地域音楽コーディネーター さくら音楽団 団員 埼玉県 野口恵理さん

- ■活動テーマ:
- 地域の大人を巻き込んだ 吹奏楽部の地域展開の形
- ■目次:
- ■活動開始時期:
- 2023年10月~現在
- ■場所:
- 埼玉県さいたま市桜区プラザウエスト
- ■対象:
- 小学4年生~社会人
- ■活動内容
1.きっかけ
学生時代に吹奏楽部でホルンを演奏していた経験から、以前小学校の音楽教員をしていた頃には金管バンドの指導に関わりました。仲間と一緒に音楽をつくりあげることや、音楽を通した人との関わりに価値を感じています。そのため、現在の吹奏楽部の地域展開の話題が気になっていました。
2023年秋、特定非営利法人カストル(代表:吉岡理菜)による「さくら音楽団」立ち上げ、団員募集のお知らせを見つけたことで、心を揺さぶられました。それはホルンを再開したいと思っていたこと,また自分が経験者の一人として参加することで、地域の子どもたちの吹奏楽の活動の場を広げたいという2点で「さくら音楽団」への参加を決めました。
「さくら音楽団」は社会人3名からのスタートになりました。代表の吉岡さんを始め、カストルのメンバーの方々にもサポートしてもらいながら、子どもたちの吹奏楽の地域展開の受皿となれるよう活動してきました。現在は小中学生も参加し、19名で活動しています。
2.具体的な内容
「さくら音楽団」は、特定非営利法人カストル(代表:吉岡理菜)によって運営されています。
(1)活動について
・活動日:月1回土曜日午後又は日曜日・祝日の活動
・参加費:一人1回参加につき¥500(当日集金)
・対象:小学4年生~社会人
・演奏経歴:学生・3か月以上の演奏経験がある方、社会人・3年以上の演奏経験がある方
・募集楽器:金管バンド及び吹奏楽で用いられる楽器、管楽器は持参をお願いします。ドラムや小物打楽器はご用意します。(持参も大歓迎)
現在の団員は、小学生2人、中学生2人、大学生2人、社会人13人計19人です。さいたま市だけではなく、近隣市から通っている団員もいます。社会人の団員は現役の人が多いですが、「月1回・2時間」という無理なく続けられるペースで、うまく両立させながら活動しています。
(2)運営について
さくら音楽団ではカストルのメンバーが運営事務面も担当しています。そのため団員の負担がかなり少なく、活動に参加しやすいように配慮されています。
以下、一般の市民楽団と比較してみます。
さくら音楽団 | 一般の市民楽団 | |
---|---|---|
練習頻度 | 月1回 | 月3~4回 |
会場予約 | カストルで担当 | 団員で分担 |
募集・広報活動 | カストルで担当 | 団員で分担 |
(3)今まで行った演奏会
A:さくら音楽団 第1回演奏会 プラザイースト映像シアター(2024年2月18日)
さくら音楽団創設から5か月。第1回演奏会を行いました。カストルのメンバーにもサポートしてもらい、プロアマ混合6人で演奏しました。
私はプロアマ混合での演奏の本番が初めてでしたが、プロの人と一緒に演奏して「音で引っぱってもらうこと」の楽しさや、さくら音楽団のコンセプトの面白さを痛感しました。この楽しさを地域の子どもたちにも是非体験してほしいと思いました。第1回演奏会を通して、これから地域の子どもたちを受け入れていく活動の基盤を作ることができました。


B:ふるさとにいざ✜サマーコンサート ふるさと新座館ホール(2024年8月4日)
十文字学園女子大学・新座市教育委員会・NPO法人カストル共催で開催された「ふるさとにいざ✜サマーコンサート」に出演しました。
トップバッターにさくら音楽団が出演し、「銀河鉄道999」「宝島」を小学生~社会人プロアマ混合8名で演奏させていただきました。


C:レッズランド桜区音楽会&花火大会2024(2024年10月6日)
創団から1年。地元イベントでの演奏が叶(かな)いました。Jリーグ浦和レッズが創設した総合スポーツ施設で、レッズランド桜区音楽会&花火大会2024に、さくら音楽団も出演させていただきました。温かい応援と元気な拍手を頂き、お客さんと一体となって楽しむことができました。

D:「音楽を一生の友だちに」コンサート 和光市民文化センター サンアゼリア小ホール(2025年2月9日)
十文字学園女子大学と公益財団法人和光市文化振興公社の協働プログラムとして実施された「音楽を一生の友だちに」コンサートに、さくら音楽団も出演させていただきました。「小さな世界」「サウンドオブミュージックメドレー」を、小学生~社会人までプロアマ混合14名で演奏させていただきました。


(4)今後の演奏予定
2026年5月17日(日)に「さくら音楽団第2回演奏会」をプラザウエストさくらホールにて開催予定です。現在、ご来場のお客様も一緒に楽しんでいただける演奏する企画を準備しています♪
3.成果と課題
(1)成果
①子どもと大人の音楽での触れ合い
異年齢の団員同士で一緒に音楽活動をすることが、子どもたちと大人にもよい機会になっています。参加している子どもたちからは「大人の人と一緒に合奏することが楽しい。」「木管楽器など、学校の金管バンドにはない楽器の人とも一緒に演奏できる。」との感想がありました。
②人と一緒に音楽を継続できる喜び
社会人の団員は「大人になっても楽器を続けたい。」「合奏できる場が欲しい。」「人と一緒に演奏したい。」という思いから参加しています。カストルのみなさんの手厚いサポートのおかげで、それぞれが仕事や家庭と両立させながら音楽を楽しんでいます。
(2)課題と対策
①予算面
現在の参加費1回500円では指導者謝礼まで賄うことができていません。また、団所有の楽器購入も視野に入れ、積立てをしていく体制づくりを検討していく必要があります。
②情報発信
地域の小中学生に、学校の枠にとらわれない吹奏楽の形もあるということを知ってもらうため、近隣小中学校への演奏会ポスター掲示依頼やSNS等を扱って、団員募集のための更なる情報発信をしていきます。
③環境づくり
初心者の子どもたちが楽器を始められる環境づくりについて考えていきたいです。他の団体の楽器確保の情報収集を行い、当団としてどのようなことができるかを探っていきます。
4.抱負
「地域の大人も共に考え、自分も楽しみながら無理なくできることを一緒にやっていく」というさくら音楽団の趣旨は、吹奏楽部の地域展開を持続可能なものにしていくための一つのヒントだと思います。私は地域音楽コーディネーターとして、人と人とをつなぐことができるよう、自分にできることを進めていこうと思います。

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