NPOこどもゆめひろば副代表
吹奏楽団ベリーズけいはんな
Fraise Low Brass Ensemble(フレーズ・ロウ・ブラスアンサンブル)
金管アンサンブル mf(メゾフォルテ)
Choco Palace(チョコパレス)経営
地域音楽コーディネーター 京都府 西岡のり子さん

- ■活動テーマ:
- 「音楽」と「食」で世代を超えた地域活動
- ■目次:
- ■活動開始時期:
- 2018年~現在
- ■場所:
- 京都府精華町けいはんなホール奈良県生駒市北コミュニティーセンターISTAはばたきホール幼稚園・小学校・支援学校ショッピングセンター等商業施設駅前広場や公園等のオープンスペース
- ■対象:
- 一般
- ■活動内容
1.きっかけ
私は中学生時代に吹奏楽部に所属していましたが、卒業後は音楽活動から遠ざかっていました。3人の子供を出産後、約20年のブランクを経て音楽活動再開のきっかけとなったのが自宅近くで活動しているアマチュア吹奏楽団の「ベリーズけいはんな」との出会いでした。この吹奏楽団は通常の楽団と違い、練習日を平日の午前中に設定しているため、休日や夜間に参加が難しい子育て中の女性が多く集まる楽団です。また練習の間は地元のサポーターがボランティアで子供の見守り保育をしてくれるという点が、入団の決め手となりました。当時まだ1歳に満たなかった娘を連れて練習に参加し、久しぶりにユーフォニアム(金管楽器)を鳴らして体で振動を感じたときの喜びは忘れることができません。この体験を楽器経験者にも吹奏楽を再開できる機会を与え豊かな生活を過ごしてほしい、また地域住民に吹奏楽のすばらしさを感じてもらいたい、という二つの願いのもと現在様々な活動をしています。
2.具体的な活動
A.吹奏楽団「ベリーズけいはんな」
この楽団の前身は子育て中の母親だけで創設された「ママブラスベリーズけいはんな」でしたが、2011年7月に年代・性別問わず、吹奏楽を楽しむ場を持ちたいという目的で再結成され、今年で15周年を迎えます。団員は30代~50代の吹奏楽・オーケストラ経験者で0歳児の子育て中の母親から現役・定年退職者あわせて60名程が参加しています。
【主な活動】
夏祭りや幼稚園への訪問など地元に密着した活動をしており、地域の方々にとても愛されている楽団です。中でも一番力を入れているのが年に1回開催する定期演奏会です。「3世代に届けたい音楽」をコンセプトに趣向を凝らした演出に定評があります。私は入団当初より舞台演出チームのメンバーとして参加し、楽器演奏だけではなく舞台全体、イベント全体の運営に興味を持ちました。2022年2月第9回定期演奏会10周年記念コンサート、2022年11月第10回記念演奏会では演出を担当させていただきました。

▼2022年2月20日(日) 吹奏楽団ベリーズけいはんな 第9回定期演奏会 結成10周年コンサート(2022年11月)
▼吹奏楽団ベリーズけいはんな 第10回記念演奏会Smileファミリーコンサート ~3世代に届けたい素敵な音の贈り物Ⅷ~(2022年2月)
B.音楽とマルシェ、自己実現をしながら活動の場を広げる
(1)キッチンカーの開業
「ベリーズけいはんな」で演出に関わり他の団員と仲が深まるうち、人生の少し先輩に当たる彼女らが仕事と家庭、子育てそして趣味に全力投球する生き方そのものに刺激を受け、自らキッチンカーを開業しました。飲食業は全く初めてでしたが、同業者とのつながりができてくると活動の場が広がり、音楽ステージとマルシェ・飲食ブースを両方楽しめるイベントの運営に携わるようになりました。
(2)主な活動
2024年3月野外のチャリティーイベントにキッチンカーを手配、2024年12月京都府綴喜(つづき)町にあるカフェ主催のクリスマスマルシェに周辺地域で活動するアンサンブルやPTAサークルなどの演奏団体を紹介しました。このような活動を通して「音楽」と「食」は全世代共通の楽しみであり、地域のコミュニティを活性化するためにとても強力なツールであると感じています。これらを融合させることにより集まる人の幅が広がり、お互いを認識する機会が増え、コミュニケーションのきっかけとなっています。


C.L∞P Wind(ループウインド)Ensemble
能登半島地震復興支援チャリティコンサート
日頃より親交のあるL∞P Wind(ループウインド)Ensembleのメンバーに協力を依頼され、屋外で行われるチャリティコンサートにキッチンカーを手配しました。当日は私もFraise Low Brass Ensemble(ユーフォニアムとチューバだけで編成)のメンバーとして出演しました。吹奏楽やバンドなど多彩なステージとともにキッチンカーの飲食物も楽しんでいただけるイベントとなり、多くの来場者でにぎわいました。キッチンカーの売上げの一部は主催者を通じて被災地に寄附いたしました。


D.NPOこどもゆめひろば
NPOこどもゆめひろばでは、公立中学の部活動の地域展開(地域移行)のサポートをしています。私自身3人のこどもを育てている身で、多感な中学生の時期に部活動がなくなることに危機感があり、それに代わる居場所を作りたいと思っています。
2025年4月に法人化いたしました。

3.部活動の地域展開への期待
長年吹奏楽に携わっている私の活動ポリシーは、地域に根差した小さな活動であることです。大規模なイベントやコンサートもすばらしいですが、準備にお金と時間をかけず定期的に継続することが地域にとっての活力になると考えています。教員の働き改革の政策のもと、2026年度より全国の公立中学校において部活動の土日の活動が地域に移行されます。これに伴い、特に個人での活動が難しい吹奏楽の灯を絶やさないために地域バンドが多数発足しています。
私も奈良県で部活動の地域展開をサポートするためのNPO法人立ち上げから副代表として加わり活動を始めています。私たちがうまく参加のハードルを下げることができれば地域での音楽活動が活発になり、中学校という学校の枠が取り払われることでもっと自由に活動の場を広げることができるのではないかと思います。このような団体の発表の場としても地域の人が集う小さなマルシェイベントは必要であると感じます。
4.成果と課題
2023年10月より約1年間にわたり、当時勤務していたカフェで毎月第3土曜日に定期的にマルシェの企画運営全般を担当しました。試行錯誤を続ける中で、お客様の満足度が高いイベントにするためには「音楽」が重要であることを実感しました。また小さなイベントが地域に受け入れられるためには、定期的な情報発信と認知されるまでに時間が必要であることを学びました。今後もイベントを開催するに当たっての課題は情報発信と集客です。
屋外のイベントであればステージを見ながら飲食できるキッチンカー、ホールで幾つかの団体か出演するイベントであれば休憩時間に利用できるロビーでのマルシェや、出演者も楽しめる音楽関連商品の販売など企画内容を工夫して集客につなげています。
5.抱負
現在活動の拠点としている「こどもゆめひろば」において吹奏楽に限らず、部活動地域展開のサポートを行うと同時に、その発表の場や地域住民との交流の場を作っていくことが地域音楽コーディネーターとしての私の役目だと思っています。そのために地域での小さなイベントを企画提案し、「音楽」と「食」を両方楽しめる場を作り地域を活性化させる取り組みを続けていきます。
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