地域音楽コーディネーター 障害者雇用コンサルタント
埼玉県 小池梨沙さん
■活動テーマ:親子で気軽に楽しめる民謡喫茶
~日本民謡の魅力を子供たちの心に伝えるために~ ■活動開始時期:2022年~現在
■場所:墨田区向島「民謡酒場 栄翠(えいすい)」
■対象:親子、若者、民謡ビギナー他
■活動内容
成長するとともに民謡をやめるきっかけを探していました。しかし社会に出てから様々な経験を通して子供の頃に民謡を習っていたことは、とてもかけがえのない時間だったと感じる転機が二つありました。これらのことから日本民謡の価値に気付かされ、民謡文化を未来に残すアクションを起こそうと思いました。
世界には各地域によって様々な宗教・文化・音楽・習慣があり、その違いをお互い理解し合うことがなければ、国際交流の意味がありません。この経験より改めて民謡を習いたいという気持ちになり、東京でお稽古を再開しました。
その間時代は移り変わりインターネットも普及し、SNSの先駆けともいえるmixiで「日本民謡」というコミュニティをまず立ち上げました。かなり多くの方が参加してくださり、民謡教室以外での民謡仲間も増えていました。
それが後押しになり、その年5月のゴールデンウィークに民謡仲間と三味線と支援物資をもって石巻・女川の避難所を訪問しました。
アポイントを取らず訪問したので最初は警戒されました。その後許可を頂き三味線の音色を鳴らすと高齢者の方々が集まってこられ、東北民謡のリクエストをもらい一緒に手拍子で唄いました。
地元の唄を一緒に歌うことで、一気に打ち解けることができ、民謡の持つ力や価値に驚かされました。この活動を「民謡キャラバン」と称して、東北3県と関東圏に避難されている拠点に、コンサート実施などの交流を29ステージおよそ4年間に渡って続け、民謡の魅力を再確認できる出来事でした。
よって今の子供たちにも日々の暮らしの中で自然と日本民謡を耳に接する機会がなければ、民謡に対しての関心を持つことはできません。
私自身、親子で出かけるときに気にすることは「周りの視線」です。そのため“親子歓迎”という大義名分のある民謡酒場的な空間「民謡喫茶」を作りたいと思いました。親子で思い出の1ページが作れるような環境を提供し、子供たちが大人になったときにこの場を思い出してくれると思っています。
そこでまず子供たちの和楽器に対する現状認識を説明しました。近年、和楽器バンド(*2)や、「鬼滅の刃」、(*3)「ましろのおと」(*4)などのアニメ作品の影響で和楽器に興味を持って習い始める親子が増えており、交流の機会を求めているというニーズを耳にしたことなどです。このことを基に下記の提案をしたところ共感していただきました。
*1)民謡酒場:店内の一角に小さなステージがあり、そのステージで三味線・尺八・太鼓などの生伴奏に合わせて好きな民謡をリクエストして自慢の唄声を披露します。お客も知っている曲であれば一緒に口ずさんだり、お囃子という掛け声をかけたり、和楽器を演奏するなどして、民謡を気軽に楽しめるスポットで社交場となっています。
*2)和楽器バンド:ボーカル、尺八、箏、津軽三味線、和太鼓にギター、ベース、ドラムを加えた8人のロックバンド。
*3)鬼滅の刃:週刊少年ジャンプに連載された作品で2019年にテレビで放送され、爆発的な人気を博す。
*4)ましろのおと:月刊少年マガジンに連載されている津軽三味線を扱った青春ストーリー
ビギナーの方はレパートリーが少ないことが多いので、参加のお申込みを頂く際に自分が演奏したい曲、唄いたい曲のリクエストを事前に書き添えていただくようにしています。その他に、東京音頭(*5)や炭坑節(*6)など、みんなが知っていそうな曲を課題曲にして、みんなで演奏します。
*5)盆踊りの定番曲(西城八十詞、中山晋平曲)で東京ヤクルトスワローズやFC東京の応援歌にもなっている。
*6)炭坑節:福岡県の民謡。元々は炭鉱労働者が歌っていた歌で「月が出た出た月が出た~ヨイヨイ」の出だしのフレーズが有名。
特に都心部では民謡を街中で日常的に聞くことが減少してしまった昨今ですが、地域コミュニティの活性化と街の憩いの場所のような空間を目指し、子供たちが将来、自国文化に胸を張って世界に羽ばたけるような育成につなげたいと思います。
