活動事例

地域音楽 コーディネーター 活動事例

【事例紹介】奏でることを本気で楽しみ、音楽で地域の活性化をめざす!

(2022年12月19日公開)

地域音楽コーディネーター ういんどあんさんぶる樂楽 団長
吹奏楽のつどい スタッフ 滋賀県 竹平陽さん

■活動テーマ:奏でることを本気で楽しみ、音楽で地域の活性化をめざす!
第二回定期演奏会の集合写真
第二回定期演奏会の集合写真
■活動開始時期:2019年~現在
■場所:スカイプラザ浜大津(滋賀県大津市)ほか
■対象:大学生から社会人 約30名

■活動内容

1.きっかけ

中学校から続けていた吹奏楽を新しい環境で再開したいという目的のため団体を探していたところ、高校生の時にお世話になっていた指導者から、吹奏楽団創設計画のお話を受けました。

当時の私は、「生涯にわたって趣味にできる楽器・吹奏楽を、進学や就職を機にピタッと止めてしまうのは勿体ない! 大人になっても吹奏楽を楽しんで欲しい! という思いから企画した、月に1回の募集型吹奏楽「吹奏楽のつどい」を運営していました。(現在コロナ禍で休止中)

「つどい」の活動をさらに発展させたいと考えていた中で、「若い人にも気軽に参加しやすい吹奏楽団を作りたい! 」という指導者の思いに賛同し、立ち上げの手伝いを行いました。

2.「ういんどあんさんぶる樂楽」創設と目業

立ち上げの際には、所属していた吹奏楽団や「つどい」の経験を活かし、練習施設の予約、楽譜の手配、練習計画の策定、団員募集を行いました。2019年の5月に行った立ち上げ前の単発練習会は、指導者が指導していた高校の出身者や、私の母校の出身者、「つどい」参加者から20人ほどが集まりました。

6月に定款なども揃え、吹奏楽団「ういんどあんさんぶる樂楽」を創設しました。この樂楽(らくらく)は、『樂(奏でる)ことを楽しむ』という意味が込められています。また「ういんどあんさんぶる」、とひらがなにしたのは、堅苦しさを無くすためです。

創設から2ヶ月が経つと、本番の機会が無くモチベーションが上がらなかったり、それに伴い出席率が悪かったり、何をするにもお金がかかったり…。その結果、8、9月くらいに団員が激減しました。練習直前に団員から「今日休みます」「辞めます」というLINEが相次いだことを今でも覚えています。

毎週練習日の月曜日夕方が一番嫌いな時間でした。その時期を乗り越え、現在のように何とか軌道に乗せて行けたのは、「定期演奏会を開催する」という目標ができたことが大きかったと今になって思います。

もちろん、「定期演奏会を開催するための準備は何をすれば良いのか? お金はどれくらい必要か? 段取りはどのように組むべきか? 」など、課題は尽きませんでした。また本当に演奏会が開催できるのか? というレベルで演奏も運営準備もバタバタでした。

そして結局コロナ禍で中止となってしまいました。それでも、目標に向かって全員が同じ方向に歩みを揃えられたのは良かったと思いますし、この経験が翌年以降にとても活きたと感じています。

3.具体的な内容

私たち「ういんどあんさんぶる樂楽」は、主にスカイプラザ浜大津で毎週月曜日の夜に練習をしています。私たちの主要な活動は、以下の3つになります。

(1)定期演奏会

2020年3月に予定していた第一回定期演奏会は、新型コロナウイルスの影響で中止となりました。翌年3月に大津市生涯学習センターにて実施した第一回定期演奏会は関係者限定の開催でしたが、YouTube配信を行い累計700名の方に視聴いただきました。

今年は広い会場を使用したく、3月に大津市民会館の大ホールにて初めて有観客で第二回定期演奏会を開催する事ができました。地域の方や学校関係者など400名近い方々が来場し、私たちの演奏を聴いていただけました。コンセプトを「世界旅行」とし、(プログラム参照)各地域の曲を演奏する形をとりました。

