活動事例

地域音楽 コーディネーター 活動事例

【事例紹介】豊かな人生経験を音に託して~ずっとこれからも新しいことへの挑戦~

(2023年02月22日公開)

地域音楽コーディネーター 「鎌倉大人のピアノ教室 クレドソル七里ヶ浜」主宰 ピアノ指導者
神奈川県 加藤美和子さん

■活動テーマ:豊かな人生経験を音に託して~ずっとこれからも新しいことへの挑戦~
2022年11月6日(日)「大人の音楽会」開催 「カノンハウス鎌倉」にて
2022年11月6日(日)「大人の音楽会」開催 「カノンハウス鎌倉」にて
■活動開始時期:2020年~現在
■場所:鎌倉市七里ヶ浜自宅教室、カルチャースクール(大船、辻堂)、「カノンハウス鎌倉」
■対象:20代~90代

■活動内容

1.きっかけ

子供のピアノ教室を長らく主宰しておりましたが、大阪から鎌倉へ戻ってからは自宅教室でのレッスンを数年前に「大人専門」に切り替えました。現在日本は急激な高齢化社会になり、もうすぐ人口の3人に1人がシニア世代という時代を迎えます。

今のミドル・シニア世代はとても活動的で学習意欲が高く、さまざまな分野で新しい事に挑戦し生涯学習を実践されています。それなら私は地域貢献の一つとして音楽の力で「大人が自分の意志で日々を心豊かに過ごすための機会を作ろう!」と思い、現在に至ります。

2.具体的な内容

(1)受講者

受講者はピアノ経験者、初心者それぞれの想いで始められています。

<ピアノ経験者>

  • 「子供の頃のピアノの先生が怖くてトラウマだった。大人になった今、もう一度ピアノを弾いてみたくなった」
  • 「高校生ぐらいで辞めてしまい空白期間が長いけれど、再開したい」

<初心者>

  • 「子供の頃にピアノを習いたかったが、先生に「本物のピアノが家になければレッスン出来ません」と言われ習うことが出来ず、ずっと憧れていた」
  • 「この歳からは無理かと思ったけれど、ピアノ演奏に挑戦してみたかった」
  • 「子供のために買ったピアノが家で眠っているから活用したい」
  • 「お祭りの抽選でキーボードを当て、使わないのはもったいないと思い習おうと思った」

(2)目標

目標は個人それぞれ違って良いと思います。
  1. 一日一回ピアノに向かう習慣
  2. 数か月で1曲仕上げる
  3. 発表会を目指して練習する
カルチャースクールのグループでは、毎回小さな曲が仕上がる度にみんなの前で演奏していただいています。

(3)レッスン内容

自宅レッスンは、個人レッスン(1回30分~60分)、ペアレッスン(60分)。カルチャーでは、個人レッスン(1回30分)グループ(4~5名 60分)です。

個人レッスンでは、基本的に本人の希望を最優先します。大人用シニア用のテキストで進めたい方や、毎回好きな曲を弾きたい方などさまざまです。本人のレベルと趣向に合ってる曲がある場合は、私が提案することもあります。

初級者はハ長調で易しく編曲された映画音楽やポピュラー音楽の曲が人気です。中上級者はショパン・リスト・ドビュッシーなどの原曲を選ばれます。先日の発表会では3名の方がショパンの『別れの曲』(初心者版)を、またベートーヴェンの『エリーゼの為に』を弾かれた方もおり、これらの曲は幅広い世代に人気ある不滅の名曲だと思います。

カルチャーのグループレッスンにおいては、「60歳からのピアノ」という講座名で開催しており、「日本シニアピアノ教育研究会」のプロフェッショナル講師認定を受けている事もあり、研究会主宰の元吉ひろみ先生著のシニア向けのテキストを使用しております。

(4)発表会

アットホームなサロンコンサート風に作りたく、出演者同士で開催しました。プログラムには演奏者の「音楽会参加への想いや趣味」などを記載し、ピアノを弾く姿以外からも人物像が何となくわかるようにしました。

またヴァイオリン初心者や、カリンバアンサンブルの演奏も組み入れ、弾きたい曲を自由に演奏していただきました。人に心を伝えようと懸命に演奏される姿や、演奏に静かに耳を傾ける皆さんの姿も素敵で会場が一体となりました。緊張の連鎖を生まないために、演奏と演奏の間に私の短い感想を述べる時間を設け、終演後にはその場で「お疲れ様会」を催しました。

<発表会後の感想>

  • 「緊張したけれど、とても楽しかった」
  • 「来年は何の曲を弾こうか楽しみ」
  • 「仲間が出来て嬉しかった」
  • 「子供の頃に住んでいた海外では、常に周りの大人達が演奏しているのを聴いていて、懐かしい気持ちになった」
  • 「皆さんの演奏が素敵で励みになった」
  • 「皆さん『自分』を持って活動されていて、素敵な歳の重ね方だなと思った」










3.大人の指導にあたっての留意点

子どもは急に「クラシック音楽専門の道」に進みたいと希望した場合、ピアノテクニック、音楽表現力などを習得しておく必要があるため、本人が好きな曲だけをレッスンするというわけにはいきません。それに対し大人は趣味で習う方が大半なので、これまで長い時間をかけて築き上げた個性を存分に発揮していただける楽しいレッスンが可能です。

「こう弾かねばいけない」という制限はありません。(中~上級者のクラシック原曲は例外ですが)映画音楽などの場合生徒さんの中には楽譜と違ったリズムで弾く方がおられます。それはご本人の耳に残っているリズムなのだと理解し尊重します。

譜読みに時間がかかる場合は、私は音名(ドレミ)を書き込み、使える時間とエネルギーを「音楽作り」の方に注いでいただきます。指導者として生徒さんがピアノを演奏する事がご自身のための楽しい時間であってほしいと願っています。

4.課題と抱負

課題としては会場問題があります。鎌倉では今回のようなアットホームで小さなサロンか、座席数の多いホールのどちらかになってしまいます。出演者がプレッシャーを感じない程度のちょうど良い、そして雰囲気の良い100席~200席ぐらいのホテルやレストランなど、会場の選択肢を増やしたいです。

今回出演のカリンバアンサンブルは、「月1のアマチュアメンバーでのサークル」のような形で主宰しています。ゆくゆくはワークショップと演奏を兼ねた企画を作り地域の施設などに出掛け、市民に音楽の魅力を伝えて行きたいと思っています。

そして「大人の音楽会」は、私の教室の生徒に限らず、地域のアマチュアの大人の方ならどなたでも参加できるようなイベントも開催したいと思います。地域音楽コーディネーターとして「豊かな人生経験を音に託して~ずっとこれからも新しいことへの挑戦~」を目指します。

(2023年2月22日公開)


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