全国生涯学習音楽指導員協議会 岡山支部代表 岡山県 藤原典子さん

- ■活動テーマ:
- 音楽の楽しみ方「モーツアルトってどんな人?」
- ■目次:
- ■日時:
- 2024年10月27日(日)14:00~15:45
- ■場所:
- 岡山県美作市(みまさかし)作東バレンタインプラザ
- ■対象:
- 幼児から高齢者まで
- ■活動内容
1.きっかけ
今回開催した作東バレンタインプラザがある美作市は、鳥取県と兵庫県に接し、豊かな山と川に囲まれている景観が良いところです。美作市では街を歩くと音楽が聞こえてくる街づくりと、子どもから高齢者まで幅広い年代が音楽を通して交流する場づくり目的に、自治体・地元の企業・商店他の協力により、2013年「音楽がきこえてくる街をつくる会(音街会)」が発足しました。ちょうど同じ時期に我々のグループ生涯学習音楽指導員協議会岡山支部(*1)を設立し、当時の代表が音街会メンバーだったこともあり、その後コンサートやイベントに関わらせてもらっています。
*1)生涯学習音楽指導員協議会岡山支部:(公財)音楽文化創造主催の「生涯学習音楽指導員講習会(2020年より休止)」を受講し、生涯学習音楽指導員として資格認定を受けた有志により2003年に設立した全国組織の任意団体です。現在22支部・会員約200名で組織されており岡山支部はその一つです。各支部はそれぞれの専門分野を生かし、生涯学習の視点にたって幼児から高齢者等を対象に地域の自治体・音楽団体・音楽家と連携し、音楽を通して地域活性化に貢献する活動を実践しています。岡山支部は洋楽の専門家で構成されています。岡山音楽祭、倉敷音楽祭、和気ふじ祭り等に参加、また幼稚園・小学校・高齢者大学等で訪問演奏や歌声会、子ども夢基金(独立行政法人国立青少年教育機構)を使った音楽指導の活動をしています。各支部はそれぞれの専門分野を生かし、生涯学習の視点にたって幼児から高齢者等を対象に地域の自治体・音楽団体・音楽家と連携し、音楽を通して地域活性化に貢献する活動を実践しています。
2.具体的な内容
(1)目的
このコンサートはクラシック音楽を身近に感じてもらうことを目的に、2019年、美作市にて音楽の楽しみ方「モーツァルトってどんな人?」というタイトルで開催し好評を得、今年、更にパワーアップした内容で再演しました。ちなみに昨年2023年は「ベートーヴェンってどんな人」というタイトルで開催しました。今回皆に良く知られている作曲家W.Aモーツアルトは1986年に公開された映画「アマデウス」で一般の方々にも彼の生涯を知るきっかけになりました。アマデウスとは、彼のフルネーム「ヴォルフガング・アマデウス・モーツアルト」のミドルネームがタイトルになっています。

(2)内容
モーツアルトについて興味を持ってもらうように、演奏だけでなく彼の35年の生涯・家族・性格・趣味等を寸劇などを取り入れて行いました。開演前には「ディベルトメント第17番ニ長調K.334」(*2)を流して聴衆にくつろいでもらいました。
*2)Kとはオーストリア生まれの音楽研究家ケッヘルがモーツアルトの全作品を年代別にまとめた目録をさし、ケッヘルとよばれている
【一部】モーツァルトの短い生涯(35歳没)と作品紹介
幼少期からのエピソードと作品(21曲選曲)をプロジェクター(写真・イラスト)を使用して説明し、また寸劇(当時の服とカツラをかぶり)を交えて語ることで楽しんでいただきました。途中、会場の皆様方にクイズで参加していただき、より興味を持ってもらいました。オーケストラ以外の作品は生の演奏(ピアノ、声楽、ヴァイオリン、チェロ)を聴いていただき、生演奏の迫力と魅力を感じてもらったと思います。作品は年代別に紹介しました。
(例)最初の作品(5歳)と言われているピアノ曲「アンダンテK1aハ長調」から、31歳のときの作品でモーツアルトの一番有名なセレナーデ「アイネ・クライネ・ナハトムジークK.525」そして亡くなる前に書かれた最後の作品「レクイエムK.626」まで(詳細はプログラム参照)







【二部】モーツアルトの音楽の効用
モーツアルトの音楽はリラックス効果が高く、自律神経を整えたり、不眠症の緩和や胎教にも良いと言われています。
説明を加えながら有名な曲3曲をヴァイオリン、チェロ、ピアノの生演奏で、また、モーツァルト風に編曲されている曲(下記の3曲)も聴いていただき興味を持ってもらいました。

<モーツァルト風の曲(3曲)のYouTubeと演奏>
▼ファミリーマート入店音(JR-EAST メロディー密着録音)
▼もしもモーツァルトがファミマの入店音を作曲したら(H.S. studio)
▼アイネ・クライネ・スーダラ・ムジーク(ピアニスターHIROSHI)
▼山の音楽家のコンサート~モーツァルトの夕べ(全音楽譜出版社)
モーツァルトの子守歌も聴いていただいた後、豆知識も披露しました。「長年モーツアルトの曲と言われてきたこの曲は、近年モーツァルトの作曲ではないことがわかっていること」等
最後に会場の皆さんに参加してもらい、オペラ「フィガロの結婚k.492」よりアリア「恋とはどんなものかしら』を声楽家の井上さんの指導の下、イタリア語で楽しく歌って終わりました。



3.成果と課題
ふだん、クラシック音楽をあまり聴く機会が少ない方にも興味を持ってもらえました。モーツアルトの生涯と音楽を分かりやすい説明、寸劇と生演奏で楽しい時間を過ごしていただいたと思います。今後は違う作曲家のも取り上げてほしいとか、このような企画を「小学校で行ってほしい」とのうれしいリクエストも頂き、主催者として満足感を感じています。
開催当日は、たまたま2つの選挙が重なり、スタッフが少なく音街会サポーターの方々にお世話になりました。当日は雷があり、ワイヤレスマイクを使用していたので大きな爆音がし、会場の皆さんがびっくりされました。今後、演奏会開催においては当日の天候も配慮し、雷注意報のときはワイヤレスマイクの使用は扱わないで行うなど、配慮することが必要と反省しています。
4.抱負
コロナ禍の休止期間を経て、以前のように美作市からのご依頼で高齢者の歌声会を年間に6・7回開催しています。毎回ただ歌うだけでなく、脳トレに効果がある動作も取り入れ工夫しています。最近は七夕の題材の紙芝居をパソコンに取り込み、プロジェクターで見てもらいながらお話に音楽もつけて実施しました。今後も子どもから高齢者の方々まで、見て聴いて楽しんでもらえる新しい企画を作り、地域貢献していきたいと考えています。
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