地域音楽コーディネーター ドラマー 徳島県李健作さん
- ■活動テーマ:
- あこがれの楽曲が迫力のバンドサウンドで歌える『アニソン & ボカロ NIGHT 3』
- ■目次:
- ■活動開始時期:
- 2024年秋~現在
- ■場所:
- Music Bar Rikcy(徳島市 籠屋町)
- ■対象:
- アニソン・ボカロ (*1)ファン
*1)ボカロ:「ボーカロイド」の略称で、ヤマハ株式会社が2003年に開発した歌声合成ソフトのことです。PCにメロディーと歌詞を入力して歌声を合成し、伴奏データを読み込んで音楽を完成させます。「初音ミク」はヤマハのボーカロイドエンジンを基に、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社が開発した歌声合成ソフト及びキャラクターの名称です。 - ■活動内容
1.きっかけ
『アニソン & ボカロ NIGHT 3(以下、アニソンナイト)』の開催及び参加のきっかけは、とあるシンガーのライブサポートの現場で知り合った地元の若手ミュージシャンである元木 昭公さんとの出会いです。彼はトロンボーン及びベースプレイヤーとして長年、地元徳島で音楽活動を続けており、自ら企画を立ててイベントを開催しています。そのイベントのひとつが『アニソンナイト』でした。
アニソンナイトについて初めて話を聞いた際は「事情があって今年は開催できるかわからない」とのことでしたが、私は企画の内容に強い興味を持ちました。私自身もアニメやボカロは好きですし、それらの楽曲は演奏難易度の高いものが多く、やりがいがあるためです。
そこで「今年も開催するならドラムでサポートしましょうか」と提案したところ、彼が第三回目となるアニソンナイトの開催に踏み切ってくれました。私はドラム演奏とチラシのデザイン作成を行いましたが、メンバー調整、演奏する曲の確定、ライブハウスの手配といった企画の一番大事なところはすべて元木さんが行いました。
徳島県は他の地方都市と同じく、少子高齢化と人口減少の問題をかかえていますが、実はアニメやボカロといったサブカルとは縁がある地域です。例えばアニメ版「鬼滅の刃」を手掛けたアニメ制作会社「UFOテーブル」の拠点があったり、西日本最大級の総合エンタメ(アニメ、マンガ、ゲームなど)イベント「マチ★アソビ」の開催地だったりします。このような特徴からか、徳島市内にはアニメやボカロ、漫画をコンセプトにした飲食店が数多くあるのです。今回イベントの開催に当たっては、そうしたお店のオーナー様やスタッフ様の出演協力も賜りました。改めて、この場を借りてお礼を申し上げます。
2.具体的な内容
(1)目的・コンセプト
「アニソン好き、ボカロ好きで集まって歌って盛り上がろう」というのが目的です。本目的を達成するため、「あこがれの楽曲が迫力のバンドサウンドで歌える」ということをコンセプトにしました。バックバンドは十分な実力を持ったミュージシャンで固め、参加者はお客様という形でステージに立ちます。オープンマイク(当日飛び入りでステージに立つこと)ではなく、参加者には事前に歌う曲を決めてもらいます。
(2)スケジュール・場所
開催日:2024年 10月 19日
場所:Music Bar Rikcy(徳島市 籠屋町)
開催スケジュールについて検討を始めたのは、2024年6月頃だったと記憶しています。その時点で「秋ごろ、できれば10月中を狙おう」という会話をしました。なぜなら、秋ごろは例年であれば徳島市が「マチ★アソビ」の開催で盛り上がる時期であり(2024年は中止されました)、10月はハロウィンシーズンというのもあってコスプレを歓迎するムードが強くなるためです。場所については主催者の元木さんが親交関係を持っていたライブハウスが選ばれました。
(3)バンドメンバー
バックバンドのメンバーはギターが4人(途中交代あり)、キーボードが2人(途中交代あり)、ドラム・ベース1人ずつの計8人となりました。なおドラムは私、ベースが主催者、それ以外のパートは全員主催者の友達ミュージシャンで編成しました。
(4)参加者(シンガー)
全体的には20~40代くらいの参加者が多く、男女比はわずかに女性寄りという結果になりました。特に年齢制限のあるイベントではありませんが、アニメやボカロについて馴染(なじ)みが浅い年代の参加者は必然的に少なくなりました。職業については大学生から会社員、経営者と様々な方が参加されました。
(5)宣伝
シンガーの参加者は主に主催者の友人知人から募られ、リスナーに向けた宣伝は参加者やバンドメンバーの口コミ、各種SNS運用、徳島市内の実店舗へのチラシ掲載などを行いました。
なお、チラシのデザイン制作に利用したのは「CANVA」というデザインツールです。A4サイズで印刷することを想定してデザインを行いましたが、元のデザインを圧縮することでSNSにも使えるような正方形画像を別途作成し、オフライン・オンラインともに効果的な宣伝効果を得られるよう準備を進めました。
(6)曲目
一口にアニソンやボカロといっても、音楽ジャンルは様々です。「名探偵コナン」「ワンピース」「鬼滅の刃」「スラムダンク」「エヴァンゲリオン」「ジブリ作品」ほか様々なアニメ作品から楽曲が選ばれ、曲調も激しいロックから電子音楽、柔らかなバラードまで幅がありました。最終的にはアンコール含む25曲、計3時間ほど(休憩やMCふくむ)を無事に終えることができました。
なお、ほぼすべての楽曲は開催の二か月ほど前にアレンジの詳細を決定していたため、個人練習の時間は十分に取れていました。アレンジは基本的に原曲準拠だったため、音採りや譜面作成は各メンバーの裁量に任されました。
3.成果と課題
(1)成果
非常に盛り上がったイベントになったと感じています。このような規模の音楽イベントでここまで盛り上がれたのは、誇張抜きでアニソンナイトが一番なのではないかと思いました。ライブハウスのホールは50人ほぼ満員で、ドリンク販売も好調そうでした。
(2)課題
○バックバンドメンバーの調達
もっとも苦労したのはバックバンドのメンバー調達だったと思います。ただでさえ難曲ばかりな上に全体を通して20曲を超えるプログラムとなったため、「はい、ぜんぶ演奏できます!」と二つ返事してくれるようなミュージシャンが集まらなかったのです。
私個人の理想としてはギターとキーボードも含め、全曲通して対応できるメンバーを集めることです。バンドメンバーの人数を抑えればスケジュール調整の手間が減りますし、同じメンバーと繰り返し音を合わせることでバンドの一体感がより強化され、クオリティの高いバンド演奏をシンガー・リスナーに提供できます。これを実現するためには、より早い段階での企画立ち上げとメンバーの打診が求められると実感しました。
○スケジュール調整
スケジュール調整には大変な苦労がありました。なぜなら、バックバンドのメンバーだけでも8人、参加者は15人もいた中、主催者の元木さん一人でリハーサルの日程調整や当日のタイムテーブル調整を行っていたためです。次回開催では、いかにスケジュール調整の負担を軽減できるかが課題になると考えています。
4.抱負
参加者が楽しめるイベントとしては、恐らく今回のような規模(20~30曲ほど)が適切です。そのため次回開催される場合も、今回と同様の規模感を想定しています。また、今回の反省をふまえ、よりスムーズなスケジュール展開と企画のハンドリングをしていきたいところです。
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