活動事例

地域音楽 コーディネーター 活動事例

【事例紹介】オペラを楽しく身近なものに!

(2025年04月08日公開)

地域音楽コーディネーター 豊田オペラグルッポ代表 愛知県 奥田育子さん

親子で楽しむ名曲コンサート 2022年「ヘンゼルとグレーテル」エンゲルベルト・フンパーディンク曲の出演者一同
親子で楽しむ名曲コンサート
2022年「ヘンゼルとグレーテル」エンゲルベルト・フンパーディンク曲の出演者一同
■活動テーマ:
オペラを楽しく身近なものに!
■目次:
■活動開始時期:
1997年~現在
■場所:
豊田市民会館、豊田市コンサートホール、福祉センターホール、豊田市交流館他
■対象:
一般
■活動内容

1.きっかけ

愛知県豊田市で活動しているオペラ中心の集団「豊田オペラグルッポ」前代表堀山公子氏に公演の稽古ピアノ伴奏(オーケストラの部分)を依頼され、コンサート本番にもピアニストとして参加したのが始まりです。その後、前代表の病気が発覚した時期に豊田市コンサートホールの10周年記念事業があり、責任者を立てる必要があって代表を引き継ぎ現在に至ります。

2.具体的な内容

(1)豊田オペラグルッポとは

1997年に愛知県内で活動している音楽家が集まり、地域の方々にオペラをわかりやすく身近に感じてもらいたいとの理念で発足しました。日本では残念ながら、まだまだ限られた人々しかオペラに接する機会がなく、またチケットは高価でそれらをどのように代えていくか考えました。団体名のグルッポ(gruppo)はイタリア語でグループの意味を持ち、仲間でオペラの楽しさを伝えたい目的で名前を付けました。主軸は2年に1度のオペラ全幕公演(日本語上演・オーケストラ伴奏)ですが、レクチャーコンサートや未就学児をもった保護者が子どもと一緒に気軽に楽しめるコンサートなど様々な演奏会や活動をしております。現在会員はグルッポメンバー(声楽家とピアニストで6名)の音楽家たちで構成されており、公演のときは合唱団を15名ほどで組織します。他にスタッフの団体、ボランティアなど多くの方に支えられています。現在一般の会員制度はありませんが将来的に組織化できればと思います。

(2)オペラを身近なものにするには

総合芸術(文学・音楽・演劇・美術・照明他)といわれるオペラは歌が中心の劇です。歌はイタリア語・ドイツ語・フランス語で表現する作品が多く、夜の女王のアリアで有名なW.Aモーツアルトの「魔笛」はドイツ語、サッカーの応援歌で有名な凱旋行進曲のヴェルディ「アイーダ」はイタリア語、闘牛士の歌で有名なビゼー「カルメン」はフランス語です。これらの言葉だと日本人はストーリーや歌の内容も理解しにくいので日本語に訳して上演しています。また入場料金は安価に設定しています。

(3)豊田オペラグルッポのあゆみ

(4)活動

A.オペラ公演

全てのオペラ公演は全幕日本語で上演し、オーケストラはプロに依頼し特別に編成しました。2023年第15回公演「フィガロの結婚」W.A.モーツアルト曲、2019年第14回公演「シンデレラ」(妖精物語)J.マスネ曲、第13回公演2017年第13回創立20周年記念公演「こうもり」ヨハン・シュトラウスⅡ世曲の様子は下記の写真とチラシをご覧ください。初めてオペラを見る方もおり、その魅力と楽しさを味わっていただきました。

B.親子で楽しむオペラ名曲コンサート

オペラコンサートに行きにくい未就学児の親子を対象に気軽にオペラを楽しんでもらい、子どもたちにオペラへの扉を開いてもらいたという願いで開催いたしました。半分は日本歌曲を含むオペラ名曲コンサート、半分は子どもが興味を持ちやすい様にグリム童話を題材とした「ヘンゼルとグレーテル」(エンゲルベルト・フンパーディング曲)を取り上げその抜粋を公演しました。お菓子の家の扉が勝手に閉まるなど、子どもが興味を持てるように演出を工夫し喜んでもらえました。MCが入ったのも入り込みやすかったようです。日本歌曲も評判が良かったです。後々、お子さんが思い出しては話題にしていただける思い出に残るコンサートになったようです。

C.レクチャーコンサート

本公演のない年に「グルッポ・ガラ」と銘打ち、オペラの名曲コンサートを2公演、各1時間で行っています。その時々にテーマを設け、曲の背景などを解説したり、簡単な芝居を付けてオペラの一場面を演じたりしています。

D.幼稚園へ訪問コンサート

子どものころから芸術に触れさせたいという保護者、幼稚園側の意向で、母の会主催、保育の一つで毎年行っております。「Let’s・Opera」と題して半分は、保育で歌っている童謡メドレー、一緒に歌いましょうコーナーとしました。残り半分は10分でわかるオペラ「魔笛」(W.Aモーツアルト曲)をお話と映像で演奏しました。参加型を加えたコンサートはとても盛り上がり、魔笛は引き込まれて聴いてくれました。

3.成果と課題

地域の人々やオペラ愛好家にとってはオペラを身近に楽しめる良い機会となり、世代や地域を超えて受け継がれています。オペラ鑑賞初心者にとってはオペラへの扉が開かれるなど一定の成果は上がっていると思います。また声楽家にとっても良き活動の場となり、グルッポの舞台を経験することで大きく成長を遂げています。

課題としては公演資金です。総合芸術のため多額な出費が伴います。そのためには当団体が地域で音楽文化貢献している実績を自治体・地元の企業に今以上にアピールすることによりご理解頂き、協賛金等をサポートしていただくと有り難いです。

4.抱負

下記は私が一貫として抱いている抱負であり夢です。

  1. 地域の方々にかわいがっていただき存在感が増すこと。
  2. オペラが継続できること。
  3. 声楽家にとってよき研鑽(けんさん)の場となり、出演したことが誇りとなる舞台をつくること。
  4. 構成員が一丸となって創り上げた舞台に、聴衆が感動しオペラファンを増やすこと。

今後も少しでも楽しくわかりやすく、舞台のクオリティを上げるために一つ一つ努力を重ねていきます。次回の公演は令和7年10月18日(土)18時と19日(日)14時の2回公演を予定しております。演目はW.Aモーツァルト作曲の4大オペラと言われている(フィガロの結婚・ドン・ジョバンニ・魔笛・コジ・ファン・トゥッテ)の一つ「コジ・ファン・トゥッテ」(女はみんなこうしたもの)です。

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