地域音楽コーディネーター 声楽家 オペラグルッポ代表 愛知県 奥田さん
- ■活動テーマ:
- 「オペラを楽しく身近なものに」
- ■目次:
- ■活動開始時期:
- 2025年10月18日(土)19日(日)
- ■場所:
- 豊田市民文化会館小ホール
- ■対象:
- 一般
1.きっかけ
「豊田オペラグルッポ」は1997年に愛知県内で活動している音楽家が集まり、地域の方々にオペラをわかりやすく身近に感じてもらいたいとの想いで発足し29年目を迎えました。グルッポは設立より2年に1度、オペラ全幕公演(日本語上演・オーケストラ伴奏)を中心に親子のためのコンサートや幼稚園への訪問コンサート等を行いオペラの普及をしています。オペラ作品はイタリア語・ドイツ語・フランス語で書かれることが多いのですが、当団の特色は全て日本語で上演していることです。
今までW.Aモーツアルト「魔笛」、J.シュトラウスⅡ世「こうもり」、G.ビゼー「カルメン」、G.プッチーニ「ボエーム」、J.マスネ「シンデレラ」、エンゲルベルク・フンパーディンクの「ヘンゼルとグレーテル」他の作品を公演してきました。団体名のグルッポ(gruppo)はイタリア語でグループの意味を持ち、仲間でオペラの楽しさを伝えたい目的で名前を付けました。
2.具体的な内容
今回はW.Aモーツアルトの「コジ・ファントッテ」(女はみんなこうしたもの)を10月18日(土)20日(日)と2回公演致しました。このオペラはW.Aモーツアルトが作った17のオペラの中で「ドン・ジョバンニ」「フィガロの結婚」「魔笛」と並んで有名な作品です。オペラを初めて鑑賞する方へ、事前にあらすじや登場人物のことを知っていただくと、より興味を持ってもらい、当日楽しんでいただけるように本公演1か月前の9月20日(土)豊田参合館にてプレコンサートを開催いたしました。
(1)プレコンサート
オペラとはどういうものかという原点から、「コジ・ファン・トウッテ」のあらすじ、聴きどころ、見どころをレクチャーしました。映像を使って説明しながら主要なアリアと重唱をピアノ伴奏で演奏しました。
本公演ではメロディー付の歌詞で流れてしまうところに、事前にあらすじと登場人物の相関図を理解できることにより、本公演により興味を持たれました。ネタバレありのオペラですが、あえて結末は伏せたので結末が気になるという反響も多くあり本公演の楽しみが深まったようです。
(2)本公演10月18日(土)19日(日)のコンサート
このオペラは18世紀イタリアのナポリを舞台に二人の姉妹がそれぞれの恋人の士官と男女の間で起こる喜劇的な内容です。
3.成果
(1)プレコンサートの効果
この効果は高く、来場された方はあらすじをよく理解して聴いていただき、音楽とともにとても楽しめたようでした。公演直前に動画を作成し、SNSで発信したことが大きかったと思います。
(2)イタリア語を日本語に代えて
当団の「地域の方々にオペラをわかりやすく身近に感じてもらいたい」という目的は達成できました。日本語公演は言葉の選び方と、音楽とのマッチングが永遠の課題ですが、自然に聴きとれたとの声が多く寄せられました。
(3)質の高い舞台
予算の都合でパネルだけのシンプルな舞台でしたが、かえって重厚な衣装や美しい照明が生き、品の良い舞台が出来上がったと好感度抜群でした。演奏者はオーケストラも含め全員プロですのでクオリティの高い大アンサンブルが実現できました。
4.課題
(1)財政面
オペラは音楽と演劇が融合した総合舞台芸術です。音楽家(歌手・合唱団・オーケストラ奏者)演出家、舞台監督、衣装・大道具係、照明・音響などの多くのスタッフで作られます。よって多くの金額が必要になり助成金、協賛金が不可欠です。ヨーロッパの多くの歌劇場や演奏家は、国や自治体の助成金に支えられています。私どもも地域の行政や企業に地域文化の一つとして理解を得られるよう魅力のある内容を提案していきます。
(2)企画
現在オペラは残念ながら限られた中高年のファンに偏っています。いかに幅広い世代にオペラ文化を浸透させ、オペラの魅力を感じていただき、リピーターをどのように増やせるかに尽きると思います。その場合には今回のようなプレコンサートは意義があると感じました。
5.抱負
今後も豊田市民を中心に当団の存在をアピールして認知していただき、本格的なオペラを日本語で身近に届ける活動を続けていきたいと思います。また、リピーターを増やすことも目指し、市外県外からのオペラファンにも来てもらえるようなクオリティの高い舞台創りを目指します。
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