活動事例

地域音楽 コーディネーター 活動事例

【事例紹介】学校公演と部活指導

(2023年10月10日公開)

地域音楽コーディネーター ドラマー 愛知県 藤岡直記さん

豊川高校吹奏楽部2023年3月21日第18回定期演奏会 豊川文化会館大ホール
豊川高校吹奏楽部2023年3月21日第18回定期演奏会 豊川文化会館大ホール
■活動テーマ:
学校公演と部活指導
■目次:
■活動開始時期:
1998年から現在
■場所:
愛知県名古屋市、豊川市、春日井市、岐阜市
■対象:
中学生、高校生
■活動内容

1.きっかけ

東海地区を中心に演奏家、ドラム楽譜の制作等をしている他、中学校・高等学校の部活指導者として活動しています。春日井市立中部中学校は私のドラムレッスンに通っていた生徒の一人、教員の方が赴任先でギター部の顧問となり依頼されました。豊川高校(私立)は、高校時代の後輩(教師)が赴任先の吹奏楽部の顧問に就任され依頼されました。

2.具体的な活動

A.春日井市立中部中学校ギター部

音楽を通じて「自分も人も楽しくさせる」をモットーに現在約65名の部員で活動しています。顧問は二人の国語担当の先生と音楽の先生です。他外部コーチとしてプロギタリストがサポートしてくれます。練習は時期にもよりますが平均で週に3~4日です。平日は2時間、土曜日は3時間までです(準備、片付け、下校も含むので実質練習時間は短くなります)顧問の先生方は学校業務がお忙しいこともあり、三人が常に揃(そろ)いながら活動できる日はとても少なく、日々代わる代わる部活の様子を見てくださっています。このような状態なのでそれぞれの顧問の先生とのリレーションを大切にしながら進めています。このことは外部講師として重要なポイントです。

私の役割は作品の解釈、全体のアンサンブルをまとめあげることです。要はオーケストラ・吹奏楽の指揮者的な役割です。アンサンブル時にドラム的役割の打楽器としてカホン(*)を加えることが多いので、その楽器の叩(たた)き方の指導とカホン用の楽譜作りもしています。

*)カホン:ペルー発祥の打楽器。箱型の上に跨(また)がって、または股(また)に挟んで演奏する。

最近は小編成、いわゆるバンド形式も取り組んでおりドラムも使用するのでドラムの叩(たた)き方・パート譜作り、全体へのリズムトレーニングや練習法も行っています。まだまだ発展途中の部活のため定期演奏会はありませんが、近隣中学校との合同発表会や学校の文化祭(ここ数年はコロナの影響でできていません)、地域の施設やお祭りなどで演奏しています。レパートリーとしては主に「あいみょん」や「back number」、「ゆず」などをはじめとするJ-Popsを演奏しています。

B.豊川高校吹奏楽部

音楽の楽しさ、アンサンブルを通じてのより良い人格形成を大切に、約50名で活動しています。顧問は音楽担当の先生と理科担当の先生の二人です。音楽担当の先生は、私の高校時代同じ吹奏楽部に所属していた1学年下の後輩です。リレーション的には高校からの付き合いということもあり、幸いにも意思疎通を図るのは楽です。練習はテストなど時期にもよりますが、平均週5~6日ほどです。平日は2~2時間半、週末は3~4時間、コンクールや定期演奏会の時期は1日練習になります。

この吹奏楽部は年度末の定期演奏会の他「吹奏楽コンクール」、「マーチングコンテスト」、「アンサンブルコンテスト」等で優秀な成績を収めています。また地域でのイベント、慰問演奏とボランティアも行い地域に密着した精力的な活動を行っています。レパートリーとしてはクラシックからポップス、ロック、ジャズ、そしてマーチングまでとても幅広いジャンルを演奏しています。

私の役割は打楽器の指導が主ですが、様々な形式の演奏機会があるので打楽器パートのアレンジ・パーカッションソロパートなどを作ります。また合奏に参加し全体へのアドバイスも行います。演奏曲がポップスやジャズなどの場合は私自身がプレーヤーとして演奏に加わることも少なくありません。合宿なども参加し部活動全体と関わっています。

3.学校部活動の地域移行について

国の働き方改革の基、教員の部活動の負担を軽減するという試み自体は賛成です。2023年~2025年度が改革推進期間だそうですが、負担軽減についての考え方につき教員側が望んでいる事と国側の方針にズレが有ると思います。この制度を進めるに当たり教員の方々へのリサーチや議論、検証というものをどこまで精査したのだろうかと思います。

部活の地域移行をするより、教員の方々の負担を減らすため、部活をなくそうではなく部活を行うためにはどのような方策を作るかが大切だと思っています。そのためには

  • ① 未経験の教員でも部活の顧問をやり易(やす)くするため技術面を指導できる外部コーチを増やす。
  • ② 教員数を増やす。(現在は教員になる人材が減少しているとの事ですが)
  • ③ 授業以外の事務的な業務を他の職員に任せる

等考えた方が良いと思っています。

中学校、高校それぞれ3年間という限られた時間の中で教員と生徒という関係性だからこそできるのが部活動だと思います。もちろん教員の方々が部活の顧問を望んでいる場合、という前提ですが。(教員が部活の顧問を自由に選択できる環境整備も大事です)。学校の部活の顧問を目指して教員になる方も少なくないと思います。今後地域移行により教員を目指す人も少なからず減ることも考えられます。

中学校の部活がなくなっていくことは、その先の高校の部活にも多大な影響が出てくる可能性もあります。中高6年間ということを前提に策を練ることが大事ではないでしょうか。国は「現場で考えてください」という丸投げ的な部分が多いように感じます。しかし今のところ国の方針に従わなければならないのが現実なので、生徒のために、自治体・教育委員会・学校・保護者、地域の音楽団体・音楽家等が連携してのような形が良いか案を生み出すことが重要です。

4.今後の抱負

プロのドラマーとして技術的、音楽的なレベルを更に磨くことです。地域音楽コーディネーターとしては現在指導している二つの部活(中部中学校はホールやライブハウスでの定期ライブの開催、豊川高校吹奏楽部ではコンクールの全国大会出場)の活動を継続する事、また子ども向けプチジャズバンドとして結成した「ラブル~☆」(ボーカル、サックス、キーボード、ウッドベース&ドラムで全国の幼稚園、保育園、小中学校へ出張演奏を行っている)で47都道府県全国制覇を目標にしています。ご依頼お待ちしております。詳しくは下記にお問い合わせください。

(2023年10月10日公開)

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