活動事例

地域音楽 コーディネーター 活動事例

【事例紹介】日常にも音楽を!(令和歌謡楽技団)

(2022年12月06日公開)

地域音楽コーディネーター ベーシスト 令和歌謡楽技団代表
東京都 森本恭世さん

■活動テーマ:日常にも音楽を!
紳士淑女の歌謡SHOW
紳士淑女の歌謡SHOW
■活動開始年:2019年1月27日~現在
■場所:主に都内近郊のレストランバー、ライブハウス、公民館など
■対象:乳幼児~大人

■活動内容

Ⅰ.活動を始めたきっかけ

私は幼少の頃ピアノを習い、20代になってベーシストとしてバンド活動を開始しました。2019年、銀座のライブハウス「タクト」などで演奏活動を通してたくさんのボーカリストとお客様に出会う機会がありました。お客様からはカラオケでしか歌ったことがないという声を多く聞き驚愕しました。

そこで、お客様に生演奏をバックに歌うという体験をしていただきたく、仲間のミュージシャン(ボーカル、サックス、ギター、ベース、ピアノ&ドラムス)に趣旨を伝え、この年に「令和歌謡楽技団」を結成しました。メンバーにはアマチュアでもステージにたったらプロ意識を常に持っている姿勢が大切である事を伝えています。

<令和歌謡楽技団の理念>

  1. 演奏活動を通して交流を広げ音楽を楽しむこと
  2. 音楽の普及、発展、研究に携わり、歌謡曲のみならずジャンルにとらわれない音楽を発信する
  3. ミッションはオープンで熱心なコミュニティを作って音楽ファンを団結させる

生演奏はカラオケとは違い人と一緒に演奏するという喜び、そしてチャレンジするという精神など、さまざまなことを乗り越えた達成感と楽しみがあります。そしてこの団体の魅力として20代~50代のプロならびアマチュアミュージシャンが混在しており、皆が音楽に対して素直に楽しんでいることです。

Ⅱ.具体的な活動

1.令和歌謡楽技団

(1)紳士淑女の歌謡SHOW

一般公募したプロアマの方に生演奏をバックに歌ってもらう企画です。大体8人ぐらいのボーカルが主役となっていただきます。2か月に1回のペースで「銀座タクト」、「錦糸町シルクロードカフェ」、「新宿パペラ」にて開催しています。

2019年から始めて(コロナ禍は中止)2022年10月で記念すべき10回目を迎えました。節目として盛大に開催しようとスペシャルゲストとして歌手でムード歌謡漫談のタブレット純さんをお招きしました。

このSHOWは主に昭和歌謡やJ-popを演奏します。曲目は幅広い世代にも楽しんでもらうため、1970年代から活躍した沢田研二・中森明菜・ピンクレディーから最近のあいみょん・Official髭男dismなどの曲を歌ってもらっています。

最初は20人程度しか入らないライブバーで始めましたが、最近はようやく100人ぐらいの規模のところで演奏できる様になりました。将来はホールなどで開催できる事を目指しています。



(2)各種イベントの企画

私が知人と会話しながら企画立案しいろいろなライブを実施してきました。イベントのテーマを決め「矢沢ナイト」と銘打って矢沢永吉の曲のみ演奏するライブを開催し、たくさんの矢沢FANそしてそこまで矢沢を知らないお客様にも楽しんでいただけました。総勢10人のボーカルが歌う矢沢ナイトは圧巻で記憶に残るイベントでした。


●令和歌謡楽技団
https://reiwakayougakugidan.com/

2.地域のお祭りへの参加

地域の活動としては墨田区曳舟にある区の施設「ユートリアすみだ生涯学習センター」を利用しているサークルと団体が中心となって、年1回開催される「ユートリア祭」のボランティアを始めました。これはその方々の日頃の練習成果の発表の場です。

きっかけは私が普段練習で利用しているこの施設で「ユートリア祭実行委員募集」のチラシを見て、地域貢献がしたいという思いから参加しました。

実行委員会の一人一人が企画アイデアを出し合い、その案について皆で活発に議論する姿を見ると良い祭りにしたいという気持ちが伝わってきます。私はステージの搬出や搬入関係は慣れているので、そこをサポートしています。

