地域音楽コーディネーター 劇団ZING♪ZING/ZING STUDIO代表 ボイストレーナー 山口県 福田えい子さん
- ■活動テーマ:
- 舞台で輝け子どもたち!
- ■目次:
- ■活動開始時期:
- 2007年~現在
- ■場所:
- 下関市民会館大ホール下関市生涯学習プラザDREAMSHIP(海のホール)熊本、広島、海外(韓国釜山、蔚山)
- ■対象:
- 2歳~高校生3年生
- ■活動内容
1.きっかけ
ミュージカル女優になるのが夢だった私は、音大で声楽を専攻し卒業後、様々な挑戦をしましたが最終的に子どもが好きで今まで学んだことを生かせることはないかと考え、下関市にある大手楽器メーカーの音楽教室のミュージカル・ヴォーカル、ゴスペル講師となりました。
ミュージカルコースは17年間指導してきましたが、大手楽器メーカーの方針でコースが終了することになり、100名近くいた生徒達と継続してミュージカルの楽しさを伝えていきたい!更に活動の場を広げたい!という思いが芽生え、保護者の後押しもあり2007年に【劇団Zing♪Zing】を旗挙げしました。【ZINGSTUDIO】はお借りしていた会場がコロナ禍に使用できなくなり、練習場所がなくなりましたので、皆がいつでも集い学べる場所が欲しいと覚悟を決めオープンしました。
2.具体的な内容
現在下関市を拠点にボイストレーナーや指導者として活動をしておりますが、私が代表のミュージカル劇団と下関きずな音楽祭の二つをご紹介致します。
A.劇団ZING♪ZING
(1)劇団ZING♪ZINGとは
現在メンバーは2歳から高校3年生までの65名が在籍しています。2008年8月 旗揚げ公演「タウノイアの迷宮」「チャイナタウン物語」から始まり2023年12月 第16回公演「しあわせの方舟」「おともだちになってね!」まで開催して17年が経ち、演目は12となりました。今年2024年12月15日下関市民会館で第17回定期公演を迎えます。
(2)劇団の推進に当たって
<卒団生から後輩へ>
企画、歌唱・演技指導、振り付けの全てを私1人で行います。幼いころから頑張ってきた子たちが高校生になると後輩の指導やチームのまとめ役になります。卒団生から後輩へ受け継がれる縦割りの良さを実感しています。演目はオリジナル作品の場合、私が脚本、作詞作曲をすることもありますが、テーマを決め打ち合わせを重ねながら脚本や作曲をお願いしています。当日の舞台監督は劇団立ち上げ前からお願いしているプロの方に大道具制作も兼ねてお願いしています。
<保護者のサポート>
劇団Zing♪Zingの衣装や小道具、演目によっては大道具も保護者の手作りです。子どもたちが練習する姿を見守りながら保護者が制作してくれます。公演スタッフも全て保護者!当日の受付、舞台転換、音響補佐、ピンマイクの付け替え等、それぞれの部に分かれて打合せを重ねながら、プロ級の最強保護者チームが出来上がります。Zingは保護者の支えとその家族の協力で成り立っていると言っても過言ではありません。
卒団生の保護者が、大変だったけど子どもたちと一緒に過ごしたZING♪ZINGの時代が1番楽しかった!と皆さんおっしゃってくれます。保護者は子どもたちが輝く姿を楽しみに!子どもたちは保護者が自分たちのために頑張ってくれること、ミュージカルを続けさせてくれることへの感謝の気持ちを、公演成功へと頑張るのです。
(3)公演履歴
下関を拠点とする定期公演の他、地方公演と海外公演をご紹介いたします。2015年度に地域での長年の功績が認められ下関市芸術文化振興奨励賞を受賞いたしました。
○定期公演
下記をご覧いただくと詳細がおわかりいただけます。
○地方公演
2017年1月 熊本で、2018年9月 広島で公演を行いました。
○韓国イベント
2015年より【下関市から文化交流使節団として】今年まで韓国釜山と蔚山で公演を行っています。姉妹都市でもある釜山で開催される「朝鮮通信使祭り」に下関市から依頼を受け、文化交流使節団として参加しています。その後、蔚山での「クジラ祭り」のゲストの依頼を頂きました。昨年から出演させていただいている釜山の映画の殿堂で開催される「GLOBALGATHERING」は世界中のエンタメが集結する素晴らしい祭典です。
