地域音楽コーディネータ― ヴァイオリニスト 東京都 松尾嘉子(大澤嘉子)さん
■活動テーマ:すべての方々へ音楽のおしゃべりで楽しい時間を届けたい ■活動開始時期:2004年~現在
■場所:首都圏中心 演奏依頼を受けた各地方
ホール、保育園、幼稚園、小・中・高校、高齢者施設、ライヴハウス等
■対象:乳幼児から高齢者まで
■活動内容
園児たちが和太鼓演奏をしているとのことで、和太鼓奏者も一緒に来てほしいとの要望がありました。そこで東京都内のミュージシャン、ピアノ(富松万里子)、ヴァイオリン(大澤史郎)、パーカッション・マリンバ(宮内健樹)、和太鼓(土屋智明)と私(ヴァイオリン・ヴィオラ)の5人で異色の音楽ユニット「Le Chiacchiere」(通称レッキ)を結成しました。
Le Chiacchiereはイタリア語で「おしゃべり」という意味で、「音楽でのおしゃべり」を届けたいという目的で名付けました。「どこか懐かしい」だけど「どこか新しい」音楽をモットーに活動を続け今年で18年目になります。
年2回のLIVE公演を行いながら、地域イベント、公的な催し、保育園・幼稚園、学校の音楽鑑賞授業などアウトリーチ活動を行っています。
内容は5人でアイデアを出し合い決定します。特殊な楽器編成なので、どのような曲も5人演奏用に編曲し直しています。今では乳幼児から大人まであらゆる年齢層に対応できるレパートリーが増えました。クラシックを曲の途中からジャズ風に編曲することもありますし、弦もピアノも即興演奏を行ったりします。童謡や民謡など演奏するときは、和太鼓とパーカッションが和の雰囲気を瞬時に作り出すこともでき、こうした多様性が「Le Chiacchiere」の魅力になっていると思います。
動画でこの5人バージョンのチャルダーシュ一部をお聴きいただけます。
昨年の主催ライヴお知らせ用演奏動画 (レ・キアッキエーレ・クリスマス版チャルダーシュ)
Le Chiacchiere LIVE 26@南青山MANDALA
一例として台東区内保育園での活動をご紹介いたします。
〇留意点
0歳時から年長まで幅広い年齢が一緒の場面も多いので、それぞれの子供の発達心理を理解し素直な反応を大切に考えます。毎回自由に体を動かして聴いて良いことをお伝えします。また飽きないように、音楽に合わせて歌ったり手拍子をしてもらう等参加できる場面と、楽器に興味を持ってもらうためにクイズ形式で会話をする場面を設けたり、楽しい音楽会になるよう心がけています。
〇内容
上記の留意点の基、子供が親しみやすい童謡、季節の歌、アニメの人気曲に加え、クラシックの名曲や楽器紹介コーナーなどの学びの要素も取り入れるプログラムを作ります。
その中でも気をつけているのは曲のテンポの緩急、分数、曲順のメリハリです。ゆっくり聴かせる曲の後は必ずノリ良く手拍子などで参加できる曲を用意し、1曲の長さもできるだけ長すぎないよう編曲しています。他の工夫として、全員楽器を一旦置いて、メンバーでもあるパーカショニストの宮内氏が作ってくれたボイス・リズム(言葉リズムだけの曲)を行うこともあります。
これは、子供たちが非常に喜ぶ演目です。
ボイス・リズム「おやつの時間」
〇プログラム
コンサートの時間が進むにつれて子供たちが楽しそうに演奏に合わせて喜ぶ姿を見るのは演奏者としてとても有り難い時間です。演奏会では曲間でピアノの富松万里子さんとヴァイオリンの大澤史郎さんの話が子供たちとの対話型で楽しく、この二人のトーク力も楽しいコンサートを作り上げる大きい手助けとなっています。
B.地域のコンサート
2021年北区滝野川会館大ホール 年末スペシャルコンサート
このコンサートは北区滝野川会館が地域の方々を対象に企画したコンサートで、お客様は区報を見て聴きに来られます。
年齢層は割と高めということでしたので(幼児にも聴いて欲しいとの気持ちもありましたが)ゆっくりと大人の聴き方で楽しみたい方も多いのではとの意見にまとまり、入場者の応募は小学生以上、未就学児の入場は不可とすることにしました。
