地域音楽コーディネーター 音楽指導者 電子オルガン奏者 愛知県 伊東桜佳さん
- ■活動テーマ:
- 『“楽しい”を探し・創り・届ける』
- ■目次:
- ■活動開始時期:
- 2019年~現在
- ■場所:
- 名古屋市、安城市
- ■対象:
- 一般
- ■活動内容
1.きっかけ
幼少期よりヤマハ音楽教室に通い、音楽の楽しさを感じられたことが、現在の活動の原点となっています。高校・大学では音楽を専攻し、たくさんの仲間とともに音楽にあふれた環境で過ごす中で、音楽の存在が更に大きくなり、楽しみ方も広がりました。
また、演奏に加えて作曲・録音・音響の分野も学び、音楽作品制作からコンサート運営まで携わることができました。大学ではコンサートの委員長を務め、企画・立案から観客動員までを経験しました。卒業時には同期の仲間と一緒に自主企画の卒業コンサートを開催し、1つのコンサートを完成するプロセスとマネージメントを勉強させていただきました。
作品制作では、電子オルガンの立体音響作品の制作に取り組み、「学生の制作する音楽録音作品コンテスト」にて、優秀音楽作品賞を頂くこともでき、電子オルガンで創作する音楽の可能性と、録音作品という新たな音楽の楽しみ方を感じることができました。
これらの経験から、音楽は人の心を動かし、“楽しい”を伝えることのできる強い力を持っていると確信し、現在は音楽指導の他、コンサートを企画し実施しています。
2.具体的な内容
A.お寺でのコンサート
(1)きっかけ
名古屋市中川区にある太平寺では、お寺コミュニティーの一つとして月1回、住職とのおしゃべり会・座禅体験・ヨガ等様々な企画と行事を行っています。その中の1つにコンサートがあります。あるとき、コンサートの演奏者を探していると、声をかけていただいたことがきっかけでした。
(2)内容
2020年、初回のコンサートでは、電子オルガンとヴァイオリンでアンサンブルを行い、太平寺での初めての楽器演奏という大変貴重な機会を頂きました。毎回コンサート後に座禅会があり、音のある空間で楽しむコンサートと、音のない空間を感じ楽しむ座禅という、離れているようでとても似た存在の2つを体験できる素敵なイベントとなっています。
その後もヴァイオリン・ユーフォニアム・二胡など様々な楽器との共演をしてきました。太平寺のコンサートは、毎回幅広い世代の方がお越しくださるため、誰でも聴いたことのある曲や、初めて聴いても一緒にリズムにのって楽しめるようなプログラムを意識しています。
2025年3月には、前回好評だったヴァイオリニストとの再演を行いました。『情熱大陸』や『NHK大河ドラマ真田丸 メインテーマ』等、既知曲を中心に双方の楽器の良さを存分に感じられる曲を演奏させていただきました。今回も好評を頂き、演奏者の私たちはもちろん、お客さまにも一緒に音楽を楽しんでいただけるコンサートとなり、私の目標である『“楽しい”を創り・届ける』が達成できました。
(3)成果
毎回、様々な世代のお客さまにお越しいただけるため、流行(はや)りの曲から懐かしい曲、誰もが知っている曲など、幅広い選曲をしています。また舞台等はなく、とても近い環境で演奏を聴いていただけるため、楽器の良さや、生の音や演奏の良さを間近で感じていただけるとても良い機会になっていると思います。
B.親子で音を楽しむコンサート
(1)目的
2025年9月23日に『子どもから大人までみんなで音を楽しめるコンサート』をテーマに自主企画でのコンサートを開催しました。会場はケーキやドリンクとともに、気軽に音楽を楽しめる環境で、初めてコンサートに来る方にも、楽しんでいただける企画を目指しました。
(2)内容
企画においては下記の点を留意しました。
- 聴くだけでなく、一緒に参加できる内容を加味する
- 曲目は、誰もが知っている曲と演奏者として知ってほしい曲を組み合わせる
- プログラムに演奏曲を聴くポイントを掲載する
- 司会者が合間にその曲の背景と作曲者の想(おも)いを説明する
(3)成果
プログラムに掲載した説明書きと司会の話を通して、初めて聴く曲でも興味を持っていただけるよう工夫をしました。また、参加型の曲も用意し、一緒に歌ったり、ハンドクラップで参加できるリズム遊びを取り入れたりすることにより、予想以上に会場全体で音楽を楽しみ、盛り上がることができました。
お客さまからは「楽しかった」「また是非聴きに来たい」とご好評を頂き、会場のOTOKICHIのスタッフの方々からも、「一緒に楽しめた」「また是非、ここでコンサートを」とお声かけいただくことができました。演奏者の私たち自身も、とても楽しく充実した時間となり『“楽しい”を創り・届ける』親子向けコンサートを成功させることができたと感じています。
今回演奏者の生徒を中心に声をかけました。小さなお子さまとコンサートを聴きに行くことは、静かにできるか・座っていられるか、など不安が多いとの声もよく聞くため、今回チラシを配る際に少し騒いでしまっても大丈夫なコンサートであること、また、一緒に歌ったり、体を動かしたりする曲もあることをお話しました。直接お声かけし、どのようなコンサートにするのかをお伝えすることができたことで、ふだんあまりコンサートに行かない・行けない方でも参加のハードルが下がり、多くのお客さまにご来場いただけるきっかけになったと思います。子どもたちにとってコンサートデビューとなったことが、今後また別のコンサートに行くことや、それぞれが演奏したい・舞台に立ってみたいと思うきっかけになってくれたらと思います。
3.抱負
①音楽を通じて伝えたい
どちらのコンサートも、近い距離感で演奏を聴いていただくことができ、楽しんでいただけたと実感していますが、まだまだ音楽を通じて伝えたいことがあります。私の目指す“楽しい”はリズムにのって・歌って、楽しむということだけではありません。各楽曲の作曲背景や込められた想(おも)い、また演奏者が楽曲にのせて伝えたい気持ちを音1つ1つから感じ共感できる、またそれぞれの違った感じ方や受け取り方も共有することができるところも音楽の持つ“楽しい”だと思っています。
②時間と気持ちを共有していく
奏でられる音から「うれしい気持ち」「悲しい気持ち」「伝えたい想(おも)い」「伝わらない想(おも)い」などをそれぞれの感性で楽しみ、その時間や気持ちを共有していくことが、『音楽を楽しむこと』につながっていくと感じています。自分自身が幼い頃から音楽と触れ合い感じている、『人の心を動かし、“楽しい”を伝えることのできる』音楽の持つ強い力を生かし、また、そんなすばらしい音楽の力を感じていただけるよう、様々な企画を考えていきたいと思います。
今後も子どもたちに音楽の楽しさを伝える講師として、そして地域音楽コーディネーターとして、地域の方々に身近に生演奏を聴いていただく環境をつくり、音楽は“楽しく素敵なもの”だということを伝えていきたいと思います。また、現在私たちを取り巻く環境も考慮し、より多くの方と音楽を楽しむには、動画や配信なども利用した企画も重要と感じています。今後も私の目標である『“楽しい”を探し・創り・届ける』を基に、地域の人々に対して更に良い企画を作り、活動の幅を広げていきたいと考えています。
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