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(2023年3月17日公開)
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埼玉県 小池梨沙さん
■活動テーマ:親子で気軽に楽しめる民謡喫茶
~日本民謡の魅力を子供たちの心に伝えるために~ ■活動開始時期:2022年~現在
■場所:墨田区向島「民謡酒場 栄翠(えいすい)」
■対象:親子、若者、民謡ビギナー他
■活動内容
1.民謡をはじめたきっかけ
小学校2年生の頃、母が日本民謡を習い始め私は教室に付き添うことになりました。見学している折、私自身も唄と三味線の手ほどきを受けることになります。始めた頃は日本民謡になじみがなく、歌詞の意味も理解できないので、余り好きではなかったと思います。成長するとともに民謡をやめるきっかけを探していました。しかし社会に出てから様々な経験を通して子供の頃に民謡を習っていたことは、とてもかけがえのない時間だったと感じる転機が二つありました。これらのことから日本民謡の価値に気付かされ、民謡文化を未来に残すアクションを起こそうと思いました。
<転機1―初めての海外での仕事>
音楽関係のマネジメントをしていた頃、海外ツアーに同行させてもらいました。国際交流の意味合いがあったため、自分の民謡を通して経験してきた日本文化の知識が多いに役立ちました。世界には各地域によって様々な宗教・文化・音楽・習慣があり、その違いをお互い理解し合うことがなければ、国際交流の意味がありません。この経験より改めて民謡を習いたいという気持ちになり、東京でお稽古を再開しました。
その間時代は移り変わりインターネットも普及し、SNSの先駆けともいえるmixiで「日本民謡」というコミュニティをまず立ち上げました。かなり多くの方が参加してくださり、民謡教室以外での民謡仲間も増えていました。
<転機2―東日本大震災>
2011年3月に東日本大震災がありました。そのときに民謡仲間の一人が、「民謡の本場である東北が大きな被害を受けてしまいとても悲しい。自分たちで微力ながらできることはないか?」と持ち掛けてくれました。それが後押しになり、その年5月のゴールデンウィークに民謡仲間と三味線と支援物資をもって石巻・女川の避難所を訪問しました。
アポイントを取らず訪問したので最初は警戒されました。その後許可を頂き三味線の音色を鳴らすと高齢者の方々が集まってこられ、東北民謡のリクエストをもらい一緒に手拍子で唄いました。
地元の唄を一緒に歌うことで、一気に打ち解けることができ、民謡の持つ力や価値に驚かされました。この活動を「民謡キャラバン」と称して、東北3県と関東圏に避難されている拠点に、コンサート実施などの交流を29ステージおよそ4年間に渡って続け、民謡の魅力を再確認できる出来事でした。
2.具体的な内容
(1)民謡に対するイメージ
日本民謡は未だに高齢者の嗜みというイメージが強いのが残念です。民謡は高齢者になったから好きになるのではなく、高齢者が子供の頃にその土地で一緒に楽しんだ思い出があるからこそ、大人になったときに懐かしさを追いかけるのだと私は思っています。よって今の子供たちにも日々の暮らしの中で自然と日本民謡を耳に接する機会がなければ、民謡に対しての関心を持つことはできません。
(2)活動の目的
感性が豊かな子供のときから、民謡を耳に接する機会が多ければ興味が生まれます。そのためには親子で気兼ねなく民謡を楽しめる場を創出する必要があると考えました。民謡というと大人、酒場というイメージを持たれます。私自身、親子で出かけるときに気にすることは「周りの視線」です。そのため“親子歓迎”という大義名分のある民謡酒場的な空間「民謡喫茶」を作りたいと思いました。親子で思い出の1ページが作れるような環境を提供し、子供たちが大人になったときにこの場を思い出してくれると思っています。
(3)場所
