中学校の部活動は、これまで学校の先生方が中心になってその指導を担って来られました。昨今注目を集めている働き方改革の一環として、教員の残業の原因の一つとなっている部活動指導を地域と連携した形に変えて教員の負担を軽減しようという方向性が文部科学省から打ち出されました。まずは、令和7年度(2025年度)までに土、日、祝日での部活動に教員が関わらなくても良い環境の整備が求められています。音楽文化創造も文化庁の委託を受けて、昨年度全国7団体と連携して実証事業を行いましたので、その取り組みに関して順次レポートして参ります。第3回はふじみ野市地域文化クラブ運営委員会による取り組みレポートです。
活動は2023年9月から月2回、日曜日の午前中に行われ、指導は音楽家協会の若手音楽家2名とピアノ伴奏者1名によって行われました。若い指導者が参加者の生徒たちに親しみやすい環境を提供し、楽しく合唱に取り組むことができました。その結果、参加者の技術向上が見られました。また「ボーエーム」オペラ公演への参加が実現し、生徒たちの自信と積極性を高めました。
楽器演奏コースでは参加人数は少なかったものの、現役のプロ演奏者による充実した指導が行われました。活動内容は以下の通りです:
– 9月:フルート
– 10月:クラリネット
– 11月:トランペット
– 12月:サックス
– 1月:パーカッション
– 2月:フルート公開レッスン、トロンボーン
全7回で6種類の楽器の体験が行われ、吹奏楽部の生徒だけでなく、楽器初心者の生徒も参加しました。早期のPR活動を強化することで、今後さらに参加者が増えることが期待されています。
合唱コース
– 参加人数:10名
– 活動日:月2回(日曜日)
– 活動時間:午前11時〜12時
楽器演奏コース
– 参加人数:4名
– 活動日:土曜日
– 活動時間:午前10時〜12時
– 楽器演奏:ふじみ野市音楽家協会会員および協会外部のアーティスト
楽器指導者は、プロで活動している現役の若手演奏家に依頼できたため、学校では得られないスキルや意欲の向上につなげることができました。
今年度は、初回という事もあり文化施設での「地域文化クラブ」の開催としましたが、より多くの中学生の参加を得るとしたら、中学校の部活動への指導と並行して実施する必要があると思われます。文化施設で実施することは設備もあり、専門家から指導を受けられ、技術力のアップが確実にできるメリットは大きいです。しかしながら中学生の生活実態から、施設に来て参加しようとする時間の確保はなかなか難しいのです。この課題を解決するには学校に積極的に出向いていく必要があります。
中学生から社会人までの期間は、地域とのつながりが無くなるか薄くなり、地域にある充実した文化芸術資本に触れる機会が失われてしまいます。部活動の地域移行をきっかけに、地域にあるさまざまな文化資本に生徒が直接触れ体験していくことができたら、 生徒の人間形成にもよりよい影響を与えることができます。
そのような意味から、今年度(2023年度)の「地域文化クラ ブ」はその第一歩を踏み出すことができました。実施主体が文化芸術分野だけでなく、教育委員会、 文化施設指定管理者、行政、文化団体が連携し、支援・サポートしていく体制が構築できたことは、 今後の事業推進の大きな前進となりました。
●ふじみ野市文化協会ウェブサイト
https://fujimino-bunkakyokai.com/
【ふじみ野市地域文化クラブの取組レポート】
1)設立背景と目的
ふじみ野市地域文化クラブの運営主体である「ふじみ野市地域文化クラブ運営委委員会」は、ふじみ野市教育委員会(学校教育課)、ふじみ野市市長部局(文化スポーツ振興課)、文化施設指定管理者、文京学院大学、ふじみ野市音楽家協会、ふじみ野市文化協会が地域の文化活動を推進するために連携して設立したものです。地域に存在するさまざまな文化芸術資源を活用し、中学生の生活環境をより文化的で豊かなものとしていくための機会づくり、参加の仕組みを構築することを目的としています。2)活動概要・取組