プログラムは様々な年齢、趣向の方が楽しめるようにクラシック・映画音楽・テレビの主題曲・タンゴ・オリジナル曲など幅広い音楽ジャンルから選曲し、なじみやすくなお且つ聴き応えあるようにアレンジしました。
このホールは約500人集客できる会場なので和太鼓とヴァイオリンやピアノとの音のバランスを取るためにマイクの設定が必然となります。広い会場でのリハーサルではPA音響作りの準備をとても大切にしています。
会館の方との綿密な打合せやスタッフの協力のおかげで良い響きが生まれ、本番はとても良いコンサートになりました。小学生も多く来場してくださり、演奏会後のアンケートで、「楽しかった・感動した・今度はこの曲も聴きたい等」暖かい言葉を頂きました。
(プログラム・写真参照)
このライヴではオリジナル曲を始め、ジャズ・クラシック・タンゴ・ロック・ポップスなどメンバーが演奏したいジャンルの曲を提案し合い演奏しています。毎回公演でのお客様からのご感想や反応が、演奏の改善やメンバーの励みにもなり、アウトリーチとしての演奏の際にも生かされていると感じております。
この共通の気持ちがあるからこそ、結成18年目の今まで仲たがいすることもなく、お互い協力しながら続けられているのだと思います。
アウトリーチの意義は一言で表すのは難しいのですが
ⅰ.音楽を通して人と人のつながりを作り、地域の活性化に貢献する。
ⅱ.あらゆる世代に身近な場で音楽に直接触れる機会をつくる。
ⅲ.音楽に興味、関心を持ってもらい楽しい時間と心のゆとりを提供する。
と考えます。
依頼者と地域や学校などと率直に相談し合い、お互い無理のない形にしていく努力が必要です。最終的に演奏者側が赤字にならないような企画と予算書を作成し、それを相手に伝えるのはコンサートや地域イベントをより良く継続するためにもとても大切なことだと実感しています。
ここ数年のコロナ禍では大人数演奏での依頼は減りました。私個人で保育園演奏などの依頼を受ける場合、メンバーでもある夫の大澤史郎とのデュオなど少人数の形に変更することが多くなっていました。
しかし今年はコロナ禍の制限も緩和されつつあります。演奏の機会も増え親子コンサートの依頼なども戻ってきているので、また今年から「Le Chiacchiere」としてコロナ禍前のような演奏の機会が増えてくると期待しています。
活動の場は関東近辺だけでなく、いろいろな地域へも演奏をお届けできるようになれたらうれしいなと思います。「音楽のおしゃべり」をより多くの人に届けられるよう、これからも精進していきたいです。
レ・キアッキエーレ ホームページ
http://www.rodory.com/le_chiacchiere/Top.html
松尾嘉子主催オオサワミュージック
https://www.osawamusic.com
(2023年3月31日公開)
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「皆さまの活動を掲載しませんか」
※ 音楽文化創造では、地域音楽コーディネーター資格取得の養成講座を実施しております。詳しくは下記をご覧ください。
「地域音楽コーディネーター」
#音楽祭、コンサート
#高齢者支援
#地域振興
#子育て支援
■活動テーマ:すべての方々へ音楽のおしゃべりで楽しい時間を届けたい ■活動開始時期:2004年~現在
■場所:首都圏中心 演奏依頼を受けた各地方
ホール、保育園、幼稚園、小・中・高校、高齢者施設、ライヴハウス等
■対象:乳幼児から高齢者まで
■活動内容
1.Le Chiacchiere( レ・キアッキエーレ)活動のきっかけ