活動場所は墨田区向島にある民謡酒場(*1)の一つ、「栄翠(えいすい)」を設定しました。この販売店とはコロナ禍以前より販売店を経営されているご家族とお付き合いがあり、先方から「もしお店で何か企画したいイベントがあったら、気軽に相談して」と言っていただいていました。そこでまず子供たちの和楽器に対する現状認識を説明しました。近年、和楽器バンド(*2)や、「鬼滅の刃」、(*3)「ましろのおと」(*4)などのアニメ作品の影響で和楽器に興味を持って習い始める親子が増えており、交流の機会を求めているというニーズを耳にしたことなどです。このことを基に下記の提案をしたところ共感していただきました。
- 民謡を後世に伝承するために子供や若者を巻き込む
- イベントの名称は「民謡喫茶」とする
- 開催時間は親子が出かけやすい隔月1回土曜日お昼前後とする
(営業時間は通常17時オープンのため販売店が稼働していない時間帯を有料で借りることで販売店の支援にもなる)
*1)民謡酒場:店内の一角に小さなステージがあり、そのステージで三味線・尺八・太鼓などの生伴奏に合わせて好きな民謡をリクエストして自慢の唄声を披露します。お客も知っている曲であれば一緒に口ずさんだり、お囃子という掛け声をかけたり、和楽器を演奏するなどして、民謡を気軽に楽しめるスポットで社交場となっています。
*2)和楽器バンド:ボーカル、尺八、箏、津軽三味線、和太鼓にギター、ベース、ドラムを加えた8人のロックバンド。
*3)鬼滅の刃:週刊少年ジャンプに連載された作品で2019年にテレビで放送され、爆発的な人気を博す。
*4)ましろのおと:月刊少年マガジンに連載されている津軽三味線を扱った青春ストーリー
(4)内容
通常の民謡酒場同様に、三味線、尺八、太鼓の伴奏に参加し民謡を唄ったり聴いたりして過ごします。民謡酒場の通常営業ではちょっと敷居が高いと感じるような親子、若者、民謡ビギナーがこの機会に気軽に足を運び民謡に親しむきっかけになればと思っています。ビギナーの方はレパートリーが少ないことが多いので、参加のお申込みを頂く際に自分が演奏したい曲、唄いたい曲のリクエストを事前に書き添えていただくようにしています。その他に、東京音頭(*5)や炭坑節(*6)など、みんなが知っていそうな曲を課題曲にして、みんなで演奏します。
*5)盆踊りの定番曲(西城八十詞、中山晋平曲)で東京ヤクルトスワローズやFC東京の応援歌にもなっている。
*6)炭坑節:福岡県の民謡。元々は炭鉱労働者が歌っていた歌で「月が出た出た月が出た~ヨイヨイ」の出だしのフレーズが有名。
(5)参加者の感想
- 子連れ参加OKで気兼ねなく参加できました。また参加したいです
- 民謡の楽しさを改めて感じました
- いろいろな民謡を知り勉強になりました
- SNSだけでつながっていた人たちと対面で交流ができて良かったです
- 若者世代に民謡に親しんでほしかったので、こういう場が大切と思いました
- お酒を飲まないので、昼間の時間帯でノンアルだと参加しやすいです
3.課題と抱負
(1)課題
① 宣伝
趣旨に賛同していただける方は多いものの、私個人の宣伝力は強くないため、しっかりと実績を重ねながら、必要な方に必要な情報が届くように仕掛けていく必要があると思います。② 運営の負担
私自身も仕事や子育てをしながらの運営ですので、募集ページの作成と申込みを取りまとめたりするところに負担がかかります。そのためには何人か趣旨に賛同いただける方とチームを作り、協力しながら活動を盛り上げていきたいと思います。(2)抱負
私は民謡キャラバンの活動をしていた時代「民謡酒場」に良く通っていました。そこで民謡に触れながら多くの人とのつながりを持ち、すばらしい思い出をたくさん作ることができました。特に都心部では民謡を街中で日常的に聞くことが減少してしまった昨今ですが、地域コミュニティの活性化と街の憩いの場所のような空間を目指し、子供たちが将来、自国文化に胸を張って世界に羽ばたけるような育成につなげたいと思います。
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(2023年3月17日公開)
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