嫌いなんだ」の歌詞が印象的な『学校には行きたくなくなった』、子の幸せを思う歌詞の「顔」など、最後にはお客様を男女に分け(お客様はマスク着用にて)みんなで一緒に歌って、アンコールもありつつ盛況の中終えることができました。

(2)実施にあたっての広報活動

  1. 自治体、メディア(新聞社、ラジオ)
    開催1カ月前少し前にチラシを完成させ、いわき市広報広聴課を通して福島県内や市内新聞各社様へ投げ込みポスティング。FMいわきでの告知
  2. 文化施設、販売店
    いわき芸術文化交流館アリオスや以前からご協力いただいている販売店店舗へチラシスタンドなどへの設置お願い。
  3. 人脈
    友人知人や以前からのライブご来場者様へのお声かけやお知らせのお願い。
  4. SNS
    Twitter、Instagram、LINE、Facebook、ブログなどでの告知、少額ですがWeb広告の展開も実施。
  5. 協賛金
    お世話になっている企業から協賛金を得る

(3)参加者と出演者の反応

来場者に感想を聞くと下記のような嬉しい言葉をいただきました。
「私はこの言葉が響いた」
「私はこっちの言葉が」
「来てよかった」「楽しかった」
「ランチがすごく美味しかった」
「また次のお知らせしてください」
出演者からは「またいわきに帰ってきたい」ということで、次回また何か企画していく予定です。

4.課題と抱負

(1)課題

継続して活動していくには内容面、収支面(動員、出演者の謝礼広告宣伝費など)両方のバランスを考えて企画する事が必要です。またコロナ禍、会場、来場者、出演者それぞれのために、感染予防対策を充分実施する事も求められています。

(2)抱負

お客様の笑顔と「来てよかった」「やってくれてありがとう」の言葉が何よりも嬉しいです。また自分は演奏者ではないですが、音楽が好きな一人として「音楽を届けるお手伝いができること」が楽しいです。無理せず休み休み、長く活動を続けて音楽による癒しや嬉しい、楽しいの輪が拡がっていったら幸せです。


(2022年11月20日公開)

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