地域音楽コーディネーター KANIKAPILA Music Club代表 福岡県 大渕勝敏さん

- ■活動テーマ:
- Kani Ka Pila!! 一緒に音楽を楽しもう!世代を超えた音楽交流によるまちづくり
- ■目次:
- ■活動開始時期:
- 2011年8月~現在
- ■場所:
- 久留米シティプラザ六角堂広場西鉄久留米駅東口広場他
- ■対象:
- 一般
- ■活動内容
1.きっかけと目的
学生の頃からハワイが大好きで何度も旅行する中、レストランや公園でKani Ka Pila(カニカピラ:「一緒に音楽を楽しもう」という意のハワイ語)という即興スタイルのハワイアン音楽に触れる機会があり、久留米でもこのようなセッションが街中で気軽にできると良いなと考えていました。ちょうどその頃、バンド仲間たちと一緒に子どもたちにギターやドラムなど楽器演奏を体験させ、発表の場をつくる音楽ボランティアサークルを作ろうと思い、2011年8月「KANIKAPILA Music Club」を結成し、公共施設の音楽スタジオを拠点に活動を始めました。目的は世代を超えた音楽交流と子どもたちの夢の応援です。
最初は地域の祭りへの参加や、音楽コンテストへの出演など子供たちをサポートする活動が主でした。その後、行政・NPO・商店街など様々な方々と関わる機会が増え、私たちの活動そのものが地域の活性化と魅力の発信につながるのでは?と考えるようになり、2016年には「くるめジュニア音楽祭」、2017年からは「くるめ日曜市路上音楽祭」を立ち上げ現在に至ります。





KANIKAPILA Music Clubのメンバー7人で結成したガールズバンド「KANIKAPILA」2013年12月に行われた「SCANDALコピーバンドコンテス」にてグランプリを獲得。2015年2月、藤井フミヤさん、尚之さんらが手がけた「イッちゃえ!I LOVE YOU!」でメジャーデビューを果たしました。
2.具体的な内容
A.くるめジュニア音楽祭
(1)立ち上げと運営
2016年に新しく久留米シティプラザが開館する際に久留米市よりオープニングイベントの企画公募があり、実行委員会を立ち上げ応募したところ採択され開催に至りました。運営には学生ボランティアの他、地元の企業や商店街組合に協力いただきました。また、運営資金は久留米市市民活動・絆(きずな)づくり推進事業補助金を活用し、またクラウファンディングでも支援を募りました。クラウドファンディングは初めてのチャレンジでしたが、私たちの「世代を超えた音楽交流を実現させたい」という主旨に全国から約100名の方々より支援を頂くことができました。今でも当時支援いただいた方々とはSNSでつながり私たちの活動を見守っていただいます。音楽を媒介した特有の強いつながりを感じています。
(2)参加者
参加対象者は23歳以下のアマチュアミュジシャンです。毎年、全国各地から50組程度エントリーがあります。コンテストは動画による一次審査を通過した10組ほどが久留米市で開催する本選ステージでライブパフォーマンスを競います。バンドや弾き語りなど形態は問わず披露する楽曲もカバー、オリジナル問いません。


(3)内容
会場は久留米シティプラザ六角堂広場です。交流を目的とした音楽祭なので野外で観覧無料のイベントとしています。審査員は第1回より審査員長を務めていただいている大平太一さん(音楽プロデューサー・キティパブリッシング代表取締役)の他、ミュージシャン、YouTuberの方々に務めていただいています。



▼くるめジュニア音楽祭2016(第1回)YouTube
(4)成果
コロナの影響で開催中止とした年もありましたが、これまで6回開催してきたこと、グランプリ受賞者がプロデビューしたなどの実績から、少しずつ音楽祭の認知度が上がってきていると実感しています。近年では九州だけでなく関西や関東からのエントリーが増えてきています。また、まちづくりに取り組む地元のNPOや市民団体からお声かけいただく機会も増え、一緒に地元を盛り上げようという仲間が増えてきました。
このような私たちの取り組みに対し、令和3年度には福岡県服部知事より共助社会づくり団体として表彰いただきました。「音楽」を媒介した様々なベクトルが協働の力でいい感じになってきたぞ!と実感した瞬間でした。


B.路上音楽祭
(1)立ち上げ
2023年度より取り組んでいる「くるめ路上音楽祭」は、久留米市市民活動絆(きずな)づくり推進事業の一つとして、私たち「KANIKAPILA Music Club」と一般社団法人「We Love久留米協議会」の共催よる市中心部の賑わいづくりを目的としたイベントです。4月~12月の間毎月1回、西鉄久留米駅東口広場で開催しています。毎回12組程度のアマチュアミュージシャンが参加し、広場にはキッチンカーや雑貨、農作物販などの出店もあり、マルシェのような空間で音楽と飲食を一日中楽しめるイベントとして根付くことを目標として取り組んでいます。


(2)参加者
西鉄久留米駅を利用する通りすがりの観客を含めると、毎回数百人の方に楽しんでいただいていると思います。また、出演者はSNSで公募していますが九州各県の他中国・関西地方からの参加もあります。


(3)内容
▼路上音楽祭Vol.05 2024.5.26
▼路上音楽祭Vol.07 2024.7.28
▼路上音楽祭Vol.08 2024.8.25
3.成果と課題
「路上」での音楽イベントを開催する意義は、世代を超えた交流が自然発生的に実現できることだと思います。観客と演者の距離が近い、おいしい食べ物を楽しみながら生の音楽に触れることができるので、広場に集まる誰もが自然と笑顔になり、また久留米に来たいと思っていただけるのではないかと思います。
毎回、観覧者、出演者にアンケートをとっていますが、ほとんどの方がSNSやインターネットでイベントを知り来場いただいています。更に自身のSNSからイベントの様子や感想を発信していただき、新たに関心を持っていただいた方が来場するという現象を繰り返していて、今後更に盛り上がっていくことを期待しています。
4.抱負
私自身、音楽が大好きな家族で育ってきました。振り返ると、演奏技術を高める努力よりもお客さんに喜んでもらえることばかり考えていた気がします。まさにそれが仲間たちと設立した「KANIKAPILA Music Club」の原点であり現在まで続けることができた原動力かもしれません。これからも「くるめジュニア音楽祭」、「くるめ路上音楽祭」を通じて仲間たちと「音楽のまち久留米市」の魅力を発信し続けていきたいと思います。読者の皆様も是非「音楽のまち久留米市」に遊びにいらしてください。
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