地域のボランティアに参加することで普段接点を持つ機会がない地元の方々と話ができ、とても有意義な時間を過ごしています。いずれは私や「令和歌謡楽技団」で地域密着型の「のど自慢大会」を開催したいと思っています。

生バンドをバックに地域の方々に思う存分歌っていただき、ほかの方の歌も聴いて交流するきっかけができたら地域コミュニティの活性化に繋がると考えます。


3.テンポル・バート

銀座にある生演奏が聴ける販売店「フロムノース」にてベースを弾いて働いていたのですが、コロナ禍になり販売店の存続が難しくオーナーそして在籍していたミュージシャンと共に作ったのが「テンポル・バート」でした。

(1)内容

子育て中の家庭にも「学び」と「遊び」を提供できる画期的なオンライン学習コンテンツで、本格的な音育教材をミュージシャン仲間で作成しました。正しく音楽を学ぶためにはリズムを学ぶことが重要と思いますが、これまでリズムに特化した教育メソッドはありませんでした。

テンポル・バートには視覚でもリズムが確認できるガイドをつけていますので、正しいリズム感が身につきます。

オンライン学習コンテンツとして配信も行っていますが長く続くコロナ禍で、音楽の教育を普通に受けられない今の子どもたちに、「少しでも楽しい時間を作ってあげたい! 」「音楽に触れさせてあげたい! 」という思いから、月1回、都区内のホールや公民館などでレクリエーションを取り入れた参加型の音楽公演を開催しています。

時間としては30分を数回行います。ほかはクリスマスや夏休みなどの時期に約2時間の公演を行います。会場手配はすべて自分達で直接会場担当者に趣旨を説明し、理解を得て進める事ができます。

(2)特色

  1. POPSやROCKを取り入れる
    子ども向け公演は視察でいろいろと見にいきましたがクラシック音楽が多く、我々は活動の中心がPOPSやROCKのジャンルが得意なのでその特色を活かして行う事にしました。
  2. 曲目はチャックベリー『ジョニー・Bグッド』、ボブマーリー『ONE LOVE』、ジプシーキングス『ボラーレ』など
  3. 楽器編成はフルート・サックス・キーボード・ギター・ベース・ドラム・パーカッションが基本です。

(3)子ども達の反応

子ども達は音楽に合わせて身体をおもいっきり動かして一緒に楽しんでいます。イメージでいうと「おかあさんといっしょ」のエンディングで歌のお姉さんやお兄さんと踊る感じでしょうか。保護者、親世代もCMや映画で聴いたことある! 」と曲を懐かしみ楽しんでいただいています。

ここ最近では『鬼滅の刃』の主題歌もいれて盛り上がっていました。



●テンポル・バート
https://www.temporu-bato.com/

Ⅲ.抱負

「令和歌謡楽技団」は演奏や歌う事が好きな人達がたくさん参加してくださり、当初に比べ規模が大きくなりました。最近ではタブレット純さんやバイオリンの高嶋英輔さんもお招きしての公演も開催できるようになりました。今後はさらに各地域に生演奏を気軽に聴ける、参加できる場と機会を普及する理念を軸に、チケット代は安価に設定して継続して行きたいと思っています。

地域活動については自分の演奏活動と共に参加して、地域コミュニティの交流こそが私が目指している「日常にも音楽を! 」に繋がるのではないかと思います。

「テンポル・バート」では子ども達に明るい未来を! を目的に進めて行きます。彼らにとって最初に触れる音楽は人生において大きな影響を及ぼします。演奏家としてそのような責任がある事を自覚し、真剣に音楽に取り組む、カッコよく、誇りをもってベースを弾き続けたいです。

Ⅳ.まとめ

どの活動も演奏家、マネージャー、コーディネーターの3役を担っています。これらの根底にあるのは「ベース」なのです。この楽器の魅力に囚われて20年以上経ちます。

ドラムとギターの架け橋をするのはベース。ドラムのバスドラに音をつけられるのはベース。ギターや鍵盤に次のコードへ先導してあげられるのもベース。この楽器の魅力と存在感は底がありません。ベースの様に人と音楽の架け橋をこれからも続ける所存です。「日常にも音楽を! 」これが私の願いです。



●ホームページ
https://yasuyobass.com/

(2022年12月6日公開)

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「地域音楽コーディネーター」

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