地域音楽 コーディネーター

活動事例 地域音楽 コーディネーター

【事例紹介】次世代にジャズの楽しさを体験して欲しい

(2024年06月11日公開)

地域音楽コーディネーター サクソフォニスト 岡山市 入江修さん

第1回コンテスト当日の様子
第1回コンテスト当日の様子
第1回コンテスト参加者の集合写真
第1回コンテスト参加者の集合写真
■活動テーマ:
次世代にジャズの楽しさを体験して欲しい
■目次:
■活動開始時期:
2015年~現在
■場所:
岡山市ルネスホール
■対象:
小学生~大学生、専門学校生
■活動内容

1.きっかけと目的

地元岡山でも少ないながらジャズを演奏している10代がいます。クラシック系はジュニアコンクールや演奏会など比較的発表の場がありますが、ジャズは機会が少ないです。そのような状況を変えたく、子どもたちの発表の場、腕試しの場として参加できる場を作ろうと思い立ち「ネクスステージジャズコンテスト」をスタートしました。フェスティバルのような形だとみんなで楽しいだけで終わってしまうので、1曲を研鑽(けんさん)してもらうためコンテスト形式にしました。

2.具体的な内容

(1)ネクスステージジャズコンテスト立ち上げ

色々な演奏や文化イベントを企画運営するNPO法人バンクオブアーツの理事会の懇親会で「こんな構想がある!」と語ったのが始まりです。企画は自分で作りましたが、予算面をどうするか考えているときに所属している奉仕団体「旭川ロータリークラブ」の25周年記念の催しとして、この企画が採択され出資してもらうことになりました。また元日本銀行岡山支店跡をリニューアルし、岡山市の文化・芸術の拠点として生まれ変わった「ルネスホール」へ企画書を提案したところ賛同を得、共催という形でホール代を免除してもらえました。

(2)参加者募集から出場者決定まで

実行委員会は私を含むロータリークラブの賛同有志で設立しました。二回目以降は実行委員会で各企業等に声掛けし協賛金を頂き活動資金にしています。参加者応募は公式サイト、またチラシを楽器店、学校やバンド、ホールの一般登録会員などに配布しました。参加者の楽器は自由でボーカルも有りです。エントリーされる方には演奏音源を送ってもらい審査します。できるだけ多くの方に出演してほしいですが、時間枠があるのでプロ奏者の数名でジャズらしさを優先して選考します。あえて岡山県、近県と募集エリアを制限しています。これは地元の若者の活躍の場にすることが主旨だからです。(是非出たいと希望された九州の学生が参加したこともあります)

(3)内容

  1. 全体構成はコンテストと演奏者に対する審査と講評、そしてプロミュージシャンたちのミニライブ
  2. 参加者(トランペット、トロンボーン、サックス、ドラムス、ベース、ギター等)はプロミュージシャンのピアノトリオをバックにソロ1曲演奏するというスタイル
    <過去出演していただいたゲストプロミュージシャン>敬称略
    サックス:MALTA、本田雅人、ユッコミラー、太田剣、鈴木央昭、小林充、高橋知道
    トランペット:松下啓之
    ヴォーカル:丸岡紀理江
  3. 毎回10~15名ぐらい程度が参加し、小学生から大学生と年齢層が幅広く中でも中高生が多いです。演奏曲目はトランペット奏者ディジー・ガレスビー曲「チュニジアの夜」、サックス奏者チャーリーパーカー曲「コンファメーション」など共に大人顔負けの本格的なスタンダードジャズの曲がほとんどです。

(4)出演者、聴衆の感想

○出演者

  • ・緊張もしたけどプロをバックに満席のホールで演奏したことは楽しかった
  • ・一曲にこれだけこだわって練習したことがなかったので、とても良い機会になった
  • ・賞がもらえてすごくうれしく励みになった。
  • ・結果だけではなく、全員プロにアドバイスをもらえることが貴重でもっとジャズがしたくなった。

○聴衆

  • ・審査員の講評を聞いて、プロはこういう部分をこんなふうに聴いているんだ!と感心し興味深い
  • ・私も楽器を演奏しているので講評が今後の勉強のためになる
  • ・審査の講評をすぐ聞ける機会が他にないので興味深い
  • ・子供が真剣に演奏する姿は掛け値なしに応援できる
  • ・保護者は子供がプロをバックにソロ演奏する姿は記念になる
  • ・子供の真剣な演奏とプロのライブ併せて楽しく聴かせていただき、毎年楽しみにしている。これで参加料と入場料もすべて無料はすばらしい
  • ・大正時代に建てられた歴史ある建物で学生がプロと一緒にジャズを演奏しているなんてうれしいじゃないですか

3.成果

9年間続けてきたので小中学生で参加した子供も大学生や社会人となり、多くは大人になっても趣味として楽器演奏を楽しんでいるようです。中には音大に進学したり、プロになった子供も少なからずいます。近年たまたま大阪のライブハウスのセッションに寄ったら第1回にでてくれた子に会って一緒に演奏したんです。社会人になっていますが演奏を楽しんでもらえているようでうれしかったですね。ジャズは世代を超えて一緒に演奏を楽しめる音楽です。一人のスターを生み出す会ではなく、大人になってもジャズという音楽を通して演奏したり仲間を作ったりする人生、これこそが私が期待していた成果が出ているようです。

4.課題

現在、若い人の参加者が少ないときもあるので、安定した人数を確保することが難しい年もあります。裾野を広げるにはジャズの経験がない学生に、このコンテストにチャレンジしてほしいと願っています。そのためには学校の先生や音楽の先生に体験して理解を得てもらい、学校側から「出てみたら?」という動きを出すのに力を注がなければなりません。

5.抱負

地元岡山が「若者がジャズを楽しむ街」と呼ばれるようになることが夢です。
今やポピュラーやジャズの世界では若い人が活躍しています。しかし大人の中にはジャズは子供によろしくない!的な考え方を持っている方も少なくありません。音楽ジャンルによる偏見を払拭していくには、生演奏を多くの方に聴いていただき、その魅力を知っていただきたいですね。

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