地域音楽コーディネーター フルーティスト 東京都 中村優香さん
- ■活動テーマ:
- 「息の筆で描く音楽」で人と人を繋ぎたい
- ■目次:
- ■活動開始時期:
- 2017年から現在
- ■場所:
- 豊洲シビックセンター、江東区豊洲地域のマンション他
- ■対象:
- 一般
- ■活動内容
1.銀座七吹人とは
銀座七吹人は、東京を拠点に演奏活動しているフルーティスト、指導者7名が結成したフルートアンサンブルです。コンサートフルートの他に、ピッコロ、アルトフルート、バスフルート、コントラバスフルート(テーマ写真で中央の男性が持っている楽器)を使用しております。オカリナもたまに使用します。音楽教室の発表会の際にこの7名で行った講師演奏が好評を博し、後にヤマハ銀座コンサートサロンでのコンサート開催(2017年9月2日)へとつながりました。このとき「七福神」にあやかってグループ名を「銀座七吹人」としました。
2.具体的な活動
「息の筆で音楽を描く」をモットーに豊洲シビックセンターホール等でコンサートを行っています。コンサートの企画は半年くらい前から始め、練習は月に1回、全3~4回です。その他、地域に根差した活動も行っています。その一部をご紹介いたします。
豊洲地域のマンションでのコンサート
(1)きっかけ
昨年2022年の4月初めに豊洲(*)にあるマンションのイベント担当者の方から演奏の依頼があり、2022年9月17日(土)にこのマンションのイベントで演奏させていただく運びとなりました。実はこのイベント担当者の方が七吹人のメンバーAさんの生徒のお母様だったのです。「今年はA先生が活動されている銀座七吹人に是非コンサートをお願いしたい」とお声がけいただいたのがきっかけとなりました。こちらのマンションでは住民の皆様の交流を図るため毎年盛大に様々なイベントが開催されているそうです。
*)豊洲:東京都江東区の湾岸エリアに位置する豊洲は再開発によって大型の商業施設、市場(築地から移転)やタワーマンションなどが建設され大きく生まれ変わっています。
(2)内容
メンバーのAさんが窓口となりマンション担当者と打合せをしていきました。コンサートはマンション内の多目的ホールで、マンションの住人の方のみを対象とした50席限定の申込制で行われました。例年このイベントにはマンションにお住まいの方だけでなく外部の方にもお越しいただいていたそうですが今回はコロナ禍の中であったためこのような限定的な対応となったそうです。うれしいことに申し込み多数で抽選となり満席での開催となりました。プログラムはマンション担当者と相談の上、お子様から大人の方まで誰もが聴いたことのある曲を選曲し、また楽器紹介やお客様が参加できる内容で構成しました。時間は出入りも含めて50分でした。
- W.Aモーツアルトセレナード第13番ト長調
- 「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」K.525
- 久石譲となりのトトロメドレー、四季の詩情メドレー他
またYouTubeでも生配信されたので、抽選に漏れた方や在宅の方にもご覧いただくことができたそうです。後日談としましては、再生回数が他のイベントに比べて圧倒的に多かったとのことです。
3.成果と課題
(1)成果
マンションでのコンサートに関しては、皆様がご存知の曲を多く演奏し、また楽器紹介コーナー、曲名当てクイズのようなお客様も一緒にご参加いただける取り組みをしたことによって、楽しくお聴きいただけたのではないかと思っております。コンサート終了後にお客様から「楽しかった」、「知っている曲ばかりで楽しくてあっという間だった」とお声をかけていただきました。マンションのイベントという非日常の楽しいひと時を共有できたことで、お客様も演奏者も皆がつながり一体感を感じることができたように思います。
地域での活動のみならず、通常のホールでのコンサートでも回数を重ねるごとに選曲の方向性が見えてきたように思います。お客様が興味を持ってくださるような曲、フルートの音色や響きを伝えられる曲、フルートアンサンブルならではの曲などをバランスよく取り入れることが大切だということが分かってきました。更にレパートリーも広がってきました。またメンバー同士の相互理解も深まり結束力が高まったことでそれぞれの役割が決まり運営も円滑に進むようになってきています。
(2)課題
コンサートを開催するに当たっての運営面の課題としては、やはり演奏会場の選定(収容人数や音響等の環境、利便性)と確保です。日時設定については一番お客様にご来場いただきやすい土日や休日の昼間がなかなか取れないことが悩みの種でもあります。他には採算性と集客等、課題はたくさんあります。
内容面の課題は何といっても選曲とプログラミングです。お客様がご存知で興味を持っていただける曲も取り入れたいと思っておりますが、私たちの編成に合った市販の楽譜があまりないということも問題です。しかし現在それに関してはメンバーが編曲をして対応しています。また、今後コンサートの趣旨に鑑みてお客様が参加できるような企画を取り入れることも検討したいと思います。
4.今後の抱負
多目的ホールのような共用施設をお持ちのマンションでは今回のようなイベントの企画をされているところもあり、「うちのマンションでも演奏してほしい」とのお声を頂いております。マンション以外でも地元の商店街のイベントなど、検討したいとおっしゃってくださる方もいらっしゃいます。今後は「息の筆で描いた音楽」で積極的にアウトリーチして、人と人をつなぎ地域の方々の交流の一助となるような演奏活動をしていきたいと考えております。また、皆様とつながりを持つことによりホールでのコンサートにもお越しいただけるようになればうれしいです。今年2023年12月12日(火)に豊洲シビックセンターホールでコンサート開催を予定しております。コロナ禍で長らく自粛しておりましたが、またコンサート活動を再開していきます。
(2023年9月28日公開)
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