B.下関きずな音楽祭
「下関きずな音楽祭」はエネルギア文化・スポーツ財団の助成事業で市民参加型の音楽祭を開催し、下関に音楽文化を根付かせ、県内外の方々に海峡と歴史の街、下関の魅力を感じていただきたいという主旨のもと2019年に立ち上げ今回11月16日開催で4回目になります。ここでは応募された市民で作られた市民クワイヤとプロのアーティスト「The Voices of Japan-VOJA」が共演します。
VOJA は1993年亀渕友香氏を中心に結成されたゴスペルを中心としたコーラスグループです。きっかけは、ある日ゴスペルのハーモニーに魅せられて日本のゴスペル界の先駆者ゆえ亀渕友香さんのもとへ飛び込み、ロサンゼルスへボイストレーニングとゴスペルツアーに参加したことから始まりました。元々16年目を迎える山口きずな音楽祭で、市民クワイアの指導をさせていただき「きずな」を伝える素晴らしい音楽祭をいつか下関でも開催したい!という熱い思いに賛同してくれた下関きずなプロジェクトチームの元、夢を形にすることができました。
アーティストと市民クワイヤとの共演プログラムで歌う音楽祭テーマの「きずな」という曲は故亀渕友香氏が子ども達にも伝えていける日本語のゴスペル曲を作りたいと願い、作曲をマツケンサンバで有名な作曲家宮川彬良氏、作詞を音楽評論家で翻訳家の湯川れい子氏に依頼して完成した曲です。
この曲は命の大切さ、生きる意味を歌い、感じながら会場の皆さんに伝えるのも大きな目的です。クワイヤ募集と動員は各地域の公民館にポスターを市内の小中学校にチラシを配布、SNSで発信し、今年は100人以上の市民クワイヤが参加します。練習日の初日は、ゲストのVOJAのリーダー榊原暁氏のワークショップを開催しました。参加者は県外からもたくさんいらっしゃいます。少しずつ積み重ねてきた下関きずな音楽祭を知っていただき、いつか会場を満席にできる様頑張ります。
3.成果と課題
ミュージカルは歌、ダンス、演技で表現することにより、「読む」「聞く」「話す」「考える」「伝える」等、総合的な力を養うことができます。地域や異年齢の子どもたちが集まり、仲間と一緒に舞台を創り上げることで思いやりや友情が生まれました。
また、イベントや公演を通して達成感を得ることができます。それは大きな自信へつながり、豊かな心を育みます。
国際文化交流の公演では、毎回韓国語でミュージカルを上演し大きな反響を頂いてきました。熊本地震後、公演依頼を頂き復興が進まない大変な状況を目の当たりにし、私たちにもできることを皆で考え、畑の雑草除去や野菜の収穫のお手伝いと仮設住宅でのミニコンサート等、小さな力を合わせてできる取り組みも県外で行ってきました。卒団生には女優になりたいという夢をかなえ、舞台や映画で活躍しているメンバーや、海外と日本をつなぐ架け橋になりたいと通訳の仕事に就いたり、自然に身についた声量と笑顔は職場で活躍する糧となっているようです。
下関絆音楽祭の市民クワイア練習で毎回感じるたくさんのドラマがあります。
親子で参加、姉妹で参加、お友達と参加…教えあったり、励ましあったり、労(ねぎら)いあったりしながら本番に向けて頑張る姿、歌を通して広がる友情、そして本番当日、歌い上げる「きずな」は、一人一人の思いが一つになり会場には大きな感動の渦が広がります。この感動を沢山の方に感じて欲しくて、毎年頑張っています。
4.抱負
今後は地元だけにとどまらず、様々な地域でミュージカルを上演したいと願っています。これからも子どもたちと一緒に,ミュージカルを通して「命の大切さ」「友情」「思いやり」「助け合い」等の大切さを訴えるとともに、 ミュージカルの「楽しさ」「すばらしさ」を感じ、そして心を動かす「パワー」を広く伝えていきたいと思います。
下関きずな音楽祭においては、県内外の方々に海峡と歴史の街、下関の魅力を感じていただき、脈々と受け継がれる歴史と人の人との“きずな”をこの街に生きる喜びを下関音楽祭として発信していきたいと思います。
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