地域音楽 コーディネーター

地域音楽 コーディネーター

【事例紹介】楽しく自由に、わくわくして夢を実現していこう~自由楽ライフ~

(2023年02月22日公開)

地域音楽コーディネーター ピアニスト せゝらぎコーラス代表、音楽教室主宰
福井県 宮澤和代さん

■活動テーマ:楽しく自由に、わくわくして夢を実現していこう~自由楽(じゆうがく)ライフ~
コロナ禍での練習再開風景
コロナ禍での練習再開風景
■活動開始時期:1970年~現在
■場所:敦賀市スペース♭フラット、介護老人保健施設ヒバリヒルズ、敦賀市西公民館ホール、敦賀市生涯学習センター
■対象:子ども~70代

■活動内容

1.きっかけ

子どもの頃からピアノを弾く事は好きでしたが練習が大嫌いでした。それは先生の「〜でなければならない、こうあるべき」という教え方からだったと思います。音楽には正解というのがあってないような世界です。楽譜通り弾けたから良いわけでもなく、自分の気持ちを音(音楽)で自由に表現する事が大切です。

地域で活動を始めたきっかけは母の影響もありますが(せゝらぎコーラス結成)、神戸淡路大震災チャリティーコンサートを行った経験が影響しています。

人々へ音楽の素晴らしさと楽しさを知ってもらう場とその機会を増やしたいという目的で、コーラス団の代表、また演奏家として病院ほかの所でコンサート、アマチュアオーケストラの企画運営を行っています。その活動を少しご紹介いたします。

2.具体的な内容

A.せゝらぎコーラス

(1)結成目的

この合唱団の前身は小学校の「PTAママさんコーラス」でした。1970年に4月に母が公民館の自主学習グループとして歌うことの楽しみ喜びを分かち合い、生活の潤いになることを目的に市内の主婦を中心に「せゝらぎコーラス」として新しく誕生し52年が経ちます。

私は途中からピアノ伴奏を担当、母は今も指揮と指導を続け一緒に活動しております。練習は敦賀市西公民館ホールで毎週1回1時間半行っています。

(2)内容

自主単独コンサートとして1977年の第1回コンサートから始まり、1980年の10周年から、20周年、25周年、30周年、35周年、40周年、45周年と節目節目で開催してきました。

2020年の50周年コンサートはコロナ禍で残念ながら中止となりました。このほかに其々の合唱祭、市内の自主学習文化祭、施設への慰問コンサート、地元アンサンブルなどコンサートに出演し幅広い活動を続けています。かつては県合唱連盟、婦人合唱連盟などにも加盟しておりました。
  • スタバートマーテル:ペルゴレージ
  • 女声合唱組曲 六つの愛する歌:平吉毅州
  • 金子みすゞの世界
  • 世界歌い旅(各国民謡など)
  • 女声合唱のための〜少女のように:池辺晋一郎



(3)指導にあたっての留意点

  1. 団員皆が楽しんで歌い続けられる要素を基本に考える
  2. 選曲については易しすぎず、センスの良い曲を選ぶ
  3. 出来る範囲の中で行い、高いレベルを要求しない。コンサートの時はエキストラを頼まない
  4. 個々のプライベートな事に介入しない。音楽の話題を中心にコミュニケーションを図る

B.病院訪問コンサート

(1)きっかけ

1998年2月に開設された「介護老人保健施設ヒバリヒルズ」の理事長と私の父が友人だったことを縁に「入所者の癒しになれば」という想いから毎月1回、慰問コンサートを始め25年目を迎えました。開催するにあたり施設のご協力でホールにピアノを設置していただきました。

(2)内容

コンサートはヴァイオリンとピアノのデュオで30分行います。
(『Duo ヴォルフィ』(*)―ピアノ宮澤和代、ヴァイオリン鈴木博詞)

演奏曲は季節にあった童謡、唱歌、クラシック小品などから選曲します。聴衆には演奏を聴くだけでなく、音楽に合わせて自由に手拍子、一緒に口ずさんでいただく様にいたしました。メロディーラインにのって歌詞も何番関係なく唄って楽しんでいる方もいました。

また『ふるさと』の演奏の際、すすり泣きの声を聞くこともあり演奏する喜び幸せを感じる時間でした。演奏者は聴く人に沿ったプログラミングを良く考えねばならないと思います。

特にこの施設のように高齢者が対象の場合は、その世代にとって懐かしい曲は何か、聴きたい曲は何かなど、把握しておかないと一方通行の結果になり、折角のコンサートが演奏者の自己満足に終わってしまいます。この施設でのコンサートを続けてきた事で、演奏家として大きく成長させていただきました。


*)『Duo ヴォルフィ』:宮澤和代と鈴木博詞で1995年に結成。名称はモーツアルトの愛称「ヴォルフィ」から。活動は、ピアノとヴァイオリンが対等に語り合いながら、『楽しく、気楽にハイレベル』を看板に各地で放送出演をはじめ、2年後1997年8月には50回記念コンサートを京都・法然院にて催す。1998年4月から音楽療法の観点から《癒す》ためのコンサートを企画。定期的に病院ミニコンサートとして2019年1月に250回記念コンサートを行ない、2020年1月まで1度も欠かさず262回継続する。

(3)病院の反応

  1. 利用者の皆さんは毎回コンサートを楽しみにしている
  2. 単発では無く継続して開催される癒やしの音楽に期待が高く、そのことで精神面での治療、施設内の大きなコミュニケーションも図られている
  3. コンサートの30分は、職員の方もほっと一息つける時間となっている

3.課題と抱負

コロナ禍、日常あたり前に行われていた事が中断され、活動も継続出来なくなった事が何より残念です。特に病院でのコンサートは入所者の方々がどう過ごされているかとても心残りです。

自分を楽しませるのは自分しかいません。自分を楽しませる力を自分の中に育むことが大切です。夢や希望を持ち、自分の力で楽しい人生を送ることに繋がります。それこそが長い人生を乗り切るために必要な力ではないでしょうか。

現代社会、多様性が尊重されます。子どもや大人一人一人の性格、要望を充分把握し皆が音楽を通して自分の人生を楽しみ、より豊かに幸せに生きていけるお手伝いが出来る伴奏者でありたいと思います。

この様な世の中だからこそ今後も楽しく自由に、わくわくして夢を実現していこうというテーマで、【自由楽】じゆうがくライフアドバイザーとして活動していく所存です。

●ふたば会 音楽教室/スペース♭フラット ピアノ教室
https://space-flat-music.com/profile/


(2023年2月22日公開)


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