生涯学習音楽指導員、日本音楽療法学会音楽療法士
Born free(*1) 生涯学習音楽普及支援協会代表 鎌倉市 千葉登世さん
■ 活動タイトル:「はじめての音楽呼吸法」
■ 日時:2020年2月12日(水)10:00 – 11:30
■ 会場:鎌倉市社会福祉協議会
■ 対象:高齢者(65歳以上)
■ 募集:20名(参加申込者 計49名)
■ 参加費:無料
■ 活動内容:
A.趣旨、目的
鎌倉市の総人口は、平成26年度にピークを向かえ、その後ゆるやかに減少しています。高齢化率は国・県に比べて高く上昇していますが、平成30年度の30.8%をピークに緩やかに減少に転じました。鎌倉市の平均寿命(65歳時の平均余命)は、男性が 84.84歳、女性が89.74歳で、県内でも上位になっています。健康寿命は、男性が83.16歳、女性が85.97歳です。平均寿命と健康寿命の差は、男性が1.67歳、女性が3.78 歳となっています。高齢者人口の増加により要介護認定者数は、概ね増加傾向にあります。特に要支援2、要介護2の認定者数が増えています。介護給付費及び要支援・要介護認定率の推移は、平成25年は 18.1%であり、国(17.6%)、県(15.7%)よりも高くなっています。また、介護給付費は約 126 億円であり、平成20年の約1.3倍になっています。(鎌倉市HPより抜粋)
上記データからわかるように、地域鎌倉市は現在超高齢化社会となっています。そのような現状を踏まえ、鎌倉市社会福祉協議会より「家族介護予防」を目的とした講習会のご依頼をいただき、『初めての音楽呼吸法』のワークショップを開催いたしました。
B.具体的な内容
健康寿命を縮めるといっても過言ではない「嚥下障害」を防止するために、「噛む」「飲み込む」に必要な5つのバランスを鍛えるトレーニング法として、「まきとり笛」(写真参照)は効果的です。まず、参加者の「喉力」について19項目のアンケートを実施し、1.吐き出す力、2.唾液分泌力、3.喉の筋力・舌の筋力、4.咀嚼力について評価を行いました。その結果を基に、ご自身の嚥下状況を認識していただき、それぞれ5つの喉力を鍛える方法について「まきとり笛」を活用した音楽呼吸法(吐く息を意識した副交感神経を優位にする呼吸法)のワークショップを実施いたしました。
また、サルコペニア(年齢を重ねることにより筋肉を作る繊維自体が委縮し、筋肉の量が減り筋力低下が起こること)対策として、ミュージックフープ(写真参照)を活用した全身運動も合わせて行いました。
C.得られた効果
ワークショップ開催後のアンケート結果により、高齢者の健康に対する関心の深さ、病気への恐れ、興味の方向性についてリアルな声を聴くことができました。総合的な満足度は94%に達することができ、主催者として達成感がありました。今後もより多くの方々に期待に応えられるよう、さらに内容について研究を進めていきたいと思います。D.今後継続していくにあたっての課題
講習会開催については鎌倉市広報のほか、地域掲示板への掲載及び、SNSへの拡散を行いました。参加者が利用した媒体は、鎌倉市広報 85%、SNS6 %、教養センター貼紙 3%、FM鎌倉 3%、口コミ 3%でした。今後、自治体、関係団体、地域住民他にこのような活動を知っていただくために、発信力を強化し、Born freeのホームページの充実を目指していきたいと思っています。(*1) Born free:生涯学習音楽普及支援協会
https://www.bornfree2018.com