<新しい方角(邦楽:日本の伝統音楽)>
ジャズフルート奏者&ジャズ篠笛奏者 笛吹かなさん■活動タイトル:篠笛の可能性は無限大!!
目次■日時:2020年~現在
■場所:渋谷Body and Soul、西新井カフェクレールなど
■対象:一般
■活動内容
1.篠笛を始めたきっかけ
私は大学教育学部在学中に、民族音楽研究ゼミを選択し受講しました。そこではアフリカの土着な音楽や日本の伝統音楽文化ついて学びました。その頃、静岡の和太鼓チームや地元福井の太鼓チームを取材し、 そこで洋楽器とコラボレーションしている和太鼓に魅力を感じ、卒論を「日本の和太鼓文化における伝統と創造」というタイトルで書き卒業しました。フルートを吹いていた私はその時、和太鼓と一緒に演奏したいと思いました。 大学卒業後、東京の音楽専門学校に入り直し、音楽理論やアレンジを学び、卒業後は自分の演奏活動のひとつとしてフルートで和楽器の方との共演などをしていました。篠笛との出会いは演奏活動中に、一本の篠笛を譲っていただいたのが始まりです。最初は楽器の持ち方、指の押さえ方がわからず上手く吹けませんでしたが、逆にその難しさが自分にとっては面白く感じました。 奏法がわかってくると、フルートとは違う音楽表現ができると思い始め、篠笛を演奏することが楽しくなりました。
竹でできている篠笛と金属でできているフルートでは材質が違うので、当然音色の違いがあります。私には、フルートは優雅、上品、美しさがあり、篠笛は、素朴さや日本人の心に響くような感覚があるような気がしております。金属の音色とは違う、竹の素朴な音色に惹かれたのかなとも思います。
2.篠笛の演奏について
私は、現在まで長らく、フルートメインでその他色々な笛を持ち替え演奏するという形でジャズ、ラテン音楽を主にライブ活動をしてきました。その演奏の際、和楽器の篠笛も取り入れられたらサウンドにより変化が出て楽しくなるだろうと思い、新たに持ち替え笛の一つとして取り入れました。 その後、篠笛に慣れて色々な調子が吹けるようになってくると、篠笛だけでもジャズライブが可能ではないかと思い始め、2020年、篠笛、ピアノ、ベース、ドラムといった王道ジャズカルテット編成でのライブを始めました。このカルテットでは、主に渋谷Body and Soul で演奏しております。演奏曲は、「Left Alone」や「Spain」などジャズスタンダードナンバーや、日本のわらべ歌「ずいずいずっころばし」や「りんご追分」などのジャズアレンジなど、日本の音楽とジャズの融合を追求してきております。
●渋谷Body and Soul
https://www.bodyandsoul.co.jp
・りんご追分
My shining hour
3.篠笛ジャズライブにおける聴衆の反能
(1)音色に対して
- ・篠笛の音色は心に響く感じがする。
- ・フルートとは違った竹のハスキーな音色が、艶やかに感じる。
- ・篠笛は種類がたくさんある事を知り、その使い分けが面白い。音域によって音色が全く違う。
(2)ジャズ演奏について
- ・篠笛でジャズの演奏は、新鮮な衝撃を受け新しいジャズの世界を感じた。特にジャズバラード曲は渋くて味わいを感じる。
- ・和風な雰囲気からのジャズへの変化がかっこいい。
- ・ジャズというとアドリブが見せ場。七つの穴だけで、アップテンポ曲のアドリブができるテクニックがすごい、神業に見える。
4.その他
尺八制作の方の新しい試みで、メタル尺八の頭部管をフルートに装着し、尺八風のフルートが吹ける AireeedX という新しいフルートアイテムも吹いております。これは和洋折衷楽器でとても面白いものだと思ってます。制作側の方もいろいろと考えておられるのだろうなと感じます。●AireedX 制作 【泉州尺八工房】
https://shakuhachi.co.jp
●笛吹かな AireedX についてのブログ
https://ameblo.jp/fuefukikana0218/entry-12703833210.html
5.今後の抱負
篠笛は日本古来の和楽器の一つで一般的には祭囃子などで聴かれることが有りますがもっと多くの方に知っていただけるには、古典曲に限らず、あらゆる音楽ジャンルで演奏できる可能性がある事を知っていただけたら嬉しいです。その機会を作るため、微力ですが私がジャズの現場で篠笛を使用することにより、普段からジャズライブを見に来て下さるお客様方に篠笛という和楽器を知って戴くきっかけになり、そこから興味を持って下さる方が出てきたら素敵な事と思います。
篠笛を吹いている方には、「篠笛でジャズも吹ける」「ピアノ、ベース、ドラムといった西洋楽器とのセッションは楽しいので貴方もやってみませんか?」と投げかけをさせていただいております。 違う音楽ジャンルのミュージシャンとコラボレーションする篠笛奏者が増えることにより、和楽器と交わる機会のなかったミュージシャンやリスナーたちが和楽器を知るきっかけになるのではないかと思います。
また、メディアや学校教育の分野などに取り上げていただくことを期待しております。そして、そのひとつとして篠笛ジャズも取り上げてもらえたら嬉しいです。今後の自分の篠笛演奏活動としては、世界中の様々な国のジャズミュージシャンとコラボレーションし、篠笛ジャズ、これぞ和ジャズというサウンドを世界中で披露したいです。
●笛吹かなOfficial Website
https://www.fuefukikana.com/
「新しい方角(邦楽)」は日本の伝統音楽の新しい道を探るコラムです。
新しく斬新な試みで邦楽(日本の伝統音楽)の世界に新しい息吹を吹き込んでいる邦楽演奏家の方やその活動などをご紹介し、邦楽の新しい方向性を皆さんと共に模索しています。
「新しい方角(邦楽)」
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