活動事例

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【事例紹介】音楽が果たす社会的使命

地域音楽コーディネーター 指揮者 「音楽の架け橋」代表
一般社団法人「アートフォーラムNAON」代表理事
東京都 四野見和敏さん

■活動テーマ:「音楽が果たす社会的使命」
音楽が果たす社会的使命
音楽が果たす社会的使命
■活動開始時期:2016年~現在
■場所:福島県、宮城県 東京都
■対象:小中高校生、一般市民の合唱団、オーケストラ、プロの音楽家

■活動内容

1.きっかけ

私自身、東日本大震災の被災者で津波により実家を流失しました。父をはじめ親戚、友人を失いました。想像を絶する惨状に強い衝撃を受け、心は閉じ深い悲しみに包まれました。

当時は街から音楽が消え、多くの人が毎日の生活を立て直すことに必死で、辛い現実に音楽を感じる心や歌うエネルギーは完全に奪い取られました。乗り越えられそうもない過酷な現実に私の心も傷を負ってしまい、私の音楽活動の再開も見通しが立たないまま1年が過ぎました。

その後、復興支援コンサートの依頼があり、地元の合唱団の皆様と一緒に『ふるさと』『花は咲く』やなどを歌いました。そこで歌っている人たちの目には涙が溢れ、声を詰まらせながら必死に歌い、聴いている人も涙をこらえ天を仰ぐ人、うつむいたまま涙にむせぶ人、一緒に笑顔で口ずさむ人、理不尽な現状に怒り出す人もいました。

この演奏会をきっかけに人々は、今まで心の奥深くしまい込んでしまった喜怒哀楽の感情を思いっきり解放したのです。

私はこの時、忘れていた音楽の力の凄さを目の当たりにし、この苦難の時にこそ音楽の持つ可能性を信じようと決心しました。数年が過ぎ、福島の合唱団の方々と知り合います。苦しい現実を乗り越え心を解放させるには、被災地の方々自らの力で音楽を作り上げることが大事であることを知りました。

音楽を通して被災地の人々の交流する新たなコミュニティを作るために、合唱団とオーケストラを組織し、福島県、宮城県、東京の人々が合同で参加する演奏会を企画しました。

2.具体的な活動

(1)東北震災復興祈念演奏会

①上記のコンサートを企画するために、この活動が「震災復興」一環でのあることと位置付け、復興支援のネットワーク作りを通して人材や情報を集め、演奏会の運営面で協力できる人材を探し、コーディネートするところから始めました。

  • 福島の地域おこし協力隊や復興支援隊募集の説明会へ参加
  • 双葉町、大熊町の避難状況や合唱団員の現状をヒヤリング
  • 福島県北おかあさん合唱祭に募集要項を配布
  • 現地の合唱指導者に会い、企画を説明
  • 飯野混声合唱団さんとの交流会
  • 浪江町の「土の歌」コンサートの視察
  • いわきアリオスの文化振興事業団へ取り組み紹介
  • NPO法人「元気になろう福島」との協議

②「音楽の架け橋」の設立

上記の取り組みを通じて復興祈念演奏会「モーツァルトのレクイエム」(2019年5月)を企画・運営する「音楽の架け橋」東京事務局と福島事務局を立ち上げました。主な活動は以下の通りです。

  1. 福島県の一般の音楽団体の代表者や、中高生の合唱団・オーケストラの顧問の先生へ、演奏会の開催意義を説明し、コンサートへの参加を募った
  2. 福島での演奏会に東京から参加する合唱団「コール・フォルトゥーナ」を組織し、被災地の方々と交流しながら演奏会に出演
  3. 演奏会を資金面で支えるため活動
    • 自治体や公的機関の助成金の申請
    • 企業などの協賛金のお願い
    • 個人の寄付金(クラウドファンデングなど)
  4. JA福島と連携し農作物の風評被害を防ぐ活動を展開

③近年の活動

コロナ感染症の影響で2020年開催の「復興祈念演奏会」は中止になりましたが、このコンサートのために多くのを音楽団体や後援団体をコーディネートしました。参考に演奏会の写真やチラシを掲載します。



(2)一般社団法人「アートフォーラムNAON」

2014年よりクラシックのコンサートの企画・制作する会社として活動をしてきました。若手音楽家の育成と社会貢献活動へのコーディネートを行っています。

昨年7月にはコロナ感染症で急激な社会環境の変化により心理的・精神的なストレスを受けた人々に、音楽による安らぎの時間と心のオアシスを提供する「Tokyo Consolation」を開催しました。このコンサートはアーツカウンシル東京の助成事業として採択されました。

https://www.artscouncil-tokyo.jp/ja/what-we-do/support/program/50703/

3.課題と抱負

(1)課題

被災地での音楽活動は、そこに暮らす人々の大きな心の支えになっています。しかし、まだ震災の影響で帰宅困難となっている浜通り地域などは人口減少や流失により、文化や経済活動が以前よりも停滞している所もあります。

またコロナにより音楽文化活動の中止に伴い、コーディネート活動も休止を余儀なくさせられました。来年度はその活動の再開に向けて、運営面と音楽面で次の点を強化・見直しを考えています。

「運営面」組織運営体制、メンバー募集と定着、収支面、広報宣伝、活動の場拡大、地域との交流&人脈作りなど
「内容面」音楽の方向性、演奏曲目、演奏質の向上など

(2)抱負

私が指揮者として、プロデューサーとして取り組みたいことは、音楽のもつ力で社会課題を浮かび上がらせ、音楽の表現方法を通じて人々の心に行動の変容を促すことです。音楽には感情に直接訴え、魂を揺さぶり、人を動かす力があります。音楽が社会的な課題をとらえ、複雑な問題の核心にせまり、人々の心に社会的なメッセージを訴えることもできます。

以下のコンサートを企画してみたいと考えています
  1. 戦争や災害で傷ついた魂を救済するコンサート
  2. 深い絶望や悲劇から人間を救い、心に平安と喜びをもたらすコンサート
  3. ストレスや不安・緊張からの解放し、ダメージを受けた心を癒すコンサート
  4. 東北の被災3県合同でマーラー作曲の交響曲第2番「復活」を演奏すると共に、地域の持つ潜在力を発掘し、コミュニティの活性化につながる活動を模索中

(2022年12月21日公開)

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