合唱コースでは、中学生だけでなく小学校高学年からも募集を行い、中学生になった際に参加しやすい環境を整えました。この取り組みにより、中学生と小学生の交流が生まれ、中学生が小学生の面倒を見る姿も見られました。活動は2023年9月から月2回、日曜日の午前中に行われ、指導は音楽家協会の若手音楽家2名とピアノ伴奏者1名によって行われました。若い指導者が参加者の生徒たちに親しみやすい環境を提供し、楽しく合唱に取り組むことができました。その結果、参加者の技術向上が見られました。また「ボーエーム」オペラ公演への参加が実現し、生徒たちの自信と積極性を高めました。
楽器演奏コースでは参加人数は少なかったものの、現役のプロ演奏者による充実した指導が行われました。活動内容は以下の通りです:
– 9月:フルート
– 10月:クラリネット
– 11月:トランペット
– 12月:サックス
– 1月:パーカッション
– 2月:フルート公開レッスン、トロンボーン
全7回で6種類の楽器の体験が行われ、吹奏楽部の生徒だけでなく、楽器初心者の生徒も参加しました。早期のPR活動を強化することで、今後さらに参加者が増えることが期待されています。
活動場所と運営
活動は音楽専用施設(ふじみ野市公共施設:ステラ・イースト&ウェスト)で行われ、先行予約により場所を確保しました。合唱コース
– 参加人数:10名
– 活動日:月2回(日曜日)
– 活動時間:午前11時〜12時
楽器演奏コース
– 参加人数:4名
– 活動日:土曜日
– 活動時間:午前10時〜12時
指導者
– 合唱:ふじみ野市音楽家協会会員– 楽器演奏:ふじみ野市音楽家協会会員および協会外部のアーティスト
3)成果
教育委員会との連携
部活動地域移⾏については、教育委員会をはじめ、市内全中学校⻑先生への意識化を図ることができ、事業協力体制の構築につながりました。また、今後の部活動地域移行に関して、スポーツ分野、文化分野と合同で意見交換会を開催することができました。指導者研修会と情報交換会
ふじみ野市地域文化クラブの運営にあたり、毎月研修会や情報交換会を開催し、クラブ活動の反省と改善を図りました。これにより、指導者のスキル向上と参加者の増加が見られました。学校では得られない体験
楽器演奏コースでは、文京学院大学生もスタッフとして参加し、中学生だけでなくさまざまな年代がいることで、多様な空間を作り上げることができました。楽器指導者は、プロで活動している現役の若手演奏家に依頼できたため、学校では得られないスキルや意欲の向上につなげることができました。
4)課題と今後の方針
課題
参加者の増加や指導者の確保、中学生の生活実態に合わせた運営が課題です。また、学校部活動との連携や楽器の確保も課題として挙げられました。今年度は、初回という事もあり文化施設での「地域文化クラブ」の開催としましたが、より多くの中学生の参加を得るとしたら、中学校の部活動への指導と並行して実施する必要があると思われます。文化施設で実施することは設備もあり、専門家から指導を受けられ、技術力のアップが確実にできるメリットは大きいです。しかしながら中学生の生活実態から、施設に来て参加しようとする時間の確保はなかなか難しいのです。この課題を解決するには学校に積極的に出向いていく必要があります。
今後の方針
学校との連携を強化し、中学生が参加しやすい環境を整えることを目指します。また、楽器演奏の初心者コースや経験者コースの導入など、多様なニーズに対応した運営を検討します。5)活動の意義
「地域文化クラブ」は、学校とは違う場で、誰もが気軽に文化芸術に触れる機会を得ることができるので大きな意味があります。中学生から社会人までの期間は、地域とのつながりが無くなるか薄くなり、地域にある充実した文化芸術資本に触れる機会が失われてしまいます。部活動の地域移行をきっかけに、地域にあるさまざまな文化資本に生徒が直接触れ体験していくことができたら、 生徒の人間形成にもよりよい影響を与えることができます。
そのような意味から、今年度(2023年度)の「地域文化クラ ブ」はその第一歩を踏み出すことができました。実施主体が文化芸術分野だけでなく、教育委員会、 文化施設指定管理者、行政、文化団体が連携し、支援・サポートしていく体制が構築できたことは、 今後の事業推進の大きな前進となりました。
●ふじみ野市文化協会ウェブサイト
https://fujimino-bunkakyokai.com/