テレビ会議(ビデオ通話)の出来るアプリ、zoom、skype、Facetime、LINEを使った、音楽のレッスンなど、やられている方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
その時、どのアプリを使っても必ず起きる問題があります。
それが【遅延】です。
一体何が起こっているのか…
音楽をやられている皆さんの視点で解説をいたします。
インターネットを介してやり取りする場合、
自分の声が実際相手に届くまでには、少し時間がかかります。
どの程度時間がかかるのか、遅れて聞こえるのかは、インターネット回線の速さや端末のスペック、アプリやシステムの仕様など様々な要因がありますので一概には言えませんが、程度に差はあるものの、必ず遅れて相手に届きます。
しかし普段のビデオ通話では、それほど不便さは感じられないと思います。
現代の通信回線、スマートフォンなどのスペックでしたら、通常の会話程度はさほど影響のないレベルで可能となりました。
ただ、もしこれが《音楽》となった場合はどうでしょうか…
ある先生のオンラインレッスンの一例をご紹介します。
先生の音は【約140msec〜250msec】遅れて生徒さんに届いたそうです。
【msec】は【ミリセック】と読み、【1000msec】=【1秒】です。
(ここでイヤにならないで!)
仮にテンポ60の曲(♩=60)を演奏した場合で考えますと、1秒間(1000msec)で1拍進みますよね。
なので自分の演奏が相手に届くまでに0.5秒(500msec)遅れたとすると、8分音符1つ分、遅れたことになります。
先ほどの例では、【約250msec】遅れたケースもあったそうなので…
もしその状況で♩=60の曲を演奏した場合だと、250msec=0.25秒=16分音符1つ
相手に遅れて聴こえることになります。
皆さんが講師として歌のレッスンをされていたとしましょう。
先生がピアノで伴奏し、生徒さんがそれに合わせて歌い、その歌を聴いて指導する。
こんなシーンはよくあるかと思います。
もし、インターネットを介して行った場合、
まず、先生のピアノ伴奏が少し遅れて生徒さんへ届きます。
これだけなら、生徒さんが歌うこと自体は可能です。
なぜなら、先生の演奏のテンポが乱れてしまうわけではなく、ただ相手に届くまでに時間がかかるだけですので、生徒さんには普段通り聴こえることでしょう。
ただし、その生徒さんの歌を先生が聴くとなった場合はどうでしょうか。
インターネットを介したことで、生徒さんには遅れて届く伴奏。それに合わせた生徒さんの歌が自分のところへさらに遅れて届くので、自ら弾いている伴奏と、画面越しに聴こえてくる生徒さんの歌には、かなり時間差が起きていることが想像できると思います。
もしテンポ60(♩=60)の曲で生徒さんに届くまで250msec遅れが発生していた場合、生徒さんの歌は結果的に8分音符1つ分遅れて自身の耳に聴こえてくることになってしまいます…
これがオンラインレッスンで起きてしまう【遅延】の問題です。
この点をふまえた上で、ピアノレッスンであれば指使いや姿勢に目を向けみる。
また歌のレッスンであれば、表情や口の動きから歌うフォームや、また歌詞そのものの意味を理解する時間に使ってみたり。
これまでとは少し違う角度からのレッスンに取り組まれている先生方のお話も耳にしています。
もし「わたしはこんなことをやっています!」という取り組みがございましたら、
ぜひ、音楽文化創造のWeb委員会(post@onbunso.or.jp)までお知らせください。
Webサイトにてご紹介をさせていただきます。
この記事が皆さまのインターネットの利点を活かした音楽活動や音楽指導のご参考になれば幸いです。
音楽文化創造 望月良太
その時、どのアプリを使っても必ず起きる問題があります。
それが【遅延】です。
一体何が起こっているのか…
音楽をやられている皆さんの視点で解説をいたします。
インターネットを介してやり取りする場合、
自分の声が実際相手に届くまでには、少し時間がかかります。
どの程度時間がかかるのか、遅れて聞こえるのかは、インターネット回線の速さや端末のスペック、アプリやシステムの仕様など様々な要因がありますので一概には言えませんが、程度に差はあるものの、必ず遅れて相手に届きます。
しかし普段のビデオ通話では、それほど不便さは感じられないと思います。
現代の通信回線、スマートフォンなどのスペックでしたら、通常の会話程度はさほど影響のないレベルで可能となりました。
ただ、もしこれが《音楽》となった場合はどうでしょうか…
ある先生のオンラインレッスンの一例をご紹介します。
先生の音は【約140msec〜250msec】遅れて生徒さんに届いたそうです。
【msec】は【ミリセック】と読み、【1000msec】=【1秒】です。
(ここでイヤにならないで!)
仮にテンポ60の曲(♩=60)を演奏した場合で考えますと、1秒間(1000msec)で1拍進みますよね。
なので自分の演奏が相手に届くまでに0.5秒(500msec)遅れたとすると、8分音符1つ分、遅れたことになります。
先ほどの例では、【約250msec】遅れたケースもあったそうなので…
もしその状況で♩=60の曲を演奏した場合だと、250msec=0.25秒=16分音符1つ
相手に遅れて聴こえることになります。
皆さんが講師として歌のレッスンをされていたとしましょう。
先生がピアノで伴奏し、生徒さんがそれに合わせて歌い、その歌を聴いて指導する。
こんなシーンはよくあるかと思います。
もし、インターネットを介して行った場合、
まず、先生のピアノ伴奏が少し遅れて生徒さんへ届きます。
これだけなら、生徒さんが歌うこと自体は可能です。
なぜなら、先生の演奏のテンポが乱れてしまうわけではなく、ただ相手に届くまでに時間がかかるだけですので、生徒さんには普段通り聴こえることでしょう。
ただし、その生徒さんの歌を先生が聴くとなった場合はどうでしょうか。
インターネットを介したことで、生徒さんには遅れて届く伴奏。それに合わせた生徒さんの歌が自分のところへさらに遅れて届くので、自ら弾いている伴奏と、画面越しに聴こえてくる生徒さんの歌には、かなり時間差が起きていることが想像できると思います。
もしテンポ60(♩=60)の曲で生徒さんに届くまで250msec遅れが発生していた場合、生徒さんの歌は結果的に8分音符1つ分遅れて自身の耳に聴こえてくることになってしまいます…
これがオンラインレッスンで起きてしまう【遅延】の問題です。
この点をふまえた上で、ピアノレッスンであれば指使いや姿勢に目を向けみる。
また歌のレッスンであれば、表情や口の動きから歌うフォームや、また歌詞そのものの意味を理解する時間に使ってみたり。
これまでとは少し違う角度からのレッスンに取り組まれている先生方のお話も耳にしています。
もし「わたしはこんなことをやっています!」という取り組みがございましたら、
ぜひ、音楽文化創造のWeb委員会(post@onbunso.or.jp)までお知らせください。
Webサイトにてご紹介をさせていただきます。
この記事が皆さまのインターネットの利点を活かした音楽活動や音楽指導のご参考になれば幸いです。
音楽文化創造 望月良太