活動事例

地域音楽 コーディネーター 活動事例

【事例紹介】様々なモノを繋ぎ、新しいカタチを作り、人々のココロを掴む

(2023年10月06日公開)

地域音楽コーディネーター 作編曲家プロデューサー 兵庫県西宮市 若山祐美さん

舞台“がまくんとかえるくんとキミのおはなし”より
舞台“がまくんとかえるくんとキミのおはなし”より
■活動テーマ:
様々なモノを繋ぎ、新しいカタチを作り、人々のココロを掴む
■目次:
■活動開始時期:
2018年~現在
■場所:
兵庫県を拠点として国内全域
■対象:
5歳〜70歳
■活動内容

1.きっかけと略歴

1995年1月、当時高校生だった私は阪神淡路大震災で被災しました。目の前で起こる壊滅的な被害の現実を見て辛(つら)さに感情が麻痺(まひ)してしまい、全く泣くことすらできなくなって絶望していました。ある日音楽を聴いて自然と涙があふれ、少しずつ感情を取り戻したという経験をしました。そのとき、改めて音楽の力に気付いたことがきっかけとなり音楽家を目指すようになり、現在活動する私の心のルーツとなっております。

最初はいろいろな音色が出るシンセサイザーに興味を持ち、音大時代にはこの楽器を専攻しておりました。在学中に「楽曲に彩りを与える」編曲に非常に興味が湧き編曲の勉強を始めました。卒業後、様々なジャンルのバンドでキーボードプレーヤーとして活動する傍ら、作編曲家のもとで勉強を続けておりました。あるとき偶然知り合った別の舞台音楽家の助手になり東京に拠点を移しました。東京では数年間TV番組、ドラマ劇伴、映画劇伴、オーケストラ、吹奏楽、オペラ、舞台等に同行し、企画立案から完成に至るまでのプロセスを直接肌で感じることで数え切れないほどの経験という名の財産を得ました。現在、作編曲家・プロデューサーとして私が活動できているのは、今までの全ての経験のおかげだと思っております。

2.具体的な活動内容

(1)プロデューサーとして(編曲、演奏も含む)

主にシンガーソングライターの岡田健太郎氏(*1)の作品作りに携わっております。彼は子供も大人も思わずクスリと笑ってしまう作品を作るのが得意です。ソロ公演でも大人気の岡田氏。いかに楽しく面白く魅せるか、そして自分たちが楽しめるか?もっとワクワクする仕掛けはなんだろう?と、アイディアを出し合っていきました。そしてブラッシュアップして出来上がった中でも特に好評だったのが以下2作品となります。

*1)岡田健太郎: https://www.okadakentaro.com/#profile

A.クラシックとロックの融合

【ケンタウルス岡田ミュージックショー“オレにロックを歌わせろ”】

  1. ビゼーのオペラ“カルメン”の中の「闘牛士の歌」等、誰もが聴いたことあるオペラの曲を本格的かつ気楽に楽しんでもらう
  2. クラシックの有名曲にロックテイストを絡めてアレンジし歌詞をつける
  3. オリジナル曲はメッセージ性もしっかり持ち、気付いたら笑ってしまうけれども少しホロリとなるような楽曲を散りばめた作品

バンドメンバーはテーマに合わせて様々な音楽ジャンルのプレイヤーを選出します。リハーサルでは各々のアイディアを出し合ってとても良い形で本番のサウンドが仕上がりました。

B.クラシックと演劇

“チョコレートはんぶんこmeets クラシック”
詞.曲:岡田 健太郎
編曲:若山 祐美

それぞれの楽曲には繋(つな)がったストーリーがあり、そのお芝居の部分を音楽と一緒に楽しんでもらいます。普段クラシックサウンドを聴く機会が少ない方にも興味を持ってもらえるように弦楽四重奏やユーフォニアム&ボイスパーカッションのプレイヤーとキーボードという珍しい編成で提供します。観(み)た後に心が暖かくなる作品です。

C.絵本と音楽

今までに何本か音楽を書いてほしいとお声がけいただき、生み出した作品達(たち)に再演の機会を頂いておりますが、その中でも一番印象的だった作品は2022年5月に開催された市立伊丹ミュージアムにて開催された[がまくんとかえるくん]誕生50周年記念「アーノルド・ローベル展」との連携企画です。

題材:“がまくんとかえるくんとキミのおはなし”
原作:アーノルド・ローベル
アメリカの絵本作家(1933年〜1987年)
翻訳:三木 卓
脚本・演出:ごまのはえ
音楽:若山祐美
制作:東リ いたみホール

小学校の国語の教科書に掲載されていた絵本「がまくんとかえるくんとキミのおはなし」の中の話の一つ「おてがみ」は大好きだったのでお話をいただいた時に非常に嬉しかったのを覚えています。俳優、音楽家、みんなで一緒に楽しめる舞台公演でした。原作の優しい世界観と、ごまのはえさんの楽しい世界観。それらを融合させて自分の中で音にしていき、できた音楽が生演奏で披露できたことは本当に幸せです。

“がまくんとかえるくんとキミのおはなし”2022年5月のチラシ

(2)プロデューサーとは

意外に思われるかもしれませんが、一言でいうと「みんなを纏(まと)める雑用係」です。重要な役割は

  1. 企画制作スタッフ、演者、表に立つ方も裏で支える方も、皆がそれぞれの仕事をしっかりと気持ちよくできるような環境づくり
  2. どのポジションの方ともフラットに会話しコミュニケーションを大切にする
  3. 調和がとれている現場にする
  4. 皆の力を借りながら筋を通した判断の基,指示する

現場ではいろいろな人と話すようにしています。良い作品作りには必ず皆の力を総結集しないと成し遂げられません。

3.成果

以前から、それぞれの分野(演者、演出、音楽制作、映像、音響、照明、舞台制作、企画制作、広報等)で活動されている方がお互い多々繫(つな)がれど、他の分野と繋(つな)がっていないことが多いのです。このことはとてももったい無いなと感じていましたので、「普通なら絶対知り合わなかったよね」といういろいろな人たちを繋(つな)げてアーティストをより輝かせ、面白い作品と現場を作ることができました。作り手も楽しむことでお客さんにも楽しんでもらえるような仕掛けを作る企画がいろいろできたことは幸せだと思っております。

4.課題と今後の抱負

舞台、音楽制作、演奏などいろいろな現場を渡り歩いてきましたが、その場その場に「個々の文化」があります。新しい試みをした場合、集まった人たちが今までの自分のやり方を優先させたい気持ちが強いです。しかしそれぞれの文化に尊敬の気持ちを持ち、頭を柔らかくして知恵を出し合って新しく面白いものを創造していくように、プロデューサーとして話合いのできる現場の環境作りをしていきたいと思います。

今までは国内での活動に力を入れておりましたが、今後は現在の活動も続けながら海外での活動も視野に入れて研鑽(けんさん)をしていきたいと思います。

(2023年10月06日公開)

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