2004年北海道旭川市のある保育園の園長先生より、友人のピアニスト富松万里子氏へ子供たちに生演奏を聴かせたいと依頼があったのがきっかけです。園児たちが和太鼓演奏をしているとのことで、和太鼓奏者も一緒に来てほしいとの要望がありました。そこで東京都内のミュージシャン、ピアノ(富松万里子)、ヴァイオリン(大澤史郎)、パーカッション・マリンバ(宮内健樹)、和太鼓(土屋智明)と私(ヴァイオリン・ヴィオラ)の5人で異色の音楽ユニット「Le Chiacchiere」(通称レッキ)を結成しました。
Le Chiacchiereはイタリア語で「おしゃべり」という意味で、「音楽でのおしゃべり」を届けたいという目的で名付けました。「どこか懐かしい」だけど「どこか新しい」音楽をモットーに活動を続け今年で18年目になります。
年2回のLIVE公演を行いながら、地域イベント、公的な催し、保育園・幼稚園、学校の音楽鑑賞授業などアウトリーチ活動を行っています。
内容は5人でアイデアを出し合い決定します。特殊な楽器編成なので、どのような曲も5人演奏用に編曲し直しています。今では乳幼児から大人まであらゆる年齢層に対応できるレパートリーが増えました。クラシックを曲の途中からジャズ風に編曲することもありますし、弦もピアノも即興演奏を行ったりします。童謡や民謡など演奏するときは、和太鼓とパーカッションが和の雰囲気を瞬時に作り出すこともでき、こうした多様性が「Le Chiacchiere」の魅力になっていると思います。
動画でこの5人バージョンのチャルダーシュ一部をお聴きいただけます。
昨年の主催ライヴお知らせ用演奏動画 (レ・キアッキエーレ・クリスマス版チャルダーシュ)
Le Chiacchiere LIVE 26@南青山MANDALA
2.具体的な活動
(1)アウトリーチ活動
A.保育園・幼稚園一例として台東区内保育園での活動をご紹介いたします。
〇留意点
0歳時から年長まで幅広い年齢が一緒の場面も多いので、それぞれの子供の発達心理を理解し素直な反応を大切に考えます。毎回自由に体を動かして聴いて良いことをお伝えします。また飽きないように、音楽に合わせて歌ったり手拍子をしてもらう等参加できる場面と、楽器に興味を持ってもらうためにクイズ形式で会話をする場面を設けたり、楽しい音楽会になるよう心がけています。
〇内容
上記の留意点の基、子供が親しみやすい童謡、季節の歌、アニメの人気曲に加え、クラシックの名曲や楽器紹介コーナーなどの学びの要素も取り入れるプログラムを作ります。
その中でも気をつけているのは曲のテンポの緩急、分数、曲順のメリハリです。ゆっくり聴かせる曲の後は必ずノリ良く手拍子などで参加できる曲を用意し、1曲の長さもできるだけ長すぎないよう編曲しています。他の工夫として、全員楽器を一旦置いて、メンバーでもあるパーカショニストの宮内氏が作ってくれたボイス・リズム(言葉リズムだけの曲)を行うこともあります。
これは、子供たちが非常に喜ぶ演目です。
ボイス・リズム「おやつの時間」
〇プログラム
- アイネ・クライネ・ナハトムジークK.525(W.A.モーツアルト曲)
- 忍たま乱太郎より100%勇気(詞:松井五郎 曲:馬飼野康二)
- ヴァイオリン協奏曲和声と創意への試みOp.8
四季「冬」より第1楽章(A.ヴィヴァルディ曲) - 夢をかなえてドラえもん(詞:黒須克彦,曲:黒須克彦)
- おやつの時間(オリジナルボイス・リズム)
- クリスマスのうた
- チャルダーシュ(V.モンティ曲)
アンコール:情熱大陸(葉加瀬太郎曲)
コンサートの時間が進むにつれて子供たちが楽しそうに演奏に合わせて喜ぶ姿を見るのは演奏者としてとても有り難い時間です。演奏会では曲間でピアノの富松万里子さんとヴァイオリンの大澤史郎さんの話が子供たちとの対話型で楽しく、この二人のトーク力も楽しいコンサートを作り上げる大きい手助けとなっています。
B.地域のコンサート
2021年北区滝野川会館大ホール 年末スペシャルコンサート
このコンサートは北区滝野川会館が地域の方々を対象に企画したコンサートで、お客様は区報を見て聴きに来られます。
