昨今、お仕事や音楽のレッスンにて、インターネットを活用している方も多くいらっしゃるかと思います。
ご経験のある方はすぐにイメージ出来るかと思いますが、双方向のコミュニケーションの場合、必ず発生するのが『遅延』、つまり遅れです。
ただの会話程度なら問題ありませんが、一緒に音楽を演奏するということは非常に困難です。
そのような中、ヤマハ株式会社が2020年6月29日にリリースしました【SYNCROOM】(シンクルーム)を皆さんはご存知でしょうか?
誰もが無料で使うことができ、さらにこの遅延を限りなく少なくし、自宅にいながらインターネット越しのリアルタイム演奏を可能にした夢のようなサービスです。
音楽文化創造でも箏とエレクトーンにて早速取り組んでみましたので、ご紹介いたします。
目次
1.SYNCROOMの仕組みと接続
必要な物は、
・パソコン
・オーディオインターフェイス
・マイク
・ヘッドフォン
です。
SYNCROOMはパソコンやスマートフォンにインストールし、インターネットを介して使うアプリケーションです。
一部のスマートフォン(AndroidOS)でも使用可能ですが、今回はパソコンにインストールしました。
このイメージ図のように、まずパソコンとオーディオインターフェイスを接続します。
次に演奏する楽器の音をオーディオインターフェイスへ入力します。
箏のようなアコースティック楽器には別途マイクを使用し、エレクトーンのような電子楽器で音声出力端子が付いている場合は直接オーディオインターフェイスと接続が可能です。(今回エレクトーン側は、会話用にマイクを1本使用しています)
2.映像のやり取り
SYNCROOMを使う上での大きな注意点は、やり取り出来るのは《音声のみ》ということです。
つまり通常のビデオチャット(Skype、Zoom、LINEなど)では当たり前の映像のやり取りが出来ませんので、必要な方は別途用意して下さい。
今回はこのイメージ図のようにZoomを使用し映像のやり取りを行いました。(Zoomの音声は使用しておりません)
3.演奏した様子を動画でご紹介
では実際に接続し、双方でやり取りしながら演奏した様子を動画でご紹介いたします。
演奏曲は《春よ来い》
一度も一緒に演奏したことのない曲でも演奏可能なのか(笑)
チャレンジです!!
4.感想
少々アットホームな内容でしたが、雰囲気は伝わりましたでしょうか?
演奏しながら率直に思ったことを、テロップとして掲載させていただきました。
また度々ノイズが入っておりました、申し訳ありません。恐らく録音時のエラーかと思いますが、これはシステムの問題なのか回線や機材の問題なのかは、まだ我々も検証中です。
課題は少しあるものの、インターネットを介したリアルタイム演奏は可能な範囲かと思いました。
以下、演奏者のコメントです。
■森田敬子(箏)
今回初めてリモートでのライブ演奏をやってみました。もちろん機材のセッティングからSYNCROOMのダウンロートまで全て初めての経験です。ZOOMで教えていただきながらでしたが、思っていたよりも簡単で、機械に強くない私でも大丈夫でした。
実際にやってみて大変面白いし楽しい!と思いました。音もとてもリアルで、CD音源を聴いているような感じ。他に例えるならスタジオに入っている感じとも言えます。セッションをしたり、ライブの練習等で使用したりするには十分役立つと感じました。ZOOM画面を併用すると、お互いの呼吸が目でも見えるので、アドリブセッションにも使えると思います。離れているのにすごく近くにいる感じがするので不思議な感覚でした。
記録動画のリアクションは脚本がある訳ではなく、本当に実感したままの姿です。
■望月良太(エレクトーン)
演奏前は「どんな雰囲気で、どんな音楽スタイルで演奏するのが良いか」しか考えていなくて。。。曲の終わり方にまでは意識がいっていなくて。。。
これに気がついたのは、本当にテロップにも書きました通りサビの途中でした。(笑)
そんなヒヤヒヤした気持ちや、相手の演奏を聴きながら気持ちが乗ってきたり曲の展開を工夫出来たことは、まさに同じ空間で一緒に演奏している時と同じような感覚でした。
いかがでしたでしょうか。
こんな楽器編成はどう?
こんな楽曲の場合は?
皆さん、ワクワクするアイディア、たくさん浮かびませんか?
SYNCROOMはこちらよりダウンロードが可能です。
ぜひチャレンジしてみてください!
音楽文化創造 望月良太