中学校の部活動は、これまで学校の先生方が中心になってその指導を担って来られました。昨今注目を集めている働き方改革の一環として、教員の残業の原因の一つとなっている部活動指導を地域と連携した形に変えて教員の負担を軽減しようという方向性が文部科学省から打ち出されました。
まずは、令和7年度(2025年度)までに土、日、祝日での部活動に教員が関わらなくても良い環境の整備が求められています。音楽文化創造も文化庁の委託を受けて、昨年度全国7団体と連携して実証事業を行いましたので、その取り組みに関して順次レポートして参ります。第5回は静岡県掛川市のNPO法人掛川文化クラブの取組レポートです。
活動場所: 掛川市生涯学習センター、掛川市立城東中学校、大日本報徳社
活動日・活動時間: 吹奏楽:水/土曜日各2時間、弦楽:水曜日1.5時間、合唱:土曜日1.5時間
参加生徒: 吹奏楽:44名、弦楽:17名、合唱:10名
指導者: 吹奏楽:元教員 2名、地元吹奏楽団員 13名、大学生
弦楽:浜松市民オーケストラ団員 2名、大学生
合唱:元教員 2名、現役教員 1名
文化関係は、掛川市文化財団がその管理を担い、各文化団体と 市教育委員会、各学校との連携を図っています。中学校学校長、中学校教師においては、基本的には部活動が地域に移行されることについては受け入れており、混乱はありませんが、移行が近くになるにつれ保護者からの意見や要望は当然今以上に出てくるものと思われます。
掛川文化クラブは小学生、中学生、高校生を対象に、地域の文化・芸術活動を推進するために設立されました。吹奏楽指導者講習会や指導者連絡協議会を立ち上げて、市教育委員会との連携を図り、部活動地域移行のさまざまな課題の解決に向けて話し合いを重ねています。
1. 指導者育成プログラムの計画と実施:吹奏楽、合唱、弦楽の指導者育成プログラムを計画し実施します
2. 指導者連絡協議会の組織づくり
3. 「掛川ジュニア吹奏楽団」の設立:掛川市教育委員会や掛川市文化財団と連携し、掛川ジュニア吹奏楽団の設立に向けた計画を進めます
4. 合唱クラブの創設:中学校に合唱部がない現状を改善し、合唱クラブの創設を目指します
●掛川文化クラブ
https://kakegawa-bunkaclub.net/
まずは、令和7年度(2025年度)までに土、日、祝日での部活動に教員が関わらなくても良い環境の整備が求められています。音楽文化創造も文化庁の委託を受けて、昨年度全国7団体と連携して実証事業を行いましたので、その取り組みに関して順次レポートして参ります。第5回は静岡県掛川市のNPO法人掛川文化クラブの取組レポートです。
【掛川文化クラブ(静岡県掛川市)の取組レポート】
1)基本情報
運営主体: NPO法人掛川文化クラブ活動場所: 掛川市生涯学習センター、掛川市立城東中学校、大日本報徳社
活動日・活動時間: 吹奏楽:水/土曜日各2時間、弦楽:水曜日1.5時間、合唱:土曜日1.5時間
参加生徒: 吹奏楽:44名、弦楽:17名、合唱:10名
指導者: 吹奏楽:元教員 2名、地元吹奏楽団員 13名、大学生
弦楽:浜松市民オーケストラ団員 2名、大学生
合唱:元教員 2名、現役教員 1名
2)取組内容と成果
静岡県掛川市では令和8年度(2026年度)夏部活動廃止を打ち出しています。令和5年度(2023年度)より「かけがわ地域クラブ設立連絡協議会」を設置し、文化・スポーツ活動 体制づくりや環境整備について検討・協議を進めてきています。その協議会は、野球、サッカー等11競技のスポーツ団体と文化の2NPO法人から組織され、「新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」を検討してきました。文化関係は、掛川市文化財団がその管理を担い、各文化団体と 市教育委員会、各学校との連携を図っています。中学校学校長、中学校教師においては、基本的には部活動が地域に移行されることについては受け入れており、混乱はありませんが、移行が近くになるにつれ保護者からの意見や要望は当然今以上に出てくるものと思われます。
掛川文化クラブは小学生、中学生、高校生を対象に、地域の文化・芸術活動を推進するために設立されました。吹奏楽指導者講習会や指導者連絡協議会を立ち上げて、市教育委員会との連携を図り、部活動地域移行のさまざまな課題の解決に向けて話し合いを重ねています。
3)課題
指導者の確保
指導者には元教員や地元吹奏楽団のメンバー、静岡大学管弦楽団の学生が参加しています。年齢が近い学生から指導を受けられることは子どもたちにとって有益な体験となっています。指導者連絡協議会も立ち上げられ、各学校の顧問や元教員との意見交換ができました。 また、吹奏楽、弦楽、合唱の講習会を開催し、指導者の能力や資質の向上も図られています。活動場所の確保
市の文化施設を利用し、休日には中学校の別棟を利用できるようになっています。また公益社団法人大日本報徳社の施設も無償で利用させていただいています。ただし、市の文化施設については一般予約と同様のため、使用できない場合もあり、また使用料も発生します。楽器の確保
楽器は個人所有のものや地元吹奏楽団のものや各学校の備品を借用して使用しています。財源の確保
運営資金の調達は最も困難な課題でした。掛川文化クラブは賛助会員の獲得や助成金の交付を受けて活動しています。賛助会員を募集するためにチラシやパンフレットを作成し、掛川市内の主な施設に置きましたが、現在は2社にとどまっています。自治体からの援助は得られていませんが、受益者負担(文化クラブ員の負担)については金額の設定が難しく、受益者負担だけで運営をまかなうことは難しい状況が続いています。4) 今後の方針
部活動の地域移行は、人が意思を持って動かないことには現実的に前進してはいきません。また、こうした受皿を支えるのは、スポーツを含め仕事をリタイヤした退職者が中心となって運営しているのが現実であり、永続的にこの活動を支えていくための組織づくりは急務です。当面の課題である、指導者・活動場所・楽器・財源の確保は急務ですが、長期的な視点での議論や検討こそが衰退を防ぐための必須項目であると考えます。吹奏楽・弦楽・合唱の三分野は、学校の芸術教育とも密接に繋がっており、この分野の永続的な発展に寄与していくことこそが、掛川文化クラブの責務であると考え、今後の方針の柱を次のように決定しました。1. 指導者育成プログラムの計画と実施:吹奏楽、合唱、弦楽の指導者育成プログラムを計画し実施します
2. 指導者連絡協議会の組織づくり
3. 「掛川ジュニア吹奏楽団」の設立:掛川市教育委員会や掛川市文化財団と連携し、掛川ジュニア吹奏楽団の設立に向けた計画を進めます
4. 合唱クラブの創設:中学校に合唱部がない現状を改善し、合唱クラブの創設を目指します
●掛川文化クラブ
https://kakegawa-bunkaclub.net/