年齢層は割と高めということでしたので(幼児にも聴いて欲しいとの気持ちもありましたが)ゆっくりと大人の聴き方で楽しみたい方も多いのではとの意見にまとまり、入場者の応募は小学生以上、未就学児の入場は不可とすることにしました。
このホールは約500人集客できる会場なので和太鼓とヴァイオリンやピアノとの音のバランスを取るためにマイクの設定が必然となります。広い会場でのリハーサルではPA音響作りの準備をとても大切にしています。
会館の方との綿密な打合せやスタッフの協力のおかげで良い響きが生まれ、本番はとても良いコンサートになりました。小学生も多く来場してくださり、演奏会後のアンケートで、「楽しかった・感動した・今度はこの曲も聴きたい等」暖かい言葉を頂きました。
(プログラム・写真参照)
(2)「Le Chiacchier」独自の演奏活動
都内のライヴハウスにて毎年6月と12月にライヴを開催することが恒例となっています。お客様は小学生から80代まで幅広い年代に来ていただいております。このライヴではオリジナル曲を始め、ジャズ・クラシック・タンゴ・ロック・ポップスなどメンバーが演奏したいジャンルの曲を提案し合い演奏しています。毎回公演でのお客様からのご感想や反応が、演奏の改善やメンバーの励みにもなり、アウトリーチとしての演奏の際にも生かされていると感じております。
3.アウトリーチの意義
「Le Chiacchiere」の活動で一番大切にしていることは、結成のきっかけが先に述べた活動だったこともあり、「聴いてくださるお客様に楽しんでいただく」という点をメンバー全員がとても大切にしています。この共通の気持ちがあるからこそ、結成18年目の今まで仲たがいすることもなく、お互い協力しながら続けられているのだと思います。
アウトリーチの意義は一言で表すのは難しいのですが
ⅰ.音楽を通して人と人のつながりを作り、地域の活性化に貢献する。
ⅱ.あらゆる世代に身近な場で音楽に直接触れる機会をつくる。
ⅲ.音楽に興味、関心を持ってもらい楽しい時間と心のゆとりを提供する。
と考えます。
4.課題と抱負
(1)課題
アウトリーチは、予算と演奏者側のコストをどのように擦り合わせるかというところがデリケートで難しい問題です。依頼者と地域や学校などと率直に相談し合い、お互い無理のない形にしていく努力が必要です。最終的に演奏者側が赤字にならないような企画と予算書を作成し、それを相手に伝えるのはコンサートや地域イベントをより良く継続するためにもとても大切なことだと実感しています。
(2)抱負
メンバーはふだんそれぞれ違うフィールドで演奏や指導しており、音楽の趣向も演奏スタイルも違います。しかしそれを利点とし意見交換し理解し合うことで今までこのグループは続いてきました。今後もこうして5人で成長し続ける音楽集団でいたいと思います。ここ数年のコロナ禍では大人数演奏での依頼は減りました。私個人で保育園演奏などの依頼を受ける場合、メンバーでもある夫の大澤史郎とのデュオなど少人数の形に変更することが多くなっていました。
しかし今年はコロナ禍の制限も緩和されつつあります。演奏の機会も増え親子コンサートの依頼なども戻ってきているので、また今年から「Le Chiacchiere」としてコロナ禍前のような演奏の機会が増えてくると期待しています。
活動の場は関東近辺だけでなく、いろいろな地域へも演奏をお届けできるようになれたらうれしいなと思います。「音楽のおしゃべり」をより多くの人に届けられるよう、これからも精進していきたいです。
レ・キアッキエーレ ホームページ
http://www.rodory.com/le_chiacchiere/Top.html
松尾嘉子主催オオサワミュージック
https://www.osawamusic.com
(2023年3月31日公開)
※ 皆さまの活動を掲載しませんか? ご希望の方は、下記のページをご覧ください。
「皆さまの活動を掲載しませんか」
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