活動事例

地域音楽 コーディネーター 活動事例
【事例紹介】昭和の紙芝居屋:誰でも気軽に足を運べて気軽に楽しめる親子向けコンサート

地域音楽コーディネーター 音楽家
東京都 佐藤智香子さん

■活動テーマ:昭和の紙芝居屋~誰でも気軽に足を運べて気軽に楽しめる親子向けコンサート~
ママコモカフェ 2019年5月
ママコモカフェ 2019年5月
■活動開始時期:2015年~現在
■場所:練馬区子育てのひろば「ぴよぴよ」、そのほかの子育て広場、キッズカフェ、町会のイベントなど
■対象:主に0~3歳の乳幼児とその保護者

■活動内容

1.きっかけ

私がピアノを始めたのは4歳からでした。母は音楽愛好家でクラシック・ポピュラー・ロック・ジャズなど、幅広いジャンルに精通していました。(偶然にも私の誕生日も6月9日でロックの日です!)この影響を受け、いろいろな音楽に興味を持ちました。20代前半はラウンジピアニストとして知り合いの音楽事務所から演奏依頼され、ホテル・レストラン・パブなどで活動していました。

出産を機に育児と仕事を含め、今までの様に自由に外出する事が不可能になりました。子供と二人三脚で音楽の仕事を続けることができないか模索していた時、地元練馬区子育てのひろば「ぴよぴよ」(*)利用者だった自分に、そこの先生が「ピアノ弾けるんだって?」とお声掛けいただいた事がきっかけとなりました。

現場に子供を同伴できるのが一番のメリットでした。現在息子も9歳になり、会場設営や受付などを手伝ってくれる程に成長しました。

*)地元練馬区子育てのひろば「ぴよぴよ」:0歳から3歳の乳幼児とその保護者を対象とした、親子で自由に訪問できる施設で練馬区内に多数ある。行政から委託されたNPO法人が運営している。


2.具体的な内容

A.子育てのひろば「ぴよぴよ」

年度終わりに、それぞれの「ひろば」の先生と年間スケジュールを相談してコンサート月を決めて行きます。月に2,3回、時間帯は概ね11:00~11:30または10:30~11:00などです。参加者はコロナ前40~50組100名以上の満員で大人気のコンサートでしたが、このご時世で「ひろば」自体が人数制限を設けている場合があるのと、各施設によって広さも違う為、参加人数は変わります。

人数制限を設ける世の中になってからは予約が瞬殺で埋まり参加できない親子が溢れて泣いてしまう母親達も居る様です。それほど育児は過酷で癒しの時間を求めている事が分かります。この活動は特定の人たちの為にコンサートを開催して居る訳ではないので早く人数制限撤廃されて欲しいと願っています。

(1)内容

①聴きやすいクラシックや、童謡などを演奏します
<クラシック>
  • ショパン ワルツOp,64-1『子犬のワルツ』
  • ショパン ノクターンOp.9-2 変ホ長調
  • ヨハン・シュトラウスOp.228『ラデッキー行進曲』
  • チャイコフスキー バレエ組曲Op.71a『くるみ割り人形』など
上記の曲をその作曲家や作品のエピソードを交えて演奏します。

<童謡>
春なら『春が来た』夏なら『七夕』秋なら『もみじ』2月なら『まめまき』などそれぞれの季節に合った曲を選曲して演奏します。

②紙芝居
自作の物語に絵を書き、紙芝居にして、そこに音楽を付け演奏します。

③その他
自作のパネルや小道具を作り、子供達が楽しく遊べる時間も作ります。当日は施設の方に手伝っていただきますが内容構築と準備は基本的に自分一人で行います。

(2)子供たちの反応

年齢や個人よってかなり雰囲気が違います。元気に踊りまわる子、走り回る子、歌う子、ピアノに興味津々で私の背中を叩いたり手を引っ張りする子、逆に静かに座って凝視してる子もおりさまざまです。皆個性が溢れています。

終演後は先生方から「とっても元気になれるコンサート」と言っていただける事が多いです。有難いことに「また来年もぜひお願いします!!」と毎年言っていただき、今日までコンサートが続いています。





B.町会

私は町会の理事の仕事をしている関係でいろいろな企画をしています。どの町会も年配向けの催しが多い中、我が町は子供向けイベントを充実させようという動きが活発な為、町会の会議室などを利用して0~3歳以外の子供たちも参加できる親子向けコンサートを夏と冬の年に2回ほど開催しています。


3.課題と抱負

(1)課題

コロナ禍の影響で閉塞感を持った大人を見て育った子供たちが年々無表情・無感情になって行くのを感じます。コロナに翻弄されている現在から早く脱却し、どこでも自由に歌い笑う事ができる様に願っています。大人も喜怒哀楽の表情を子供に見せられる世の中に戻らないと、彼らの心の発育に大きく影響が出ると不安視しています。

(2)抱負

チェロ、クラリネット、サックスとのコラボも行っていますが子供向けの場合人選が難しいです。演奏者が子供に好かれそうか、理解があるか,上手く対応できるかなどの要素を考慮せねばなりません。今は身軽に自分一人で活動しようと思っています。

最近のシニアの方はアクティブで楽器を習ったり、コンサートに行く機会が多いと思います。しかし子育て世代は今もお出かけはとても大変です。(昔に比べれば親子向けのホールコンサートは探せば幾らでもありますが)私はあくまでも親子向けに拘って活動していきたいと思っています。

私のコンサートのコンセプトは昭和の紙芝居屋さんなので靴を脱いで地べた座りで聴ける、まるで近所のお友達の家に遊びに行くような気軽さのコンサートをこれからも追及して行きたいです!


(2023年2月1日公開)


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