生涯学習音楽指導員

活動事例 生涯学習音楽指導員

【事例紹介】第4回60歳からの音楽祭(大阪狭山市文化の花咲かそ補助金事業)

(2020年09月23日公開)



生涯学習音楽指導員、大人のピアノ研究会代表
大阪狭山市 三上香子さん

■ 活動タイトル:第4回60歳からの音楽祭(大阪狭山市文化の花咲かそ補助金事業)
■ 日時:2019年6月29日(土)
午前中リハーサル、12:30 開場、13:00開演、16:30終演
■ 会場:大阪狭山市文化会館「SAYAKAホール」
■ 対象:シニア(60歳以上)のアマチュア演奏者
■ 出演者:24組(計68名)
■ 出演費:ソロ3000円、2名4000円、3名以上5000円
■ 入場料:無料

■ 活動内容:
本稿は、大阪狭山市文化の花咲かそ補助金事業「第4回60歳からの音楽祭」を中心とした事例紹介です。なお、音楽祭の変遷や詳細、補助金の詳細については、音楽文化の創造(CMC)電子版Vol.13の投稿論文『個人による公益活動の可能性 ―市民協働型音楽イベント「60 歳からの音楽祭」の実践報告― 』をご参照ください。

【背景と目的】
多くのピアノ発表会は、子どもを中心に開催される。そこでは、上手な子どもに混じって緊張しながら遠慮がちに演奏をするシニアの様子がみられた。そこで筆者は、2016年にシニアがミスを気にせずに演奏を楽しむことを目的とした「第1回60歳からのピアノ発表会」を開催した。第1回では、これまで発表会の機会がなかったり、子どもと同じ舞台で演奏することをためらっていたりしていた他の教室のシニアのピアノ学習者も数名参加してくれた。なお、終演後に出演者から「ピアノ以外の楽器の演奏も聴いてみたい」という要望があった。そこで次回からは出演者を公募し、ピアノ演奏を中心とした音楽祭を開催することにして、タイトルを「60歳からの音楽祭」に変更した。

「60歳からの音楽祭」の目的は、「シニアの音楽活動への意識を高め、同年代の仲間と出逢い、励まし合いながら生涯学習としての音楽との関わりを豊かにすること」である。「60歳からの音楽祭」の特徴は、シニアの自主性を尊重するため、出演者の意見や要望を積極的に取り入れて実践する方向で回を重ねてきたことである。しかし、あくまでもピアノ学習者を中心にした音楽イベントであるというコンセプトをもっている。さらに「60歳からの音楽祭」は、大阪狭山市の「文化の花咲かそ補助金」を活用した市民協働としての生涯学習活動の側面ももちあわせている。

【出演条件と留意点】
出演条件は、①60歳以上のアマチュア演奏者であること、②2名の場合はどちらか1名、3名以上の場合は3分の2が60歳以上であること、③居住地は問わない、④演奏時間は、搬入退場を含めて7分以内であること、⑥バンド演奏は不可であることである。

また、シニアが中心の音楽祭であることから、観客もシニアが多いことを想定し、①照明を明るくし、部屋全体を見渡せる状態に保つこと、②体調の変化を考慮し、演奏中の出入りはとくに厳しく対応しないこと、③適時にトイレ休憩をとることを留意点とした。写真は第4回の出演者募集チラシと会場の様子である。




【実施内容】
「第4回60歳からの音楽祭」の第1部では、ピアノを中心にしたソロ演奏を設定した。具体的には、ピアノソロ、ピアノ弾き語り、クラシックギター、アコースティックギター、イングリッシュハープ、ハーモニカ、シャンソンである。第2部は、2名以上のグループ演奏を設定した。具体的には、ピアノ連弾、連弾の弾き歌い、声楽二重奏、ピアノとボーカルアンサンブル、ギターとフルート、篠笛、オカリナ、ポップス、キーボードアンサンブル、健康音読、ウクレレ合奏である。写真は、第2部の演奏風景である。

【今後の課題】
これまでの活動を振り返り、今後も音楽祭を継続するためには、自己負担金を軽減する必要性が考えられた。そのためには、支出と収入の両方から思案する必要がある。例えば支出の面では、出演者の再エントリーが多いことから、次回からは、地域情報誌への募集広告費が削減できると思われた。収入の面では、3名以上の出演料を統一せず、人数分を徴収することで増収がみこまれる。なお増収については、出演枠の追加と入場料の徴収も考えられる。しかしそれらの実行は容易ではない。したがって現時点では、広告費の削減と大人数のグループの参加費の見直しから着手すべきであろう。

三上香子(大人のピアノ研究会)https://mikanpiano.grupo.jp/



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