アンケートを見ると、吹奏楽経験者も無い人も、皆様に楽しんでもらったと思います。そして来年は、コンセプトを「つなぐ」とし、2023年3月12日に第三回定期演奏会を開催予定です。手話シンガーソングライターのyokkoさんをお招きしてのステージもあります。



(2)青空コンサート

新型コロナウイルスの影響により、私たちの活動も停止しました。それ以上に中、高校生は行政による規制や感染状況に左右され、吹奏楽祭やコンクールが中止となるなど、大変な思いをしていることを聞いていました。そこで、中学生や高校生のためにコンサートを開催しよう! と企画したのが青空コンサートです。

第1回は、2020年の9月に、地元の大きな公園の屋外ステージで開催しました。

市とも感染症対策について連携を取りながら、関係者と公園利用者のみに聴いてもらう形をとり、私たち「ういんどあんさんぶる樂楽」と、2高校の個別ステージ、そして合同演奏を行いました。そこから、今年まで4回実施し、計9中高校吹奏楽部に参加していただいています。

参加された顧問の先生方や生徒からは、「素晴らしいコンサートを企画してくれてありがとうございます」「お客さんの前で演奏する機会は本当に貴重で嬉しいです」などの言葉をいただきました。

前回の開催はGWということで、地域の方も公園に多くいらっしゃり、演奏に合わせて歌を歌う子どもたちの姿や、木陰で小さく手拍子をされているお年寄りの方も確認することができ、嬉しい気持ちになりました。


(3)地域での演奏活動

私たちは老若男女、吹奏楽経験の有無を問わず、音楽、吹奏楽の楽しさ、素晴らしさを知ってほしいと考え、地域での演奏活動にも力を入れています。

自主企画コンサートだけでなく、地域のお祭りやマルシェに呼んでいただく機会も増えてきました。その際私たちは、ただ演奏を聴いてもらうだけではなく、お客様にも演奏を一緒に楽しんで欲しいと考え、「参加型」コンサートを企画しています。

例えば、指揮者体験、うちわを配布しうちわで一緒にリズムを刻んでもらう、マルシェで楽器作りブースを設けて作った楽器で一緒に演奏などを行っています。今年度は大津市に助成金をいただき、「参加型」コンサートにさらに磨きをかけています。


4.課題と抱負

(1)課題

結成から3年以上が経ち、今は依頼された演奏機会に向けて準備を進めながら活動をしています。今後考えなくてはならないのは、持続可能な吹奏楽団にしていくことです。先輩方のように、20年、30年と続く吹奏楽団になるためには課題が山積しています。

音楽面では、団員の演奏したい曲と依頼される曲などのギャップ、合奏の方針などです。運営面では収支、団員募集や地域との更なる連携などがありますが、特に、特定の人物への負担の軽減と組織体制の確立が最も求められています。

3年間、上記の課題に悩まされ続けてきましたが、かなり改善してきました。しかし少数に負担がかかっている状態や、この件はあの人が担当か、それとも別の人かなどといった状態は続いています。趣味である吹奏楽を楽しむ場であるのに、苦しい思いをしている人、演奏どころではない人がいては元も子もありません。

誰かが負担を背負うのではなく、皆が分担しながら、楽しめるような状態を作ることが求められています。組織体制の試行錯誤と団員への浸透も併せて、負担の分担を進めることで、誰かが欠けても、組織として成立するようにもなると考えています。

(2)抱負

今後は、文化芸術による地域活性化のために、さらに活動のフィールドを広げていきたいと考えています。現在は子どもやファミリー向けをメインとしていますが、コロナ禍が終われば、もっと上の世代の皆様にも演奏を聴いていただく機会を作って行きたいです。

また私個人としては、「つどい」や吹奏楽団に限らず、誰もが生涯にわたり吹奏楽が続けられるような環境づくりをしてまいります。

●ホームページ
https://sites.google.com/view/we-rakuraku/

●リンク集
https://linkfly.to/40220YDpPmP

(2022年12月19日公開)

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「地域音楽コーディネーター」

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