地域音楽コーディネーター 吹奏楽指導・CIEL東京室内楽団代表クラリネット奏者 東京都 水野美香さん
- ■活動テーマ:
- 「こころに寄り添う音楽を」
- ■目次:
- ■活動開始時期:
- 1995年から現在
- ■場所:
- 全国各地の中学校・高校・大学・一般吹奏楽団体、コンサートホール、高齢介護施設・医療障がい福祉施設
- ■対象:
- 全世代
- ■活動内容
1.きっかけ
音楽大学でクラリネットを専攻。在学時より現在まで約30年間、各学校の顧問の先生や講師仲間より依頼を受け、全国各地の小学校・中学校・高校・大学・一般団体へ吹奏楽指導を行っています。同時にプロのオーケストラ・吹奏楽・室内楽奏者としての演奏活動、代表としてCIEL東京室内楽団を運営しています。
1.具体的な内容
A.吹奏楽部(部活動指導)
(1)外部指導員・部活動指導員としての関わり
外部指導員及び部活動指導員として、吹奏楽部の活動サポート及び全体指導を行っています。外部指導員は各教育委員会・各校の教育方針を踏まえ、顧問教員との「報告・連絡・相談」を十分に行い連携することが重要です。例年関東地方を中心に多数団体へ指導に携わっているため、各校へバランスよく伺えるよう相談し調整しています。練習については各校規定にて、週3~5日、平日2時間、土日祝3時間内での活動と定められています。
(2)指導内容
学校の年間行事(入学式典、新入生歓迎会、運動会、学習発表会、連合音楽会、卒業生を送る会、卒業式典、定期演奏会、吹奏楽講習会、全日本吹奏楽コンクール、全日本アンサンブルコンテスト、ソロコンテスト、地域行事参加、施設慰問演奏、部内イベント)等を基に指導します。これらを達成するための目標と練習内容は顧問教員と指導員で相談連携の上、指導計画を立てます。
- 全体での基礎合奏、個人練習、パート練習、セクション練習、曲合奏など日々の練習内容。
- 初心者における楽器の扱い方・呼吸法・姿勢・アンブシュア・運指・発音タンギングなどの基礎奏法、フレージングやハーモニーバランスなどの応用的合奏指導、各行事の選曲や演出案等。事前にスコアリーディング・アナリーゼを行い、生徒が抱えるつまずき箇所を少しでも克服できるよう計画を持って指導する。
- 多くの学校で「チーム・ティーチング」を採用。木管セクション指導を私が担当し、金管打楽器セクション指導を伊勢久視(ホルン奏者)氏が担当することで、少人数制による専門的で細かな指導が行き届き、非常に効率よく質の高い教育的効果をあげている。全体基礎や曲合奏の際には、私が指揮を振り、伊勢氏が全体を巡回しながら生徒たちへのアドバイスを行う。
- 希望のある学校や地域へは「パート別吹奏楽講習会」を企画運営する。指導経験豊富な全楽器講師と顧問が連携をとり、課題や目標を共有する。
B.CIEL東京室内楽団(企画運営・演奏)
(1)CIEL東京室内楽団とは
国内外で活躍する管・弦楽器奏者により2014年に結成した、プロフェッショナル室内楽団です。
(2)活動内容
A.定期コンサート
年2回、管楽器・弦楽器・ピアノ・ハープによる様々な編成で、珠玉の室内楽作品をお届けしています。国際交流にも力を入れ、Violaヴィルフリート・シュトレーレ(元ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団首席)、Violin ヴァーツラフ・ドヴォルザーク、Fluteペトロ・ポムクラ(チェコ国立ブルノフィルハーモニー管弦楽団首席)、Clarinetイルヴィン・ヴェニシュ(プラハ藝術アカデミー教授)、Clarinetルーカス・ダンヘル(チェコ国立ブルノフィルハーモニー管弦楽団首席)、Violinアレクサンドラ・ティルス(ARDミュンヘン国際音楽コンクール3位)ほか多数の海外アーティストと共に公演を行っています。
B.アウトリーチ
子供たちの豊かな心を育てる音楽情操教育、心身障がい医療施設センターや高齢介護福祉施設へのイベントコンサート、保育園・小学校・中学校・高校への出張コンサート、0歳から楽しめるわくわく親子コンサート、名曲レクチャーコンサートなど、幅広い世代で楽しめる様々な企画で全国へ公演を行っています。プログラムは対象者に合わせ、クラシック、ポップス、映画音楽、アニメ、童謡、ディズニー、ジブリ、昭和歌謡、演歌、ラテン、ジャズほか、多彩なジャンルから選曲し演奏します。
▼小・中学校音楽鑑賞教室
▼0歳から楽しめる親子コンサート
▼名曲レクチャーコンサート
3.今後の課題と抱負
部活動地域移行に向け、取り組みが行われている移行期間中ですが、各都道府県、地域それぞれに課題を抱えながら進んでいると思います。
私が考える大きな課題としては、以下の4つが挙げられます。
1.<雇用システムの統制>
民間業者委託・教育委員会ほか、雇用窓口が様々で地域差がありわかりにくいシステムの改善。
2.<予算確保>
地域のボランティア活動としてではなく、教育指導に従事する職業として労働賃金の保障を確保する。
現時点で、無償・有償制度が、それぞれの地域で非常に大きく異なる点を改善。
3.<採用基準>
指導者としての適性を計るにあたり、教育委員会や各学校の管理職による面談試験を行うケースもあるが、教員免許の他、部活動指導者検定試験、吹奏楽指導者認定講習などを独自に実施している所もある。民間委託企業の採用も含め、それぞれの基準で採用が広がれば、教育上の地域格差や安全責任等の問題が広がる可能性も懸念される。一定基準を示す共通の免許認定や、指導者の講習制度が必要であると考える。
4.<安全管理>
未成年の学生が、安心安全に活動できるための管理運営システムを十分に行う。
また、吹奏楽部においては管打楽器・リード等の備品・楽譜の管理、音出しが可能な公共施設又は協力校の確保も必要である。
今後の抱負として、「子供たちが文化芸術・スポーツ活動に多く触れ、自由に学ぶことのできる機会」を失うことがないよう、明るい未来に向けて、誠心誠意を持ってサポートしていきたいと思います。また音楽家としては、人々のこころに寄り添う音楽を「あらゆる世代・様々な環境の人々」に、より一層身近に触れる機会をお届けできるよう、グローバルな視野を持って活動を充実させていきたいと願っています。
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