活動事例

新しい方角(邦楽) 活動事例

箏三絃(三味線)の底辺を広げるために!

(2023年04月26日公開)

<新しい方角(邦楽:日本の伝統音楽)>

公益社団法人当道音楽会副理事長 大勾当 大阪府 菊重精峰さん

■活動テーマ:箏三絃(三味線)の底辺を広げるために!

目次
■活動開始時期:1985年~現在
■場所:主に大阪・東京・兵庫・北海道・九州・他
■対象:幼児から高齢者まで

■活動内容

1.お箏に出会ったきっかけ

小学1年生の頃に、床の間に立てかけてあったお箏を私が触っているのを見た母が、「お箏したいの?」と聞かれ即答して7歳からお箏を習い始めました。初めてお箏を爪弾いて聴こえてきた音がとても優しく心に響きました。そして力強く弾(ひ)いてみると芯のある鋭い音を発するなど、どんどん箏の音色に惹(ひ)かれていきました。その当時は男性がお箏を演奏する人は珍しく少なかったと思います。お箏の稽古を続けながら、小中学生は野球部、高校時代はラグビー部で活躍し、高校3年生に音楽大学の邦楽科へ行く事を決めました。

2.具体的な活動

(1)作曲家として

大学卒業後は指導と演奏活動を続けて参りました。1995年に我が子が誕生し、産まれてすぐの産声を聞き我が子の顔を見た瞬間「この感動を曲に残したい!」と作曲を始めるきっかけになりました。作品を作るに当たっては下記のポイントを念頭に置きました。
  1. 箏・三絃(三味線)・尺八の底辺を広げる
  2. 演奏者にとって演奏しやすく、なおかつ満足感を得られるもの
  3. 分かりやすいメロディーを付ける事

最初の作品は『星空への想い』(箏、十七絃、尺八)です。この1曲が作れたなら、まだまだ作れるだろうと考え「自作集のCDを作って作曲家デビューしよう!」大学の後輩に演奏収録のお願いをし、1998年ファーストアルバムが完成しました。その後邦楽の大手楽譜出版社より楽譜を出版しています。現在も引き続き多数のアルバム発売と楽譜の出版を行い好評を博しています。

「星空への想い」試聴
https://minenokai.jp/trials/hoshizora.mp3



文化庁舞台芸術創作奨励国立劇場作曲コンクールにて入選した『猿蟹昔物語』は日本昔話の猿蟹(さるかに)合戦を題材とし、歌の内容は猿蟹(さるかに)合戦そのままで曲調は古典的に作りました。小学校での鑑賞演奏では分かりやすくするためにスライドや紙芝居などを用い生の演奏を聴いていただき好評を得ております。子供たちからは笑顔が生まれます。また猿蟹(さるかに)合戦の続編、改心した猿(さるる)とそのときの子蟹(ほのかに)が愛し合い、ハワイでプロポーズをするといった物語『猿の恩返し』を作りました。この2曲は続けて演奏できるようにも工夫を凝らしました。

最近では公益財団法人日本伝統文化振興財団主催の第10回中島勝祐創作賞を頂いた、お酒の徳を称えた『一杯』(田坂州代作詞)を2023年5月28日に「公益社団法人当道音楽会第140回定期演奏会」大阪国立文楽劇場にて発表します。

この当道音楽会(https://todo-ongakukai.jp/about/outline)と言う団体は基本、古典曲を重んじた邦楽の団体です。年に一度の定期演奏会では新しい曲も取り入れようという事で一般の方々にも受け入れられやすい曲想の私の作品『菊重曲』を毎年1曲選んで下さり披露しております。また主宰の会「峰の会」地歌箏曲演奏会を2009年から年に1度行い今年で14回を重ねます。ここでも『菊重曲』を中心に古典曲なども交え生徒とともに発表しております。
曲作りを始めてからはオリジナル曲を中心にライブや講習会に招かれ演奏や講師として、また審査員として日本全国に出向いております。

(2)CD及びDVD *( )内以外はキクシゲサウンドスペース制作

  • 1998年「星空への想い」
  • 2001年「Revolution」
  • 2004年「UPSARU」(あぷさる)
  • 2006年「聴き薬」
  • 2007年「誓星-きらめく光に-」(公益財団法人日本伝統文化振興財団DVD)
  • 2009年「アスリート」
  • 2009年「誓星-きらめく光に-」(DVDをCD化)
  • 2011年「一丁一管」
  • 2012年「お山の恋話」(公益財団法人日本伝統文化振興財団)
  • 2013年「おもむくままに」
  • 2016年「千鳥五重想」
  • 2017年「ブルームーン」
    https://minenokai.jp/trials/bluemoon.mp3
  • 2019年「あの虹の向こう側に」
    https://minenokai.jp/trials/anonizi.mp3
  • 2022年「令和六段調」

https://minenokai.jp/trials/reiwarokudan.mp3

3.課題

邦楽の大きな課題は、一般の方々にとって日常生活の中で目に触れ、聴いてもらう機会が少ないことです。自分自身含め演奏家は皆楽しく演奏していますが、その楽しさを伝える努力がまだまだ足りないのが原因です。スポーツはTVや紙媒体のメディアでよく取り上げられますが邦楽は非常に少ないです。メディアを活用することも重要ですが、最近ではFacebookやYouTubeやTikTokなど幅広くPRできるSNSがあるので、それらを扱って普及啓蒙(けいもう)していきたいと思います。もう一つは古典曲等は「1曲の時間が長い」と感じられると思います。その点を鑑み短い曲も取り入れたプログラミングを目指します。

4.抱負

2019年より大阪音楽大学の邦楽非常勤講師として指導しております。ピアノ科・声楽科他の楽器を専攻する学生に邦楽の魅力を知ってもらうため、副科として箏・三弦を私の作った手ほどき&小品集『ことのえちゅうど』と『さんげんのえちゅうど』2冊を教材として扱い基本を教えます。年1回定期演奏会を開催し、古典曲とともに私の作品『猿蟹昔物語』『備北讃歌』『組曲 四季彩』『菊の詩』『NiんjA』『まほら』等取り入れ発表しています。

音楽は万国共通ですが邦楽は音楽ではないと思われている方もいらっしゃるように感じることがあります。邦楽に接していない方たちにも箏や三絃や尺八の音色に耳を傾けていただけるよう、万人に愛される新しい曲を作り続けて邦楽愛好家を増やしていきたいと思います。

菊重精峰公式ホームページ https://minenokai.jp


(2023年4月26日公開)


「新しい方角(邦楽)」は日本の伝統音楽の新しい道を探るコラムです。
新しく斬新な試みで邦楽(日本の伝統音楽)の世界に新しい息吹を吹き込んでいる邦楽演奏家の方やその活動などをご紹介し、邦楽の新しい方向性を皆さんと共に模索しています。

「新しい方角(邦楽)」

 

#日本の伝統音楽

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